河野警部の事件簿
ryo (2002/10/30(Wed) 18:51:43)
どもども、今度は前回の問題よりもちょっと難しくなっていると思います
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それは、東京に珍しく大雪が降り10cmほど雪が積もった
その翌朝、1月13日に起きた事件だった
「警部、こちらです」
すでに現場に到着していた吉川が河野を案内する
「で、ガイシャは?」
「はい、山崎 浩二 (37) この廃車の解体作業場の作業員です
被害者は夜勤で、昨日の夜10時頃
この解体作業場の近くにある飯屋で夕食をとった後
解体場の近くにある空き地を通って作業場に帰ろうとしたところで
この空き地の真ん中で殺されたようです」
「死因は?」
「絞殺です」
吉川は、いつもながら無駄なことはあまりしゃべらないなと思いつつ答えた
「絞殺か・・・凶器は見つかったのか?」
「いえ・・まだです・・
それに、不思議なことがあるんです」
「不思議なこと?」
「これです」
そう言って、写真を出した。どうやら、現場の写真らしい
その写真には、この空き地の中心と思われる場所で
男が1人倒れている光景が写っていた
その現場には被害者のものと思われる足跡と
第一発見者のものと思われる足跡しかなかった
「これは、被害者と第一発見者の足跡か?」
一応、吉川に聞いてみる
「ええ、そうです 裏も取れました」
「死亡推定時刻は?」
「昨夜の10時30分ごろです」
雪は、9時30分ごろには完全に止んでいたのだ
「ふ〜ん・・」
しばらく河野は考え込んだ後、どこかへ行ってしまった
吉川もついて行こうと思ったが、邪魔になると悪いと思い、止めた
2時間ほどした後、河野が戻ってきた
「どうでした?」
待ちわびたように吉川が尋ねる
河野はにやりとした後
「上々だ」と答えた
そして吉川に
「お前はこれからどうする?」と、逆に質問した
「ここに残ります」と答えると
「そうか、俺はこれから署に戻る」と言った
「犯人がわかったんですか?」
「ああ、9割9分間違いないだろう」
「教えてください!犯人はどんなトリックを使ったんですか?」
すると河野は再びニヤリと笑い
「自分で考えな」と言い、紙に何か書くと吉川に投げてよこした
河野が書いたヒントの紙
↓
?@死体のそばに、被害者が吸ったタバコの吸殻が落ちていた
それは雪の上に落ちて自然に火が消えたもので、足で踏み消されたものではない
?A被害者のヘルメットはスチール製のもので、あごの下に結んでいる紐は
丈夫なナイロン製で、それで絞殺されたらしい
?B被害者は親指だけが分かれている、作業用のミトン手袋をしていた
?C廃車が山積みになっている解体作業場の近くに大型クレーン車があるが
雪が止んだあと、キャタピラが動いた後がないことから
その車は移動しなかったと思われる。しかし、そのクレーン車から
死体までは、25m程しか離れていない
?D現場の空き地には外灯はなく、廃車の山が解体場の証明を遮り、暗かった
「これがヒントですか?」
「そうだ、俺はもう行くぞ。答えは犯人が見つかったら教えてやる」
と言って、現場を後にした
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ここまでの長文、読んでいただきありがとうございました
さて、犯人の行ったトリックとは?
黒ラベル (2002/10/30(Wed) 20:04:06)
状況証拠から、
大型クレーンには、電磁石が仕込んであったタイプ。
空き地を通りかかったときに、磁石でヘルメットごと中吊りにさせた。
それで、ヘルメットの紐で首が絞まって死亡した。
紐を外そうとしても、ミント型の手袋で外せなかった。
宇宙戦艦ヤマト (2002/10/31(Thu) 22:41:11)
同上。
もしくは、作業中に殺し、ヘルメットをかぶせる。
爪先立ちで歩き、タバコを落とし、、帰りは後ろ向きで歩く。
これで、小さい行きの足跡は帰りの足跡に踏まれて消える。
ryo (2002/11/01(Fri) 21:37:26)
答えはまだ言いません!
黒ラベルさんと、宇宙戦艦ヤマトさん
?D現場の空き地には外灯はなく、廃車の山が解体場の証明を遮り、暗かった
と、ありますよね
そうなると、犯人からは被害者の位置が見えないことになります
ならばどうやって電磁石を頭の上に移動させたのでしょう
あんまり近づけると気配や音でばれちゃいますよ
宇宙戦艦ヤマトさんのもう一つのトリックは
被害者は飯屋で目撃されているので作業中に殺すのは不可能です
ゆえに、足跡は被害者のものだと考えてください
黒ラベル (2002/11/01(Fri) 21:52:59)
> そうなると、犯人からは被害者の位置が見えないことになります
> ならばどうやって電磁石を頭の上に移動させたのでしょう
> あんまり近づけると気配や音でばれちゃいますよ
電磁石は、始めから仕掛けて置けばよいのです。
強力ですから、狙う必要はないです。被害者がそばを通ればくっ付いてしまいますから。
暗かったのですから、頭上にそんなのがあるのかも判らなかったということで。
まんじろ (2002/11/02(Sat) 09:49:36)
横レス失礼します。
被害者はたばこを吸っていたようですから
その明かりを目印に電磁石を移動させた。
被害者を落としたときに顎がゆるんで口から落ちたんでしょう。
宇宙戦艦ヤマト (2002/11/02(Sat) 11:02:26)
なるほど。
タバコの炎は、100m離れていてもよく見えるらしいですからねー。
ryo (2002/11/03(Sun) 15:28:03)
正解が出たので回答編を・・・
待ち伏せか〜・・
私は思いつきませんでした・・
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「やれやれ・・」
再び取調室から出てくる河野に向かって誰かが駆けて来る
吉川だ、予測していたとはいえ、思わず苦笑してしまう
「警部!お疲れ様です」
「おう、お前もな」
いつも通りの挨拶、そして,吉川の次の台詞も大体わかる
「どうして犯人がクレーン技師だと解ったんですか?」
「お前、ヒントを書いてやったのにまだ解らなかったのか?」
「うっ・・・」
吉川は、シュン となってしまった
どうやら図星のようだ
「なら説明してやる、要するに、ガイシャは宙吊りにされて殺されたんだ」
「ええ!?ひょっとして
クレーンに先を輪っかにした紐をつけて被害者を殺したって言うんですか?」
「馬鹿、そんなことしたら被害者に気づかれるだろが
第一、そんな細かい作業がクレーンでできるか」
「あ、そうか・・ならどうやって?」
「簡単だ、クレーンに電磁石を仕込んでそれを被害者の上に移動させただけだ」
「あ、そうか・・そうすればスチール製のヘルメットが・・
って。警部、それならその紐をはずされたら終わりじゃないですか」
「?B被害者は親指だけが分かれている、作業用のミトン手袋をしていた
と書いたつもりだが・・・?」
「あっ!そうか!それなら被害者はヘルメットを外そうと思っても
外せない!」
「その通り!恐らく宙吊りにされた時にタバコが落ちたんだろう」
「しかも、クレーンが近づいてくる音は解体場の音で消えてしまった!」
「そうだ、冴えてるじゃないか」
「ですが警部、あの空き地は証明もなくて相当暗かったですよ
どうやって被害者の上に移動させたんですか?」
「タバコの火を目印にしたんだ」
「あ・・なるほど・・・」
「そこまで解ったら後は簡単だった、あの時間帯にアリバイのない
クレーン技師は一人しかいなかったよ。しかもご丁寧に動機まであった」
「何ですか?」
「そのクレーン技師は職場でかなりひどいいじめにあっていたらしい
そのリーダーが今回の被害者だ。すぐに吐いてくれてよかったよ」
「さすが、名推理ですね。俺にはできそうもないや」
吉川がそう言うと河野はフッと笑い
「お前にもできるさ、お前は常識に縛られすぎなんだ」
と言って元気づけた
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ryo (2002/11/03(Sun) 15:35:33)
おっと、押し忘れていました
せっかくなんで次回予告!
河野警部の事件簿 ファイル3 「雪原の殺人者 2」です
期待しないように!(笑)
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。