鬼平半端帳
ぱんちょ (2002/12/12(Thu) 08:28:31)
「て〜へんだ!親分!!て〜〜〜へんだぁ〜〜〜!」
「おぅ!どうしたハチ、こんな時分に。とうとうかかぁに愛想付かされたか?」
「馬鹿言っちゃいけないよ。愛想付かされる前にこっちが手ぇ付かされて土下座してら」
「ふはっ!ちげぇねぇ!まったくお前の所の女房は気が強くっていけねぇや。
どうした?もう夜も更けるってのによ?」
「そだそだ。辻斬りっ!親分!辻斬りですっ!そこの川っぺりで辻斬りっ!
柳の下で辻斬りっ!それも回船問屋で大旦那!」
「なぁにい?!おしっ、お通!明かりと十手だ!それとハチ!少し落ち着け。。。な。」
……
「よし、八、まずは検分だ。現場は荒らされてねぇ。火の消えた堤燈が一つ落ちてて…
さすがに紋付の提灯だ。仏は背後からバッサリねぇ。おぅ八、仏を仰向けにしろ」
「へぃ!……あ、懐に手ぇつっこんでら。……キセル握り締めて死んでるよ。この旦那」
「だな。随分呑気な旦那様だ。三途の川で鬼さんと一服煙草でも呑む気か???
ところで八、お前が仏を見っけたのか?」
「いーえ。なんでも一緒に番頭が居たみたいで」
「てぇと、集金の帰りか?まさか番頭連れて遊んでたわけじゃあるめぇ」
「へぇ。自分はスタコラ逃げて来て金と帳簿を置いてくるからって
一旦店に帰っちまいやがりました。こいつが金にケチな番頭でね。こないだなんて…」
「おう八、おめぇの話はもういいや。俺はそこの蕎麦屋で一杯引っ掛けてっからよ」
「お、親分!?いいんですかい?下手人追っかけなくって?」
「あ?良く言うだろ。下手人は現場に戻ってくるってよ。八、おめぇ何とかしてみろや」
……
「お〜やぶんっ!」
「おぅ八、だいぶ目星はついたか?」
「いえね、昨日親分が言った通りね、下手人が現場に戻るってあの話ですよ。
んでね、現場で張ってたら来る来る。一晩でなんと二十にちょいと足らないくらい」
「んで?全部しょっ引いたのか?…………上出来、上出来…………はぁ…」
「そうなんですよ。自分の身一つなんで現場離れる訳にもいかねぇてんで、
まとめて縄で括ったらまるでムカデみてぇになっちまいましてね…」
「はぁ(やっぱりな)…んでどうした?(あぁ、頭痛てぇや)」
「頃合見計らって、いざ番所へ、って時になってね、なんせあの人数なもんで
足並みが揃わねぇは、ブーブー五月蝿ぇわで。さすがに門で止められたんで…」
「んで、結局の所、何人残したんだ?(本当に間の抜けた奴だねぇ)」
「怪しいの5人です。浪人風情と旗本の所の若い侍、島帰り、
それと酔っ払って正体不明が一人で、最後に女。こいつぁ夜鷹ですね」
「よしよし。んじゃ番頭連れて改めに行くか!」
「そういや、昨日、せっかく番頭来たのに、親分いねぇってんで帰しちまったんで…
あん時、下手人の人相を合わせておきゃよかった…」
「まぁまぁ。後でするから後悔ってんだ。いくぞっ!」
さてさて。瞬殺かも知れませんが、
読み物として楽しんでいただけたら幸い鴨。
下手人と何故そうなのかを「ちょいと間抜けな八っつぁん」になったつもりでどうぞ。
ロッキー (2002/12/12(Thu) 11:36:11)
はじめまして。目新しい舞台設定でキャラクターも面白いですね(^o^)
短絡的で的外れな推理を1つ。では「ちょいと間抜けな八っつぁん」になりきりで。
「親分!今思いつきました!下手人はこいつにちげえねぇ!夜鷹の女ですよ。
仏がキセルを握り締めて死んでたの覚えてます?
あれは仏が最期に残した死の伝言なんじゃねぇかなぁ。
夜鷹には服を着せないといけませんからねぇ」
ぱんちょ (2002/12/12(Thu) 18:54:18)
はじめまして。
楽しんで頂けて何よりです〜(^∇^)
会話文だけで押し進めて行こうかと思っとります。
「八!珍しく頭使ってるじゃねぇか。でもそれじゃ納得の行かねぇ事が一つだけ残るんだ。
いいか?おめぇの首の上に座ってるそれ、梅干の種が詰まってるそれだよ!
頭だアタマ!そいつにちっとでも身が詰まってんなら下手人は解るんだがなぁ…」
親分はちいとばかし口が悪いようで・・・
ロッキー (2002/12/12(Thu) 19:40:26)
>親分はちいとばかし口が悪いようで・・・
そうみたいですね(笑)しかしヒントと受けとれなくもなかったので・・・。
「へい、日ごろ頭使ってねぇもんですから・・・。
でも親分、ここんとこちょいと見てくださいよ(と言って字を書く)。
夜鷹の『鷹』の字の上んとこ。『雁』って言う字が入ってるでしょ?
で、キセルには『雁首』がありますから雁が上についてるということで、
やっぱり女が下手人なんじゃないかと自分は思うんですがねぇ。
親分はもう分かってるんですか?」
同じ容疑者ですみません。
はっきり違うと明言されなかったので、これくらいしか思いつきませんでした(^^ゞ
あと、
>「へぃ!……あ、懐に手ぇつっこんでら。……キセル握り締めて死んでるよ。この旦那」
の部分で、懐に突っ込んだ手でキセルを握り締めてたのか、
懐に突っ込んだ手とキセルを握り締めた手は別なのか、それを教えてください。
ひげぞう (2002/12/12(Thu) 22:11:26)
時代物とは、面白いですね。
> さすがに紋付の提灯だ。仏は背後からバッサリねぇ。
これは、刀でないとできないので、浪人か侍。
(ところで、町方は、侍には手が出せないけど…)
> 金と帳簿を置いてくるからって
金を持っている番頭が助かったということは、
これは、刀の試し切りのすっぱ抜き。
よって、やったのは、若い侍。
…と、思ったけど、
> 下手人が現場に戻るってあの話ですよ。
下手人というのは、町人にしかあてはまらない。
武士には、下手人という刑はないから。
よって、犯人は、元武士の浪人で、恨みからの犯行か?
> キセル握り締めて死んでるよ。
煙草入れから出して、それを握って懐に隠したなら、これがDM?
これが浪人にも侍に絡んでいないといけないわなあ。
…考え直そうっと。
ところで、重箱の隅をつつきまくりですが、気になる点をいくつか。
> まとめて縄で括ったらまるでムカデみてぇになっちまいましてね…」
下っ引きが、勝手に縄をうつことはできないんだけど…
> さすがに門で止められたんで…」
どこの門?
> 浪人風情
ろうにんふぜいって何?
ということで、もう一度考えます。
蒼鉛 (2002/12/12(Thu) 22:18:38)
見当違いっぽい解答を一つ
> 「八!珍しく頭使ってるじゃねぇか。でもそれじゃ納得の行かねぇ事が一つだけ残るんだ。
> いいか?おめぇの首の上に座ってるそれ、梅干の種が詰まってるそれだよ!
> 頭だアタマ!そいつにちっとでも身が詰まってんなら下手人は解るんだがなぁ…」
このヒント(?)から考えると
梅干しの種→梅干しの種の中身は俗に「天神様」と呼ぶ→
→天神様といえば菅原道真公→道真公といえば流罪→
→島帰りの男?
でも、煙管から島流しに繋がらない^^;
後、問題に関係ないのですが
鬼平というか銭型平次のような気が……^^;
変なレスでスミマセン^^;
ぱんちょ (2002/12/13(Fri) 00:21:03)
あいや、突っ込まれまくりで、あっぷあぷです(^^;
「八。お前ぇに色々考えがあるのは解った。
いいか?俺は現場に着くなりすぐどんな奴がやったのか解っちまった。
そんで蕎麦屋に引っ込んだのよ。
まずはコロシがどんな状況で起こったのか考えろ。
次は現場を思い出せ。そうすりゃお前、自然とおかしい事が見えてくるってもんだ」
「あ、それとな、今回はお前ぇに任して何も言わねぇつもりだったが……
夜鷹と島流しは帰してやれ。こいつらだって真面目に頑張ってんだ。
それとな、侍。後がうるせーし面倒だ。今んとこ関係ねぇし帰せ。でも目は離すなよっ!
酔っ払ってた奴には水でも引っ掛けてから家に帰してやれ…」
ロッキー (2002/12/13(Fri) 00:29:11)
「そういや番頭の奴、何で現場に出てこねぇんだろ・・・?」
何故疑わしいかは分かりませんしDMとの関係も分かりません。
シロ (2002/12/13(Fri) 01:37:21)
お通:
『詳しいことは良くわかんないけどさ、殺されたのは
回船問屋の大旦那だろ?そんな偉いさんは自分で
堤灯なんか持たずに番頭さんが持ってるもんなんじゃ
ないのかい?だとしたらなんで火の消えた堤灯が
落ちてたのさ。番頭があやしいと思うよ、あたしゃ』
親分:
『どう思う?八』
八:
『番頭があわてて落としたんじゃ・・・?』
時代劇風のセリフって難しいですねー。
番頭があやしすぎなのですが、DMが解りません。
あと番頭が刀持てるのかどうかも不明です。
ぱんちょ (2002/12/13(Fri) 04:09:29)
「さすがお通。やっぱり俺の恋女房!あと一歩だぞぅ!
小股のキレと言い、頭のキレと言いお前ぇはホント、良い女だねぇ。。。
オイと一声掛けりゃアイヨッと何でも解る。打てば響くたぁこの事だ。
八の所はどうだ?オイと言って解んのは女房の拳骨がでかくて固い事くれぇだろ」
「へぇ…。面目ねぇ。でもよ、親分、ウチのかかぁも初めはあんなじゃ無かったんで…
最初はお通さん顔負けのスラッとした粋な女で……」
「解った解った。お前ぇのその話は耳に蛸だ。
所で八、筋は違っちまったがお通のさっきの話だ。
おかしい、不自然なのは提灯だ。誰が持とうが同じ事だが、そうすりゃなんで番頭…
っと、殆ど喋っちまったがそういうこった」
「へぇ……提灯……ねぇ…」
「いいか。八。頭に落花生が詰まったお前にも解る様に話してやる。
提灯ってのは手に持つか、何所かに下げるからああしてられるんだ。解るか?」
やっぱりこれじゃ鬼平じゃないですね(^^;
ロッキーさん、ひぞうさん、蒼鉛さんにシロさん。
有難う御座います。作者としては嬉しい限りです。
レスが付いた事もそうですが、他にも嬉しい事が…。
ひげぞう (2002/12/13(Fri) 18:26:20)
「そうでやすね。
番頭が提灯を持ってお供していたってえことは、
大旦那の後ろを歩いているはずでやすから、
後ろから、大旦那が切られることはねですよね。
…てえことは…、」
「ところがだ、八。
例えば、旦那の鼻緒が切れたとしねえ。
番頭は、旦那の前に回り込んでしゃがむわなあ。」
「はあ、するってえと、
旦那は、番頭が鼻緒を繕ってる間に一服しようとする。
提灯を持って、煙管を出したところを、すっぱ抜かれた。」
「じゃあ、煙管はたまたま握ったってえことかい。」
「と、なりますねえ。」
「おう、八。煙管の羅宇は、何でできてんだい?」
「へ、そりゃあ。
あっ、五人の中で持っていそうな奴は、浪人ですぜ。」
と言うことで、浪人に一票!
ひげぞう (2002/12/13(Fri) 18:45:22)
すみません。
旦那は刀で切られたから、羅宇は、浪人にはつながりませんね。
考え直します。
こもの (2002/12/25(Wed) 18:28:50)
「夜鷹と島流しは帰してやれ。こいつらだって真面目に頑張ってんだ。
それとな、侍。後がうるせーし面倒だ。今んとこ関係ねぇし帰せ。でも目は離すなよっ!酔っ払ってた奴には水でも引っ掛けてから家に帰してやれ…
っつまり親分!浪人ってことですかねぃ??」
安易すぎ?!すみません、、、
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。