ヨガ殺人事件
ゆういち (2002/04/04(Thu) 16:34:14)
大富豪の山木栄一氏(58)はいっぷう変わった人物で、インドの秘術ヨガに凝っていた。古い体育館を買い取って4人のインド人といっしょにヨガの修行に熱中していた。
ところが、ある日その体育館の中で山木氏は遺体となって発見された。死因は、なんと餓死だった。彼は10日前に1人で体育館にこもると、誰にも邪魔されないように中からドアに鍵を掛けてヨガの修行をしていたのである。食料はたっぷり用意してあったのに、それには手をつけず、がらんとした館内の中央に置かれた簡易ベッドに寝たまま餓死していたのである。最初に山木氏を発見したのは4人のインド人だった。
「10日前、山木さんはひとりで修行するから邪魔しないでくれと言って体育館にこもったのです。われわれは屋敷の方で待っていたのですが、10日経っても彼が出てこないので、心配して様子を見に行きました。でもドアは開かないし、窓も中からロックしてあって、カーテンも閉めてあるので、館内の様子が分かりません。そこで天井の採光窓から覗いてみたら彼がベッドに寝たまま動かないので不審に思って警察に知らせたのです」
警察は現場検証により体育館が完全な密室であったことを確認すると、山木氏の死はヨガの断食による自殺と断定した。体育館のドアと窓はすべて中から鍵がかかっていたので、外から出入りすることは出来ない。天井は高さが12メートルもあって、ちょうどベッドの真上に四角い採光窓があるが、鉄格子がはまっている。つまりこの体育館は完全な密室になっていたのだ。
しかし、山木氏の生命保険の受取人がその4人のインド人になっていたので、保険会社がこの事件に疑いを抱き、篠田裕一探偵に捜査を依頼した。篠田探偵はさっそく体育館に出かけて詳しく調べた結果、次のことを発見した。
1・天井の採光窓は鉄格子がはまっているが、ガラスは外から外すことができる。
2・山木氏が死んでいたベッドは頭と脚の方に鉄パイプの枠があって、脚には小さな車輪がついている。そのキャスターの跡が床に残っていたが、連続してはいなかった。
以上のデータから篠田探偵はこの事件を他殺と断定し、4人のインド人を犯人として告発したのである。
さて、篠田探偵の見破ったトリックとは?
よろしくお願いします。
有瀬 (2002/04/04(Thu) 17:01:18)
被害者が眠る真夜中、4人のインド人は、採光窓からフックのついた鎖を垂らしベッドに引っ掛けてそのまま引き上げた。ベッドは天井近くまで持ち上げられた状態で固定され放置された。被害者は翌朝ベッドの上で目を覚ますがベッドから降りることができない。ヨガで柔軟な体だとは言え、12メートルもの高さから落ちればひとたまりもない。被害者は唯一の窓から助けを求めるが、誰も助けには来ない。食料もなく水すら飲めない被害者は、やがてベッドから起き上がる力もなくなり、餓死(衰弱死)した。被害者が死亡したのを見届けてから、4人のインド人はベッドをゆっくりと床まで下ろし、フックと鎖を回収して窓を閉めた。そのとき車輪の跡がずれたのであろう。
如何でしょうか?
ゆういち (2002/04/04(Thu) 17:04:42)
>>有瀬さん
か・・・完璧です・・・降参!もう解答編はいりませんね。そのまま答えです。
簡単かな、とは思いましたが・・・・こんなに早く解かれるなんてビックリです!
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。