探偵事務所：最後の事件

越智月久　(2004/07/16(Fri) 13:48:26)

　平安時代・江戸時代・未来と、訳の分からない事件を解決して
ほっとしていたら、突然腹痛を起こした。病院へ行くと即入院と
言われた。入院中は暇なので看護婦と遊ぼうと思ったのだが、
手を出しただけで顔面にパンチが飛んでくる。一度は押し倒した
と思ったら見事な巴投げで、背骨を折って外科にまでやっかいを
受けることになってしまった。
　院内をうろうろしていると、看護婦達が着替えをする部屋を見
付けた。のぞく気など全くないが、仕事の役にたつ情報があるか
も知れない。隣の部屋に忍び込んで、彼女達の様子をうかがうこ
ともある。わずか一日の三分の二程度だが……そこで耳にしたのは、
「……４号室の患者さんね……」
　おや、４号室なら私の部屋だ。この病院は珍しく「死」の部屋
があるのだ。
「あの探偵……あれはガンね」
　はっとしてよく聞いていると……もう助からない、１週間も持た
ないだろう……そういう話が続いている。
　そんなに病気が進行していたとは……世界的な名探偵の私も病い
には勝てない……覚悟を決めて自分の部屋に戻ると、院長夫人が
現れた。「夫人」と言ったが、院長が急死したので、彼女は美しい
未亡人なのだ。
「探偵さんだということでお願いに上がりました。夫がこの病院の
権利書など、重要書類を隠して死んでしまったのです。隠した場所
の地名を暗号で残しているようなので、どうか見つけて下さい。お
礼はもちろん差し上げますし、この入院費用もいただきません」
　死んでしまってから、残った助手達に入院費用や葬儀の費用を出
させるのは心苦しい。それなら、最後に、自力で立派に謎を解いて、
みんなに葬儀の費用を残してやろう。
　
　　病院への道は健康保険利用の人も初診の人も、
　　はやく全快するのがいいね。もし駄目なら、
　　さっさと死んじゃおうかしら。
　
　……ううん……やっぱり分からない……誰か解いてくれ！


越智さん、こんばんは、そして余命一週間ご愁傷様です。
私の考えでは「死」の部屋にあるんじゃないでしょうか？
暗号文にも「死」という字を使っているし説明もあったからもしかしたらと思って投稿しました。

かなり強引に結びつけたので間違っている自信はすごいあります。＾＾；


ん〜？ぜんぜんわかんないです！！
ヒント下さい！！
ってか、余命一週間！？
そ、そんな〜（泣）
このシリーズ好きなのに・・・


醤油で出来る夕飯は、名産物のうなぎ定食だ。
となりの家は、こんがり焼けてるローストビーフだ。
のみものは何がいい？だれも答えてくれない。
仕方無い、茶をいれよう。

こんな変な文章しかできませんでした。


　自分で命の炎が次第に弱くなっているのを感じる。助手達は
まだ苦労をしているたらしい。鈴ちゃんには泣かれて弱った。
色男は本当につらい……まさか男じゃ……正しく解いたらしい
いとけん君は性格がゆがんでいるから素直に正解を書かないし……
　おや、美しい未亡人である院長代理がやって来た。
「探偵さん、謎は解けましたの」
「裏付けに手間取っていますもう少しです」
「暗号の裏にメモがありましたの」
「それは数字ですね」
「まあ……やはりお分かりになっていたのですね」
　……よかった、当たった……
「０１２と書かれています」
「今言おうと思ったところですよ」
「何もかもお見通しですのね」
「もちろんです。安心して、お待ち下さい」
　……何もかも分からない。誰か、助けてくれ。


越智さん、こんばんは。
この問題の答えは
「富士山」（富士）だと思います。
自信はないけど「産婦人科」の「さんふじん」から
問題文の「未亡人」からまず「じん」を抜いて
０１２から３がないということで「さん」をぬいたら
富士になりました。
（今回も結構強引に問題の答えを出してしまいました）


　わかるのかにゃ博士君、暗号文は「病院への道は……」だ。
彼の答えは面白いのだが、ちょっと強引すぎる。早く解いて
くれないと私の命が……０１２はもちろん３４５……と続く
のだ……
　ところで、命が消えかかって意識もぼんやりすることが多く
なった。かれは「はかせ」と読むんだったか「ひろし」だった
か……それすらも分からなくなりつつある。
　助手諸君……私の命が消えるのが先か、謎が解けるのが先か
……悔いを残さず人生を終えたい……頼むぞ。


こんにちは。

最期のヒントでやっと分かりました。
素直に答を書きますと、
「病院の権利書は野田市（のだし）」
にあると思います。

さて、探偵は本当にガンなのでしょうか。
あまりの態度の悪さに病院のガンと比喩され、
病室から追い出されるまでが、あと１週間くらい
という状態なのでは・・・
自覚症状はよくある思い込みで。
（ということで、このシリーズはまだ続いていく！？）


私もころさんと同意見です。
「病院の権利書はノダシ。」と読めました。
ヒントの０１２・・・は飛ばす文字の数ですよね。


越智さんどうも。

なるほど！
『病院の健利初はの駄死。』ですね。

ころさんの仰るとおり、この探偵は
絶対死なないね。覗きじゃなくて、
情報収集しているのを、看護婦が見つけて
ガンだの余命１週間だのって騙されたの
ではないでしょうか？

とにかく、『憎まれっ子世にはばかる』って
いうし、死ぬはずがない。



「簡単な暗号でしたね。最初から文字を拾うのですが、とばす文字を
０１２３……とだんだん増やすのです。病院・の・・健・・・利……
以下省略しますが、
　病院の健利初（権利書）はの駄死（野田市）
となりますから、千葉の醤油でお馴染みの野田市の金庫でも探して下
さい。」
　最後の事件を無事に解決して、私は死の床についた……翌日、あの
看護婦、みんなも知っているだろう、私がボブ・サップというあだ名
をつけた一番恐ろしい看護婦が、私を叩き起こした。
「ほら、退院ですよ」
「何……死ぬ患者を追い出すのか」
「何です、死ぬって……あんた何でも拾って食うから腹痛を起こした
だけだよ。看護婦に投げ飛ばされて、何ともないのに、痛い痛いって
騒ぐから退院をのばしてただけじゃないか」
「……でも、看護婦達が、ガンで、もう助からない、１週間持たない
って言ってたの、聞いたんだもん……」
「……ああ、あれ聞いたのかい。あんた、それは少し違うだろ……
あんたはひどい患者で、看護婦に取ってはガンね……助からないじゃ
なくって、救いようがない人だ……一週間も入院されたらこっちの身
が持たない……って、そう言っていたんじゃないか」
　あ、そう……そう言われると、確かにそんなニュアンスだったよう
な……ま、いいか……てんで退院した。
　後が大変だった。病院で看護婦をのぞき見していたことがバレ、
結局謝礼は無し、口止め料代わりに正規の入院費用まで支払うことに
なった。４号室は縁起が悪いから負けろと言ったが相手は言うことを
聞かない。患者のことを考えないひどい病院だ。
　入院をしていたため稼ぎがないのだが、何とか支払いを済ませた。
　一方、私の葬儀のために助手達が入院費用や葬儀のためのカンパを
集めたのだが、その金が事務所から消えてしまったと報告を受けた。
探偵事務所で盗難というのは恥ずかしいから黙っているようにとお願
いし、警察にも届けないことにして、助手達は手分けしてカンパして
くれたところに詫びに回った。これでとりあえずは全て丸く収まった。
　入院費を払ってもかなり残ったので、当分まともな食事が出来そうだ。


※　問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。