頭の運動 〜クイズでIQ&右脳を鍛えよう!〜

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021694 未選択 実体験問題その19(タクシー編) キョウ 2004/09/10(Fri) 15:11:12
021718 未選択 実体験問題その20(パソコン教室編) キョウ 2004/09/10(Fri) 17:17:39
021738 未選択 実体験問題その21(新幹線編) キョウ 2004/09/10(Fri) 22:11:27
021745 未選択 ヨウギシャーズ 問題クン 2004/09/10(Fri) 22:52:09
021767 未選択 実体験問題(キョウさんに対抗編) 海人 2004/09/11(Sat) 00:02:21
021774 未選択 故ヒガーイシャ 問題クン 2004/09/11(Sat) 08:17:10
021777 未選択 実体験今日の問題(キョウさんスミマセン) 海人 2004/09/11(Sat) 09:49:04
021785 推理 あるレストランの殺人事件 かずき 2004/09/11(Sat) 16:58:56
021789 未選択 実体験問題その22(新婚編) キョウ 2004/09/11(Sat) 18:06:31
021795 未選択 名前はパクらないよ!w(塾編) 問題クン 2004/09/11(Sat) 18:26:19
021800 未選択 俺も便乗します むた 2004/09/11(Sat) 20:34:39
021806 未選択 精神学論 2004/09/11(Sat) 21:24:23
021809 未選択 実体験問題その23(進学編) キョウ 2004/09/11(Sat) 22:01:02
021818 未選択 実際に体験……。まあ、そういうアレですよ Apollo 2004/09/12(Sun) 01:27:03
021839 未選択 精神学論2 2004/09/12(Sun) 21:09:23
021846 暗号 父からの暗号 海人 2004/09/12(Sun) 23:48:52
021858 未選択 実体験問題その24(チョットいい話編) キョウ 2004/09/13(Mon) 09:58:10
021873 未選択 実体験問題その25(ゴルフ編) キョウ 2004/09/13(Mon) 11:11:08
021905 暗号 父の暗号2(今度はマニアック問題ではありません) 海人 2004/09/13(Mon) 16:22:55
021914 未選択 ○○県小学校子供話合い会 問題クン 2004/09/13(Mon) 17:34:57
021932 未選択 実体験問題その26(またまたコンビニ編) キョウ 2004/09/14(Tue) 10:31:01
021936 暗号 父の暗号3 海人 2004/09/14(Tue) 10:50:33
021941 未選択 実体験問題その27(入浴編) キョウ 2004/09/14(Tue) 11:06:33
021948 未選択 実体験問題その28(またまた出張編) キョウ 2004/09/14(Tue) 13:08:12
021952 未選択 実体験問題(キョウさんへお礼をこめて) 海人 2004/09/14(Tue) 13:33:56
021963 未選択 実体験問題便乗! にゃん 2004/09/14(Tue) 13:58:49
022002 未選択 簡単な・・・ ロバート 2004/09/14(Tue) 18:42:44
022004 未選択 月の憂鬱 道化 2004/09/14(Tue) 19:17:11
022017 未選択 ティーチャー 問題クン 2004/09/23(Thu) 22:49:46
022019 未選択 毒の行方 郁人 2004/09/23(Thu) 23:45:28



問題No.022019

毒の行方

郁人 (2004/09/23(Thu) 23:45:28)


その日は推理研究同好会の定時集会があった。
夏休みも終わろうかとしていた残暑の厳しい9月。
集会と言っても、軽い連絡事項の後にジュースとお菓子で盛り上がる。
メインはそちらの方だ。
時間前に部室にいたのは、オレと三嶋先輩そして卯月の3人だけ。
部長の三嶋先輩は煙草を口にくわえながら、ぼんやりと窓の外を眺めていた。

「夕方、降るらしいな。今のうちにジュースとか買ってくるわ」

「買出しならオレが行ってきますよ?」

椅子から立ち上がる。

「いや、煙草切れたからついでにな。藤崎と卯月はコレ、人数分コピー頼む」

やっとのことで完成したらしい同好会メンバーの連絡番号含む表だった。
用紙を卯月に手渡すと、先輩はそのまま部室を出て行った。
卯月はしばらく用紙を眺めると、一人で大丈夫とオレを残して行ってしまった。
椅子に寄りかかり煙草に火をつける。
部室の灰皿には三嶋先輩の煙草の吸殻だけが残っていた。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇
【〜毒の行方〜】


「以上、集会終わり。おつかれさん」

部長の言葉で緊張した部室内の空気が緩和された。
五木などはお菓子目当てなのが目に見えてわかるほど顔をほころばせる。
三嶋先輩は集会の間中吸っていた煙草を灰皿に放ると、
コンビニの大きな袋を、机の上に持ち上げた。
中には2リットルボトルが数本、これだけでもかなりの重さだ。
オレは買出しに一緒について行かなかったのを少し後悔した。
紙コップも手際よく並べ、自ら部員全員のジュースを注ぐ。
三嶋先輩は部長という立場でありながら、
自分でやれそうな事は我先に行動を起こす。
一之瀬先輩なんかは、それを見ながら優雅に煙草を一服していた。

「おい、藤崎ぃ。オマエ、休みの間に殺人事件に遭遇したんだってな?」

ジュースを配り、お菓子の袋を数個広げると部員は思い思いに手を伸ばした。
オレも手渡されたジュースに口をつける。

「詳しくきか……」

同じようにジュースを飲んでいた三嶋先輩の動きが止まる。
持っていた紙コップは床に落ちた。
そして……オレ達は人が毒で死ぬ様を初めて目撃した……


◇  ◇  ◇  ◇  ◇


私的な理由から、警察は大嫌いだった。
事件に協力する気になれたのは、
身近な人が被害者であった事と駆けつけた事件担当者が顔見知りだった事。

「君か、よく会うわね」

千条夏都樹は見るからに嬉しくない表情だった。
彼女はオレの警察嫌いも良く知っている。

「事件は君に聞いたほうが早そうね。いいかしら?」

「構いません」

「被害者の身元と……そうね、君から見たこの事件の見解なんてどうかな?」

人間としては敵同士だが、推理に関してはお互いに認め合っているのだろう。
この女警部、性格は激悪だが頭は悪くない。

「被害者は推理研究同好会部長の三嶋亮太、大学3年です。
 今日は同好会の集会でメンバー全員が集まっていました。
 三嶋先輩はジュースを一口飲んで突然倒れた……」

今でもその時の光景が脳裏に焼きついて離れない。
事態を理解でないままで唖然とする部員達。
一之瀬先輩は倒れた三嶋先輩に駆け寄り、必死に呼びかけていた。

「毒……だとすると少し厄介です」

「と言うと?」

「まず真っ先に思いつくのはジュースへの混入ですが、
 紙コップは封切りされていない状態から三嶋先輩自ら取り出し、
 ジュースを注いだのも三嶋先輩本人です。
 その時点までに犯人が細工したとは到底思えません」

「その後は?」

「集会の席順は喫煙者と非喫煙者に分けてあります。
 オレと三嶋先輩、あと一之瀬先輩はまとめて窓際なんです。
 で、すぐ隣でしたから……毒を入れるなんて怪しすぎてすぐ気付くはずです」

「他に口にしたものはないのかしら?」

「ありません。ジュースを一口、それだけのはずです……」

千条はオレの言葉を聞くと、軽く首をひねり考え込んだ。

「こちらの調査報告も聞きたいかしら?」

「ええ、ぜひとも」

「毒物による死亡確定。毒は即効性の高いもの、青酸系ね。
 被害者の唇、被害者の使用した紙コップの口を付けた部分、
 そして被害者の煙草の吸殻1本口をつけた部分。
 今のところこれだけね。
 他のジュース、紙コップに毒の存在は無し。
 被害者の手や残りの煙草からも毒は検出されなかった。
 これといって怪しい細工も見つかって無いそうよ」

限られた毒の痕跡。
いつ、どこで、犯人はその経路に毒を割り込ませるチャンスを得たのか。
軽く口元に手を当て、興味深そうにオレを見ている千条。
推理はいともたやすく1本道を成す。

「どうして……」

薄汚れた部室の天井を見上げる。
外では分厚い雨雲から、ぽつぽつと滴が降り始めた。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇


【集会前】

三嶋先輩と卯月が出て行ったあと、入れ替わるように3人が入ってきた。
一之瀬先輩、高口先輩、五木。
他の部員もそのうち集まってくるだろう。

「ちぇっ、煙草頼んどくんだったな……」

一之瀬先輩は1本しか残っていない煙草に気付き、愚痴をこぼした。

「私、行って来るよ。なんだか時間かかってるみたいだし」

高口先輩は言うが早いか、
そわそわとした落ち着きの無い様子で部室を飛び出した。
三嶋先輩と高口先輩は非公開だが付き合っていると言う噂がある。
そんな彼女を明らかに不機嫌な顔で一之瀬先輩は見送った。

「先輩達も大変だねー」

こっそり耳打ちする五木。
オレは苦笑してその場を誤魔化した。
しばらくすると重そうなコンビニ袋3つを二人は部室に運んできた。

「買い込みましたねぇ……」

両手に袋を持つ三嶋先輩に五木は呆れていた。
あとの一つは高口先輩が重そうに持っている。
が、こちらは紙コップなど3つの中では比較的軽い方であった。

「レシート、ちゃんと貰ってきましたぁ?」

「もちろん。右のポケットに煙草と一緒に入ってる」

コンビニ袋をどこに置こうかと彷徨いながら、
五木に取ってくれと言わんばかりにポケットを差し出す。
再び呆れた様子で三嶋先輩のポケットから煙草とレシートを取り出した。
レシートを見て軽くよろける会計担当五木。

「煙草はそこ置いててくれー」

「部長……アナタの煙草代もさりげなく入っているのですが……」

三嶋部長は聞いていないフリをした。

「一之瀬君のはこっち。同じ種類ので良かったよね?」

「ああ。どーも」

高口先輩は、コンビニ袋の中から煙草を取り出し一之瀬先輩に手渡す。
その頃からぞろぞろと部員が揃い始めた。
それぞれ席に付き、集会は始まろうとしていた。
三嶋先輩が話を切り出そうとしたその時に、
ようやく卯月がコピーを終えて戻る。
コピーされたばかりの暖かさが残る用紙が配られた。
買って来たばかりの煙草の封を切り、
三嶋亮太は生涯で最後の1本を吸い始める……。



【登場人物】

藤崎冬司
三嶋亮太
一之瀬勇樹
高口双葉
卯月浩太郎
五木祥子

千条夏都樹


 
Apollo (2004/09/24(Fri) 00:07:19)

 ちゃーす。大作ですね。

 犯人は高口双葉。
 例の方法で毒を仕込めるのは、おそらく高口か五木だけ。だが被害者と二人きりになったのは高口。よって犯人は高口双葉。
 毒を仕込んだ後、高口双葉はトイレであるものを直したはずです。

 このように推理します。分かりにくければ今度は直接的に書きます。

 
Vega (2004/09/24(Fri) 15:57:30)

こんにちは。
ちょっとしたショートショートを読んでいる気分で楽しかったです。
これで答えがわかればなお楽しいのですが(w

さて犯人ですが、一之瀬勇樹ではないでしょうか。

根拠は
部長が集会が始まる直前から吸い始めたタバコと、死ぬタイミング。
しかも一之瀬と同じ銘柄なんですよね・・・

 
alk (2004/09/24(Fri) 16:19:05)

はじめまして。alkと申します。

早速ですが
犯人は高口双葉だと思います。

毒が検出されたのが被害者が口をつけたところだけから発見されているので、唇に毒がついていたのではないかと考えられます。
とすると、被害者と付き合っていると噂されている高口ならあの方法で唇に毒をつけることは可能だと思います。
だた、この方法だと高口自身もちょっと危ないかも… さらに被害者がいつ死ぬかどうか分からなくなるし…


 
ヤマモト (2004/09/24(Fri) 16:32:04)

そうだね
まるっとスリッとお見通しだ!って?w
そんな感じ

 
ヤマモト (2004/09/24(Fri) 16:39:07)

犯人に「唇が乾いたらなめる」とか「爪をかむ」ってクセがあったら終わりだね
書いてないからないわな
運良く家まで唇に毒が塗ってある状態で辿り着いて、高口双葉はコンビニで
自分の毒を流した。じゃないと飲み物飲んだときに自分も死ぬ

たばこに毒を塗ってあるならただ単に他の時間に他の場所で死ぬかもというだけで
あとは特に変わりなし

 
郁人 (2004/09/25(Sat) 00:37:36)

部室の中に足止めを食らったメンバー。
警察官と同じ空間、否応無しに緊張の糸が張り詰めている。

「これだけ経路が特定されているのなら、
 貴方にだってもうわかっているはずだ……」

「そう、かもね。でも、私が知りたいのは」

千条は冷たい眼差しをメンバー達に向ける。

「仮にも頭を使う部活の部員が、
 なぜこの犯行を実行する気になれたか。
 自分を特定させるような危険なトリックを使ってまで
 どうしてこの方法にこだわる必要があったのか」

動機を聞いているのではない。
彼女の推理方針は、犯人の心情を含めたその時の起こった事象……それだけだ。

「3点の毒の痕跡のうち、
 紙コップ、煙草は事実上毒を細工する事は不可能。
 残る被害者の唇……ここが犯人の細工した毒の最初の経路だとすると」

静かに告発をする千条は、表情を変えなかった。

「人の唇に何らかのアクションを起こしながら、
 決して怪しまれる事の無い……そうね、例えば恋人のキスとか」

告発された高口先輩も、
まるでそうなることを予測していたかのように
無表情でテーブルの上を眺めていた。

「怪しまれてはダメね、気になって唇を触ってしまうから。
 被害者の癖なんかも十分に知って、タイミングを計っていたのではないかしら」

「集会での三嶋先輩はいつも煙草を1本、そしてその後のジュース。
 その直前を狙っていた。
 もっとも自然にキスの出来る最高のタイミングを」

思い返す、集会前のことを。
彼女はこのチャンスを逃すまいと焦っていた。

「買出しで両手に荷物を持った三嶋先輩に、
 キスを拒否する事なんて出来ないから……」

そう、この死のキスは、彼女にしか出来ない。
高口先輩の視線は、テーブルの上。
三嶋先輩が1本だけ抜いた、封を切られたばかりの煙草があった。
それに気付いた千条は、理解を得たかのように目を閉じる。

「そう」

呟くように。

「アナタ、封切りの煙草は知らなかったのね……」

彼女の失敗。
それは三嶋先輩が煙草を集会前に切らしてしまった事、それを知らなかった事。
煙草がすり替え可能な状態であることが、
高口先輩の犯行シナリオに必要不可欠だったのだろう。

「その中の1本を細工出来たのだとしたら、
 あるいはアナタの思惑通りになったのかしら」

おそらく、スケープゴート役は一之瀬先輩だったはずだ。
時が止まっったかのように、しんと静まり返る部室。
その間にオレの頭の中は、先輩の殺人に手を染めた理由ばかりが渦巻いた。
喜怒哀楽の抜け切った彼女の顔からは、それは読み取れない。

「な……なんで先輩がっ!」

空気を切り裂くような悲痛な叫び。
五木祥子は半泣きだった。

「動機を……」

オレも高口先輩に問いかける。
聞きたくなかった、同時に正面から受け止めなくてはとも思った。

「……藤崎君」

下げていた視線はオレに向けられ、軽く微笑む。

「……内緒……」

部のメンバーも、その場にいた警察官も。
突然の彼女の行動に誰も動けなかった。
現場は事件後そのままだった。
高口双葉は渇いた喉を潤すかのように、
ごく自然にそこにあったジュースを飲み干した。



 
郁人 (2004/09/25(Sat) 00:37:55)

長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
事件の方向をハッキリさせるために、
必要条件を書き込みすぎたかなと言うのが反省すべきところですね。

犯人、犯行方法については解答してくださった皆様正解です。
さすがに生半可な問題では瞬殺されてしまうようですね、お見事でした。


 
Vega (2004/09/25(Sat) 12:27:03)

やはり大半の方が仰るように唇だったのですね〜

でも1つ疑問なんですが、
即効性の毒ということで、会議中に仕込まれたと思ってたんですが、
被害者は唇に毒が付いたまま会議してたってことですか?

ジュースを飲んだことで毒が体に入ったってことかな・・・

 
郁人 (2004/09/25(Sat) 17:03:28)

青酸系の毒と言うのは、体の中に入り酸性の強いところで毒性を発揮します。
酸性の強いところと言うのは胃の事です。
ただ、皮膚を犯すと言う性質もあるのでこの事件では適切ではなかったかもしれません。

集会中、となると余りに目立つでしょう。
この集会が定例であること。
集会での彼の行動が煙草1本→ジュースの流れがほぼ定着していたこと。
犯人はこの習性を利用して、煙草のすり替えによる犯行としたかったのです。
仮に唇を舐めるにしても、苦いと感じるだけで死に至る事は無いでしょう。
即効性という言葉は毒での殺害上、その場で死に至るだけの毒性という意味で使いました。
毒の種類によっては、何年も蓄積させてからやっと死に至ると言うものもありますので。



 
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。


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