ごちそうさま、奥様

むた　(2005/02/21(Mon) 22:07:07)

　久々にアイデアが思いついたむた刑事シリーズ。今回は現実のむたさんの悩みが主役です。なんてね。ほいじゃ行きますか。

『毎日、同じ料理を食べる人なんて私には信じられませんね。私なんかは同じ食材を一日に何度も食べたくはないですよ。』
　お昼のTV番組、ハンサムな男が気障なことをしゃべっている。男の手元にはすき焼きが映っている。
「なんだい？このいけすかない男は？」
　私はTVを見ている事務のサツキに聞いた。
「最近売り出し中のヤマモトっていう料理評論家ですよ。斬新な料理を考案することで有名なんですよ。今日は生放送なんでぜひ見たかったんですよ。」
「それにしたってものには言いようがあるだろう？だいたい会社の経費で最高級の材料使ったすき焼き食って何言ってやがるんだ。」
「そうですね。でもむたさん、毎日とんかつ定食ってのはやめたほうがいいと思いますよ。」
　私は苦笑でごまかす。わかっていても三食外食なのはやむを得ずしていることだ。
「料理の勉強するかな・・・。」
　恋人がいない以上、それしか方法はないだろう。

　それから三日後、私はそのいけ好かない男・・・ヤマモトと思わぬところで再会する。再会したところは死体置き場だ。そうヤマモトは変死体で見つかったのだ。
鑑識が説明をしている。
「被害者は死後三日というところですか。大体午後3時から8時に死んだ計算になります。」
「そうすると、あのTV番組が終わった後に殺されたことになるな。」
　だが間がありすぎて食べた直後か夜まで生きていたのかわからない。これではアリバイもへったくれもない。
「参考のためにおなかの内容物を見ますか？」
　内容は牛肉、豆腐、ねぎにキノコ、春菊、白菜・・・。
「雑多なものがあるな。覚えきれん。」
　スズキ警部がぼやいた。ヤグチ刑事がすき焼きかなとつぶやく。だとすると番組終了から夕飯を食べる間に殺されたことになる。
「容疑者はいるか？」
「先輩の料理評論家のノムラシズコだけですね。ヤマモトの不倫相手です。」
　スズキ警部は色と欲か・・・とつぶやいた。

「あたしのアリバイですか？彼とは入れ違いでスタジオに入りました。3時から収録の打ち合わせがあったので。」
　40前後だが妙に色っぽいその女性、ノムラシズコは言う。なるほど、この女性なら後ろに名声や金がなくてもそういう気持ちになるかもしれない。
「刑事さん、あたしをお疑いですか？」
　この小ばかにしたような口調はどうにかならんものか・・・・。
「動機があるのはあなただけですので、不快になりましたら寛恕の程を。」
　私は馬鹿丁寧な口調で応酬した。こういうタイプは苦手なのだ。シズコも私をいけ好かなく思っているようだ。

　私は頭を抱えていた。正直、動機があるのが一人しかいなければ彼女を重点的に攻めればいいのだろうが・・・どうもそういう気分になれない。
「むたさん、今日も外食ですか？」
　サツキは苦笑いしながら声をかける。彼女なりに気を使っているのが口調からわかる。
「いや、どうもお上品ぶった連中は苦手でね。」
「そんなですから、謎が解けないんですよ。」
「君はわかったのか？」
「もちろん。」
　私はしばらく彼女の顔を見つめる。しばらくして私にも謎が解けた。
「そういうことか。なあサツキさん、悪いが協力してもらえるか？」
　私が作戦を話すと、彼女は複雑な笑顔で承諾した。

　その夜、私とサツキはシズコを招待して晩餐会を開いた。
「何しろ男の一人暮らしですからね。彼女に頼んで協力してもらったんですが、どうですか？」
　シズコは眉間にしわを寄せながら言った。
「正直に言うとこの料理は落第点ね。全く材料はいい物を使っているのに・・・。」
　そのときシズコの目が大きく開かれる。
「あなた、まさか！？」
「自供していただけますか？あなたのアリバイ工作を。」
　彼女は観念して言った。
「料理は落第だけど、刑事としては合格のようね。」

問題：シズコはどのようにしてアリバイを作るのに成功したのだろう？


むたさん　こんばんわ

質問があります

1.殺害方法が毒や罠のようにあらかじめ準備できる手段ではなく
　直接的なものである
2.死亡推定時刻があるていど限定される
3.容疑者には2の時間帯すべてにアリバイがある

この３点があってアリバイが成立します

この問題は１の死因に触れていない
3のシズコの収録の打ち合わせがいつ終わったか書いていない

そのためシズコのアリバイは成立していない
　　またはアリバイが説明されていないと思うのですが

あとヤマモトが番組中に食べたすき焼きの調理は
シズコがしたのかも教えてください



　どうもです。長々と書いた割りに収録時間の終了をあいまいにしてしまいました。困ったな。あまり書くと意図的にぼやかした部分までばれそうだな・・・。アリバイが成立しているという言葉に語弊があるかな。すべてをあいまいにしているがゆえにこのトリックは成り立っているとだけ言っておきましょう。
　料理に関しては、すれ違いで収録の打ち合わせに入ったのだから、すき焼きを作れるわけはないです。
　というよりもはや答えは書いてあるといっても過言ではない状態だったり。


　説明が欠けていたので未消化物が鑑識でわかるということは、食事してからそんなに時間がたっていないことを証明しています。


むたさん、どうも。

むた刑事待ってました！って感じなんですが難しいですねー。

収録の日、ヤマモトとシズコは一緒に夕食を食べた。
夕食もすき焼きだった。
＞『毎日、同じ料理を食べる人なんて私には信じられませんね。私なんかは同じ食材を一日に何度も食べたくはないですよ。』
と言っているが、愛するシズコの料理なので、ヤマモトは愚痴一つ
言わず食べた。毒入りとも知らずに・・・・・

ヤマモトの胃に残っていた未消化物は収録時の物ではなく、夕食時の
物だったので、シズコのアリバイは崩れた！

とりあえず、こんな感じでお願いします。


回答ありがとうございます
むたさんが　何を当てて欲しいかわかったような気がします

シズコは
「牛肉、豆腐、ねぎにキノコ、春菊、白菜」が入ったカレーを作った
でお願いします


キョウさん、斑猫さんレスありがとうございます。また、問題の不備を深くお詫びします。
　ちなみに正解は斑猫さんの同じ食材で別の料理を作ったというのが正解です。

　一応、この問題のテーマは「皮肉のきいた会話」だったのですが、説明不足でした。一応、解決編（オチ）を書いて終了といたしますので済みはしばらくお待ちください。（せめて笑える落ちをと考えております。）


「それにしてもご苦労なことですね、シズコさん。同じ料理や同じ食材を食べてたくないという男をだます料理を作るのですから。」
　私は想像して身震いをする。私には不可能だ。
「そうよ、苦労したわ。それにしてもこれはひどすぎるわ。何でもかんでもフライパンにぶち込んで油でいためるってどういうセンスよ。」
　あきれたようなシズコ。
「でも、豆腐は冷奴にしましたよ。」
「とりあわせも最悪だわ。これじゃ別の料理じゃなくて、料理じゃないものよ・・・後でレシピ作ってあげましょうか？」
「ええ、お願いします。毎日ありがたく食べますよ。でも今日の昼はご馳走でしたよ。」
　シズコは驚いたように何を食べたか聞く。私は答える。
「パンと牛肉、ジャガイモに少量の野菜、後は果物を搾ったもの。」
「昼から豪勢ね。何を食べたの？」
「ハンバーガーにフライドポテトそれにオレンジジュースです。」
　どうやらグルメの道は遠そうだ。


当然毒殺ですよね？


　まあ殺し方は何でもいいです。睡眠薬で眠らせてから頭をトンカチでゴチンでもぜんぜんかまわないし。
　最初の予定では、おなかの中に食べ物が残っている→収録後まもなく死んだと刑事が判断→容疑者にはTV収録の打ち合わせというアリバイがある。という思考の流れをとってもらおうと考えていたのですが、どうも書き足りないところが多く失敗作というのが現状です。まああまりいじめないでくださいな。


あ、すみません、先入観による勘違いです。
いえいえ、いじめてなんかないですよｗ


>まああまりいじめないでくださいな。
壱人さんは　いじめているのではないですよね
ついでに私も一言だけ参考意見いいですか？

この事件は「アリバイトリック」ではなく
単純に「毒殺トリック」にしたほうが
話がスッキリしたと思います

こんな感じです

毒殺→胃の中にすき焼き→容疑者はすき焼きを作ってない
それですき焼きを作った人間が疑われる
真相は　すき焼きの具材をバラバラに食べさせた

蛇足ですみませんが



　いじめないでという言葉に突っ込むのはどうかと・・・。
この問題のテーマは「皮肉のきいた会話」なのですから。

　ところで、斑猫さんのアイデアの具材をばらばらに食べさせた
というのは時間差で食べさせたということですか？
　それだと具材ごとに消化に差が出ると思います。いくつもの料理に
分けたということになりますと別の具材も出てきますからトリックが
成立しにくくなります。また具材一つで一つの料理となりますと今度
はヤマモト氏は最初の台詞で言うように食べてくれません。

　それより解答編の会話を楽しんでいただけませんか？特に最後の三行
は自信作なのですがw。


※　問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。