海東青は飛んだ
むた (2005/07/29(Fri) 07:33:58)
「海東青すら遼東の空を行く。われらもまた・・・」(金の太祖 完顔阿骨打)
第1章
時は清王朝の雍正帝が支配していた頃、キリスト教はじわじわと広がりを見せていた。皇帝本人はキリスト教に嫌悪感はなかった。だが、今は見張りを入れねばならなかった。一つには信者の団結力の強さが反乱につながるからであり、一つには皇族すら信者にしてしまうその影響力にあった。そして、それは善意の宣教師たちをも困惑させざるを得なかった。
「トーマス、ポール殿はやはり流刑になるのか?」
神父のルイは悲しそうな声で聞いた。
ポール殿は皇族の身でありながら、熱心な信者として知られている人物だ。一族が次々に流刑にあったり、幽閉される中、中心としてみなを励ましてきた。その明るい笑顔が思い出される。
「表向きは違いますが、実質はそうでしょう。殉死は神のみ心なれどやはり哀れに存じます。」
「おまえはどうだ?ジュリアン。」
「せめて、教会として出来る限りのことはすべきかと思われます。私が流刑先に食物や薬その他生活に必要なものを送り届けたいと思っております。」
「まあ、お前なら間違いはないだろうが・・・どうした、ミシェル?」
「いえ、その聞き捨てならないことを聞いたものですから・・・その物資を送ることがないよう主上は間者(スパイ)を教会に入れ込んでいるとか・・・。」
「教友を疑うようなことを言うでない。」
たしなめるルイ神父。
「しかし、ことが起こってからでは遅うございます。我らは死は恐れませぬが、死を望むとは別のことでありましょう。」
「落ち着け、ミシェル。まだ入ったと決まったわけでもあるまい・・・。」
そんな言葉はルイ神父が自体が信じていないのであろう。
「まあ、神のみ元に信仰を貫いていくのですから、必ずしも嘆かわしいとはいえませんが・・・。」
ジュリアンの呟きに黙っていたマチュウも同調する。
「左様、ローマの法皇様も感涙なさるであろうな。立派な人はどこまでも立派というわけですな。」
「そういう事態にならんように相談しているのです、少しは考えてください!」
ミシェルは若いだけにいきり立っている。
「ともかく、教友に援助を乞いましょう。必要な物資を整えなくては・・・。」
「いつごろどなたにいかせましょうか?」
日付を言おうとしてルイは言葉を詰まらす。
「まあ、それは個別にお願いいたしましょう。では決まったらお話します。」
会議は尻切れトンボのように終わった。奥の部屋に戻ってルイは呟いた。
「まだ決まったわけではないが・・・一人怪しい人がおるな・・・疑いたくはないのだが・・・。」
問題:ルイ神父がスパイと疑っている人物は誰であろう?
refrain (2005/07/29(Fri) 10:55:02)
2005/07/29(Fri) 10:55:46 編集(投稿者)
むたさんこんにちは!
[ 9e9dc877aa704555b7213df795f20222 ] 答え+名前を暗号化してます。
むたさんの問題ためになって面白いのにいつもすぐに終わってもったいないので・・・。(^^ゞ
8eg94 (2005/07/29(Fri) 15:21:01)
こんにちは、
ルイさんが疑ってるのは実は「 29c0601b56c7a7df8e7ace7e01d72e1b 」だったり!
しませんよね^^;
線分ft (2005/07/29(Fri) 17:53:12)
こんばんは
いつもすぐに終らせてしまう線分ftです。
(瞬殺は趣味なので……スミマセン(笑))
さて、refrainさんの解答を支持します。
信者は使いませんからねぇ……
むた (2005/07/29(Fri) 18:43:48)
疑われてる人物の名前だけを暗号化すると「d06389075ea5b67c1572aac651ce6376」となります。
ヒントは一人だけ話す内容のずれてる人です。
ルナ (2005/07/29(Fri) 22:47:26)
むたさん、こんばんは。
スパイだと考えられる人物を暗号化して、むたさんの提示した暗号に
1発で一致したら書き込もう、間違っていたら書き込まないでおこうと思い、
そして今書き込んでいます。
セリフに何か引っ掛かりを感じたのですが、それが何かまでは断定できなかったですね。
ともあれ、解答を楽しみにしています。
むた (2005/07/30(Sat) 09:00:04)
今、確認しました。refrainさん、線分ftさん、そしておそらくルナさん正解です。
8eg94さん、その人物は意外すぎます。
refrain (2005/07/30(Sat) 09:37:43)
むたさんおはようございます!
当たったようなので理由も書いてみようかな?
[ 26db1f83f5dab7d66eeebb937b23e4a5 ]じゃなく
[ 781dbde01f5df1441dab414f9d6fb5f2 ]だから (全角カナ)
答えが判ってる人には通じるかな?と思います。(間違ってたら恥ですが^_^;)
アムザ (2005/07/30(Sat) 21:01:49)
むたさん、こんばんわ。
答え+アムザ(+は省略)で暗号化しました。
[ d2d012e79b90aeb5eed4a5e7ef3fe969 ]
一番ずれてるのはこれかな?と思ったんですが、、、
ではお願いします。
むた (2005/07/31(Sun) 00:02:16)
正解です。もうみなさんお解かりの様子なので明日の晩にでも解説いたします。
では(^^)ノ
むた (2005/07/31(Sun) 22:12:17)
正解はマチュウです。
それぞれの言葉を見てもらえばわかりますように、信者であるトーマス、ジュリアン、ミシェルは「神」を基準に話をしているのに対し、マチュウは「ローマ法皇」という生身の人間を基準に話しています。
信者でないスパイにとって見たことも、話したこともない「神」よりも生身の人間である「ローマ法皇」に仕えるほうが違和感がなかったのでしょう。いずれにせよルイ神父は今後マチュウをマークしていかねばならないようです。
線分ft (2005/08/01(Mon) 14:40:18)
こんばんは
基督教徒と喧嘩したら「ユダヤの異端め」と言いたいけれど
喧嘩する機会のない線分ftです。
(似非平和主義者なので……)
さて、カトリック信者なら「法皇」ではなく、「教皇」を使うだろうと思ったので
マチュウが怪しいと思ったのですが……理由が違いましたね^^;
カトリックはそもそも西欧の野蛮人ばらにキリスト教を伝える為の異端であって
その権威の為に教皇という特別な地位が設けられたのであり
その歴史から考えれば、教皇に対して信仰を持つのも不自然ではない気が……
……まぁ、個人的偏見的意見ですが
むた (2005/08/01(Mon) 20:38:26)
どもです。知識があることは尊重しますが、ここで重要なのは普段みんなと一緒に宗教の勉強をしている信者、教友の中にみんなと違う思考の地盤で話している人がいることが怪しいのです。無理矢理たとえると、カトリックの中にプロテスタントがいるような違和感をルイ神父は感じているのです。(まあ厳密には違いますが。)
それにしても17世紀の中国では、法王といったのでしょうか、教皇といったのでしょうか?調査不足なのは確かではあるのですか・・・。
線分ft (2005/08/02(Tue) 19:44:16)
こんばんは
知識ではなく、調べただけだったりする線分ftです。
(これで直ぐ忘れなければねぇ……)
さて、前レスで基督教の悪口に筆を費やして
書きたかった事を忘れていたので、補足。
カトリックでは教皇は「神の代理人」と尊称されており
「教皇は神と信者の間にいる」というイメージだと思われ
神について話している時に教皇に触れても不自然ではないかな……
まぁ、考え方が違ったので、私は不正解という事で……
と、いう様な事を書こうとして忘れていました^^;
まぁ、私の考え方がオカシイのでしょうから、気にしなくて良いです。
後レス、スミマセン
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。