家族の肖像

むた　(2003/12/27(Sat) 20:41:57)

　むた刑事のアナザーストーリーです。ＢＢＳもよろしく。

　それはなんということはない事件のはずであった。いつものように私は裏道を私服でパトロールをしていた。すると一人の男が私に声をかけてきた。
「兄ちゃん、時間ある？純トロ（トルエン）でいいのが手にはいったんやけど？」
　私は体は小さくめがねをかけているため、あまり刑事には見られない。私は少しかまをかけてみた。
「チョコ（大麻）はあるかい？」
「何種類でも。」
　うかつにも男は何種類かのパケ（小袋）を私に見せた。私はその手をねじり上げた。
「現行犯だね。」
　男が泣こうがわめこうが、結果は変わらなかったのはいうまでもない。

　問題は取調だった。通常、ヤクの売人は組織の息がかかっている。でなければ何種類もヤクをそろえられるわけがない。私はそこを重点的に聞いてみた。だが、奴はうんともすんともいわない。まあ、取調室で「すん」といわれても困るが・・・。その一方で別の事態が進行していたことを私はまったく気がつかなかった。

　私が取調べをしている最中。部屋には事務の女の子が一人残っていた。若く性格のいい子だ。その子に一人の老人がなまりのある声で話しかけていたのだ。
「すんません、息子に会わせていただけませんかね。」
　女の子もさすがにこの申し出を受け入れるわけにはいかず、何度も断ったが老人は食い下がる。押し問答がしばらく続いた後で、老人は一枚の写真を取り出した。最近とられたものらしい。
「せめて、これをあの子に渡してくれませんかね。あの子の家族の写真です。」
　写真の中で若い母親が幼い子供を抱っこして自然な微笑を浮かべている。女の子はかなり迷ったが、危険物ではないゆえ受け取った。裏を見ても特に何もかかれてはいないが、きっと売人の妻子だろう。なんでも、私が外出中に留置場にいる売人その写真をに渡したと言っていた・・・。
　
　そして、夜中に事件は起こった。売人が留置場で自殺したのだ。売人の手にはしっかりとあの写真が握りしめられている。私はその死体を見て気づいた。やはり奴は組織の一員だった。そして、組織に口封じのために消されたのだ。私は女の子に今後、勝手に行動しないよう注意するとともに老人の顔のモンタージュの作成を命じたのであった。

問題：なぜ、売人は写真をみて自殺したのであろうか？



ヒントは？


　ヒントか・・・。難しいな。言い過ぎないようにしよう。
　老人は組織の人間です。写真（つい最近とられたもの）の中の母子は、実際の売人の妻子です。


う〜ん、写真は｢秘密を漏らせば（または自殺しなければ）、おまえの妻子は必ず殺す。」という組織側のメッセージを意味していたからでしょうか。


（・3･)ﾑｰ
そう言えば、マフィアの世界では、互いの家族を集めてパーティーする理由は、
●●行為を防ぐためだとか・・・by 実話
(((( ;ﾟДﾟ)))ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ



　古畑さん正解。その通り。写真が意味するものは、「家族の顔を知っている。」「すでに接触を図った。」「だから、いつでも殺せるよ。」ということです。
　北さんが書いているように組織犯罪はお互いを監視しあっていることが多いらしいですね。まあ、そこから考えついた問題なんですが。


なるほどー。
写真に何か細工してあるのかと思いました。

いつも思うんですがむたサンの書き込みにあるＵＲＬって
むたサンのＨＰなんですか？
それともスポンサー？


　ＨＰはあけないでください。遊びすぎてＰＣがウイルスにはまったみたいなんです。恥ずかしい話ですけどね。あけなければみなさんに被害はないですのでご安心を。


済み


※　問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。