スキー場の殺人
ミドー (2003/10/23(Thu) 20:28:54)
季節外れですが、スキー場の話です。
M山スキー場。設備も十分に整っていないせいか、人があまりいないさびれたスキー場である。このスキー場である冬の日、殺人事件が起こった。ここで、このスキー場の説明をしておく。このスキー場はコースが一つしかなく、頂上から一番下まですべるという恐ろしくつまらないものだ。頂上に行くにはまず、一番下の第一リフトから途中の第二リフトまで行き、そこから乗り継いで頂上のリフト降り場に行かなければならない。その第二リフトと頂上の間のコース上で死体が発見されたのだ。
殺されたのは田中武29歳。このスキー場第二リフトの従業員で、リフトの運行係を任されていた。
この事件を任されたのは桜木という警部だった。
「警部、容疑者を特定しました。」
「それで?誰なの、その容疑者は?」
「はい、容疑者は被害者の田中とともに第二リフトの従業員をやっていた三人で、被害者と同じく運行係だった鈴木純一、スピーカーの管理を担当していた佐藤賢一、リフト券の確認を担当していた武田真治です。」
「彼らのアリバイは?」
「被害者を最後に見たのは鈴木さんです。彼と被害者は一緒にスノーモービルで周辺の見回りに出かけていました。この見回りは習慣で、二手に分かれて毎日十五分ほど回っているそうです。その間、佐藤さんはリフトの運行、武田さんはリフト券の確認を行っていたそうです。まぁ、乗客は数えるほどしかいなかったらしいですがね」
「それにしても、この第二リフトは他の乗り場よりも大きいな。」
「ええ、この第二リフト乗り場で全てを管理しているらしいです。でも、小さなスキー場なので、あの四人で人手は足りていたとか。頂上の降り場は無人ですし」
「いったいどうなってんのかねぇ・・・それで?続けてくれ」
「はい、途中で武田さんが腹を痛めてトイレへ。佐藤さんは一人で残っていました」
「凶器はこの木の棒だし、犯行は誰でも可能か」
「はい。そして武田さん、鈴木さんが戻り、今まで止めていたスピーカーのスイッチを入れたそうです。しばらくしても田中さんが戻らないので三人で探しに行ったらしいです。そして・・」
「発見したというわけか」
桜木は雪の上にできた血の染みを見下ろした。
「それにしても、先輩、さっきから何を聴いてるんですか?」
「あ、これは被害者の持っていたMDだよ。録音スイッチが押されていたから何か手がかりが残されているかとね」
桜木はうなりながらMDを聴き続けた。
まだ、続きま〜す。
Σ (2003/10/28(Tue) 18:02:39)
続きを楽しみにしてたんですが・・・
更新してください(泣
ミドー (2003/11/02(Sun) 21:22:04)
すみません、更新が遅れました。本当に申し訳ありません。
「それで?何か手がかりはあったんですか?」
「大アリだよ。ま、聞いてみろ」
桜木警部は部下の石田君にMDを渡した。石田君はそれを受け取って聞いてみる。
「よォ・・・。やっと来たか・・・。それで?金は・・バキッ・・うわっ、な、何を・・バキッ・・バキッ・・・・・・・ブツッ」
「こ、これは・・・」
「犯行時を記録したものだ。その直後、殴られた衝撃か何かで切れているがな。しかし、問題はこのバックに流れている曲だ」
たしかに、犯行時のテープには、曲が流れている。
「こ、これです。彼らが全員そろった後、流した曲は・・・」
「何だと?それから彼らがしばらく一緒に居たとなると、アリバイが確定することになるぞ。確認をとれ、石田!」
「はいっ」
「あ、それと石田、スピーカーってのはどの位置にあるんだ?」
「第一リフト乗り場と第二乗り場の間、第二乗り場、頂上と第二乗り場の間の計三本です。それぞれ電源スイッチや音量調節器がついているらしくて・・」
「妙なことに金使ってるなぁ」
「確認、とれました。三人は曲を入れた後、一緒に居て、外にでた人はいません。アリバイは確定です。今日はその曲以外、一曲も流していないらしいし、下の乗り場の人もそう言っています」
「そうか、考えてみたんだが、佐藤が中央と下のスピーカーの電源を切っちまえば聴こえなくなるんじゃないか?上の方だけ曲が流れて・・・」
「それは無理です。スピーカーの音量は最小でも、中央にはちゃんと聴こえるようになっているらしいです。たとえ一本でも、第二リフト乗り場には聞こえるようになっていたとか。それに、テープは偶然、もしくは田中さん自身が記録していたんですよ。それを予測してアリバイ工作をするやつなんて・・・」
「だよなぁ・・・」
「ちなみに、武田さんはコーヒーを飲んでいて、その中に下剤を入れて、意図的にトイレに行かせるように仕向けることもできたらしいです・・・先輩、どうしたんですか?」
「三つのスピーカー、第二リフト乗り場、MD・・・何か引っかかってるんだよなぁ・・・・・あっ!!!もしかしたら、もしかしたら・・・石田、田中の他にMDを持っている奴はいなかったか?」
「はい、見回りに出かけた鈴木さんが持っていたらしく、よく仕事中に聴いて注意されていたそうです。最近は持ってきてひまな時に聴くだけらしいですが」
「わかったぞ、わかったぞ、犯人はあいつしかいない!」
犯人、そしてアリバイのトリックを当ててみてください。(遅れて申し訳ありませんでした)
@ (2003/11/03(Mon) 00:12:40)
鈴木さんでお願いします〜。
ただし鈴木さんがMDプレーヤーともう一つ音の出る機械(その録音されたものが第二リフトでも流すことができるもの)を持っていたというのが条件です。
まず、鈴木さんが持っているオーディオ機器で後にスピーカーから流れる音楽を流し、MDプレーヤーを録音の状態にして田中さんを殺害します。
そしてMDプレーヤーからMDを取り出して田中さんのMDプレーヤーの中に入れます。(もしかしたら鈴木さんのをそのまま持たせたのかも)
問題文中には『・・・武田さん、鈴木さんが戻り、今まで止めていたスピーカーのスイッチを入れた・・・』、『・・・三人は曲を入れた後・・・』と、誰が音楽を流したのか明確にされてないから、鈴木さんが音楽を流したってことも十分に考えられます。
そこで鈴木さんは自分が持ってきた、MDかCDかカセットか何でもいいけど第二リフトのオーディオ機器に対応するものをセットし、田中さんを殺したときに流していたものと同じ音楽を流して、万事終了。
条件付ですけどこんなんでどうでしょう・・・?
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。