偽りの遺言状 〜過去問からの出題〜
SHO ◆CmsSI6uc (2004/10/31(Sun) 10:41:03)
どーも。一応受験生なんで、塾で過去問を解くことが多いんですが、その中の英語の長文で、推理小説っぽいのが出てたんで、使えそうなのでこちらに載せてみました。多少長いですが、我慢してください。
暗い事務所に歩いて入るとすぐに、留守電の点滅灯に気付いた。
「あーあ、また忙しい日の始まりだわ。」
と呟いた。そしてその光を見られて幸せだと感じるべきだと思い直した。いずれにせよ、私立探偵アン・ライアンである私自身の仕事なのだし、私には仕事が必要だ。
お茶の入ったカップを手に、私は伝言を聞くために腰を下ろした。
「アン?」
その声には聞き覚えがあったが、誰だかはわからなかった。
「レナよ。最後に話したのはいつだったか思い出せないけど、すぐにあなたと話をしなければならないの。できるだけ早く電話してくれるかしら?電話番号は今も同じよ。566-1392です。」
高校時代の一番の親友レナだ!最後に彼女に会ってから、もう10年かそこらは経つ。
私はすぐに彼女の電話番号を回した。
レナは最初のコールで電話に出た。彼女はとても沈んでいる様子だった。彼女の家で会って欲しいと頼まれたとき、私は同意した。私はレナの住所を知っていた。高校時代の友人であった私たちは、よく彼女の家で長時間を過ごしたものだった。
その地域は私が知っているころよりも古びて汚れているようだった。辺りを車で回っているうちに記憶が蘇ってきた。よくバレーボールをした公園を通り過ぎた。私たちが通った高校を通り過ぎた。歴史や数学や音楽の授業を受けて過ごした時間を思い出した。私たちがどれほど音楽を好きだったかを思い出した。
角を曲がるとレナの家が見えた。ペンキは新しそうだったが、庭には手入れが必要だった。
レナは私が呼び鈴を鳴らす前にドアを開けた。
家はまさに私が覚えているとおりだった。レナの母親はすでに死んでしまっていることを知っているにもかかわらず、彼女が歩み寄って私を歓迎してくれることを期待しそうになった。レナは今、一人暮らしだった。
私は辺りを見回した。ソファは同じものだった。壁には同じ絵も掛かっていた。
その時、電車の通り過ぎる音が聞こえた。私は心の中で微笑んだ。電車が20分おきにこの家の裏を通り過ぎていたことを思い出した。最初はいらただしかったが、ダン一家の人々と同じように私もやがてそのことを忘れていた。
「何も変わってないわ。」私は言った。
レナは少し悲しそうに微笑んで、「何もね。」と言った。
コーヒーを飲んで少し話をした後、レナはなぜ私の助けが必要なのかを話し始めた。
「母が9ヶ月前に亡くなったのは知っているわよね。」と彼女は言った。私はうなずいた。
「母がいなくてとても淋しいわ。母がいないと家の中が空っぽになったみたい。とにかく、母はいつも遺書を書くと言っていたのに、結局しなかったの。死ぬことを考えたくないって言っていたわ。私もそんなこと考えたくなかったから、何も言わなかったの。」そう言った後、レナはコーヒーに少し口をつけた。
「でもある日、母は私を部屋に呼んで、−あそこのあの部屋よ−、テープレコーダーを持ってくるよう私に言ったの。どういうわけか、自分の遺志を書くのではなく、録音したかったのね。母はそのテープレコーダーに向かって1時間ほどしゃべっていたように思うわ。宝石も絵も銀行口座も車も家も、母は何一つもらしてはいなかった。私の叔父さんたちにいくつかちょっとしたものを与えて、他のものはみんな私に受け取ってもらいたいとはっきり話していたのよ。」そう言って彼女は一つため息をついた。
「問題は叔父さんたちがそのテープが本物ではないと信じていることなの。私が叔父さんたちをだまそうとしているんだ、って…。本物だとどうしたら証明できるかしら?そういうわけで、あなたの助けが必要なのよ。」
「そのテープ、聞かせてもらってもいい?」と私は尋ねた。
レナはうなずいた。「でも長いわよ。さっきも言ったけど、1時間ほどかかるわ。でもそれが役立つなら聞いてちょうだい。」
レナはテープレコーダーを持ってきて、私は椅子に深く腰かけた。聞いている間、私の前に彼女の母親が立っているような気がした。録音はとても鮮明だった。何の雑音も入っていない。彼女の母親の声だけが、淡々と遺言を告げている声しか入っていなかった。1時間はあっという間に過ぎた。
テープが終わったとき、私はレナを見つめた。
「残念だけど、あなたを助けることはできないわ。」と私は言った。
「どうして?」
「このテープにはおかしいところがあるからよ。」と私は答えた。
いかがでしたでしょうか?最後の問題が「アンはなぜテープがおかしいことに気付いたのか?」と言うものだったんですが、(選択肢つきで)皆様には瞬殺かもなー、と思っています( ^ _ ^;
もしよければ、レスを遠慮なくどうぞ。
aki ◆jBIV3jeY (2004/10/31(Sun) 10:59:18)
SHOさん、ちは。
> その時、電車の通り過ぎる音が聞こえた。私は心の中で微笑んだ。電車が20分おきにこの家の裏を通り過ぎていたことを思い出した。
> 録音はとても鮮明だった。何の雑音も入っていない。彼女の母親の声だけが、淡々と遺言を告げている声しか入っていなかった。
この2点が矛盾。従って、レナの証言である、
> でもある日、母は私を部屋に呼んで、−あそこのあの部屋よ−、テープレコーダーを持ってくるよう私に言ったの。
に偽りが含まれる。
以上より、テープはレナの話通りの本物でない可能性が
非常に高い。
これでいかがでしょう?
SHO ◆CmsSI6uc (2004/10/31(Sun) 11:17:07)
akiさん、どーも。パズル/なぞなぞ系の足したり引いたりでお世話になってます。
そして、解答の方、完璧です( ^ ^;
やっぱ瞬殺でしたか…。
そう、テープは1時間そこらあるのに、20分ごとに通る電車の音が全く入っていないことにアンは矛盾を感じたわけですね。
「何で入ってないの?普通自宅で録らねーか?そしたら勝手に入るじゃん?」みたいな質問は、ちょっとわかりません。ごめんなさい。m( _ _ ;)m
では、早々に済み!
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。