ホーロック・シャームズの事件簿

スパイダー　(2002/11/06(Wed) 21:44:54)

ホーロック・シャームズと私は、ある事件のためにロンドンの遥か東方、
ニッポンのトウキョーなる都市に滞在していた。
この時期のシャームズはこんな辺境の国にまでその高名をとどろかせていたのだ。

「おい、ストワンくん、どうやらこの事件も僕を楽しませてはくれないらしいね。
もっとも事件の真相はロンドンにいる時点で分かってはいたのだが」
「えッ！もう真相が分かってしまったのかい？」

私たちが呼ばれた事件は、ある男の刺殺事件のためであった。
ただの刺殺事件ならば、わざわざシャームズが来る必要もなかったのだが、
事件のあまりの異様さ、陰惨さのため地球を半周してわざわざシャームズまで
依頼が来たのである。

刺殺された男の名は、カネダ・コウイチ。
カネダは希書コレクターで、自室にはそのコレクションを大切に飾ってあったという。

カネダは自室の中央で、死体となっているのを発見された。
部屋は椅子が倒れていたり、ものが床に散乱していたりなど、ひどい荒れようである。
この事件の異様な点は、被害者は腹を8箇所、背中を9箇所、
ナイフでめった刺しにされて殺されているという点である。
つまり、カネダは前後あわせて17箇所刺されて殺されていたのだ。

現場にいた容疑者は三人。
カネダ夫人、ササキ・タカミツ、そしてムネダ・トシゾウ。
三人が三人とも動機がある。
カネダ夫人とササキは愛人関係にあり、カネダを邪魔と思っていた。
ムネダはカネダの持つ希書コレクションを欲していたが、カネダは決してそれを
譲ろうとも見せようともしなかった。
カネダは夫人以外の人間がコレクションに触ることはおろか、
部屋に入ることも許さなかったそうだ。
もしササキかムネダが部屋に入ろうとしたならば、
カネダは力ずくでそれを阻止しようとし、格闘となっていたのは確実だと思われる。

「シャームズくん！はやく真相を教えてくれ！」
「初歩的な推理だよ、ストワンくん。前と後ろから17箇所も刺されている意味を
考えるんだ。木を隠すなら森の中。それ以上のことは言えないね」


　　ムネダさんでは？


うーん‥もう少し詳しく状況が知りたいですね‥＾　＾；
被害者の部屋には鍵はついていなかったのでしょうか？
凶器はナイフでしょうか？それとも包丁でしょうか？

カネダ夫人　だとすると、被害者が夫人しか自室に
入れないことを考えると、自室で死体が発見されると
真っ先に疑われる可能性がありますから、少なくとも
どこか別の場所で殺すと思われます。
（あえて自室で殺して、裏をかく、とも考えられますが。）
それと被害者をメッタ刺しにする理由も（今の所）
思いあたりません。
しかし、犯行は一番しやすいですね。三人とも犯行当時
家にいたにもかかわらず犯人がわからないという点から
考えて、被害者の家はかなり大きい様なので、間取りを
熟知している彼女はみつからないように犯行を行うには
二人より幾分有利ですね。

ムネダ・トシゾウ　だとすると、殺人の動機が条件より
被害者の希書であることから考えて、希書の一部が
なくなっているはずですが、そんなことをしてしまうと
こちらも真っ先に疑われてしまうかも。（夫人が被害者の
コレクションを全部覚えていればの話ですが。）
夫人が全部覚えていないと思って部屋を荒らしていくつか
盗んだのをばれないようにしたとも考えられますが、
自分の欲しかった、盗んでいないコレクションをめちゃくちゃに
する勇気が彼にあったかは疑問です。（そこだけ荒らされていないと
疑われますし。）
最初から盗む気がないのなら殺す必要もないですし、
コレクションのことで衝動的にもめごとになり、
被害者を刺殺（刺殺事件となっているので撲殺は考えません）
するには彼はいつもナイフを持ち歩いていたことになりますので、
もしそうでなければ計画的犯行ということになりますね。

ササキ・タカミツ　だとすると、夫人と愛人関係にあったことから
考えて、夫人が疑われないように自室では殺さないと思います。


ここからはかなり推測ですが、ムネダ・トシゾウかな？
メッタ刺しにしたのは、自室に入ろうとして争った跡を
消すためでしょうか？（それで消えるかわかりませんが。）
それなら、同時に夫人に罪をきせることになりますね。
（ササキの場合も争った跡が残るので）
もう少し考えてみます‥。




こんばんは。
私もムネダ氏だと思います。
「木を隠すなら森の中」・・・というのがキーワードならば。

（滅多刺しというと、非力な犯人か恐怖か怨恨か・・・という理由も考えられると思いますが、そういうことではないのですよね？）



僕もムネダで。


ちょっと説明というか、プロットが甘いようで申しわけありません。
補足します。

凶器はナイフです。
部屋にはカギはかかっていません。

それとヒントです。
めった刺しは最も重要なポイントです。
「木を隠すなら森の中」の木を、刺し傷に置き換えてみてください。
なぜ前と後ろから刺されているのか？

動機は深く考えすぎないほうがいいかもしれません。


どもども

被害者が部屋にいるところに犯人が入った場合、
夫人以外の両名では「格闘」が発生するため
刺し傷は「腹」につくものと思われます。
※部屋の中央で殺されることもないでしょう。

つまり、「メッタ刺し」の傷は「背中の傷」を隠すためのもので
背中に傷をつけることが出来る「カネダ夫人」が犯人だと思います。

但し、殺人の直後にそんなことを考えられるかは微妙です。
偽装工作は夫人をかばおうとした「ササキ・タカミツ」が
したのかも知れませんね。



初めて書き込みします
犯人は一人ですか？
「カネダ夫人」と「ササキ」の二人の犯行と思ったのですが。
理由→部屋の中央で夫人が待っていて正面から刺す
　　　確実に殺す為後ろからササキが刺す
　　　両面の刺し傷を隠す為、メッタ刺しにする
これがヒントの「木を隠すなら森の中」
いかがでしょう？
考えが甘いかも・・・(^_^;)




いろいろお考えいただいてありがとうございます。

犯人は一人とお考えください。単独犯です。



被害者が油断して背中を見せた隙を突いて
背中を指したと考えれば婦人が最も怪しいかな。
背中だけ刺せば隙のある相手と分かってしまうから
わざと何箇所も刺した？
荒れた部屋は偽装とか。


よくよく考えたら、メッタ刺しの理由は
皆さんがおっしゃる通り背中の傷を隠すため、と
考えられますね‥。
犯人は夫人ということで‥。



解答です。
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「ストワンくん、君は17箇所も刺されている意味をどう考える？」
「え？そりゃ、怨恨だと思うよ。そんなにめった刺しにするくらいなのだから、
犯人はよっぽど深い恨みを抱いていたのだろうね」
「ちっちっ、ストワンくん、それはちょっと考えがたいね。その考えは犯人の
思うツボだよ。被害者は犯人に一回刺されて、仰向けに倒れたと仮定しよう。
犯人はまず腹を8回刺す。その次の犯人の行動はなんだと思うかね？」
「それは、背中から刺すために、被害者をひっくり返すんじゃないか？」
「自分が一人の人間をひっくり返すのを想像してみたまえ。それは中々に
しんどい作業のように思えないか？たとえ恨みを抱いていたとしても、
わざわざ死体をひっくり返してまで刺すスペースを探すというのは
ちょっと考えづらい。偏執的な快楽殺人者ならともかく、容疑者は全員まともな人間だ。
殺人を犯した時点でまともではないかもしれないが、少なくとも異常な動機にもとづく
殺人ではない以上、死体をひっくり返してまで刺し傷を作るということには
何らかの作為があると考えるのは当然だろう」
「なるほど。では君が言っていた、木を隠すなら森の中という言葉の意味は？」
「この場合、森にあたるのは刺し傷だ。つまり、犯人は、ある刺し傷を隠すために
前と後ろからめった刺しにする必要があったのだ」
「シャームズくん、僕にはまだよくわからないよ」
「刺し傷の保有する特徴はなんだい？
前から刺されているか、後ろから刺されているか、それだけだ。
つまり、犯人は、前と後ろのどっちから刺したのかを隠したかったのだ」
「あッ！」
「前から刺したことを隠すことには意味はない。前から刺されている場合には
三人に等しく殺人の可能性があるからね。容疑者は一人に特定することはできない。
では後ろから刺された場合はどうであろうか。
ササキとムネダが被害者を背後から刺すことは可能だろうか？
まず難しいだろう。彼らは被害者の部屋に入るだけでも一苦労だからね。
そんなに簡単に被害者の背後を取れるはずがない。
それにもし万が一取れたとしても、彼らにはカムフラージュする意味がない。
背後から刺されているだけで、彼らの犯行であると特定されるわけではないからね。
カムフラージュする必要があるのはカネダ夫人だけだ。
彼女だけが被害者の背後にまわることができる。彼女が犯人だ」
「そ、それなら、現場が荒れていて、格闘の跡らしきものがあるのはなぜなんだ？」
「それもカネダ夫人のカムフラージュだ。人が後ろから突然刺されたとき、
刺した人間と刺された人間のあいだに格闘が起こるはずがない。
背後から刺されたんじゃないということを強調したかったのさ。
それにササキとムネダが部屋に入ったとしたならば、絶対に格闘は
起こるわけだからね。部屋を荒らしたのは、自分が犯人ではないことの
二重の強調だったのさ」
「なるほどねエ」
「それに僕は思うんだけどね、もしササキかムネダが犯人ならば、
死体をめった刺しにするよりも、まず部屋を片付けて格闘の跡を消すよ。
めった刺しの偽装なんて絶対に思いつかないだろうね、
彼らにとっては前から刺そうが後ろから刺そうが関係ないことなんだから。
つまり、カネダ夫人以外に犯人はありえないのさ。
さぁ、真相がわかったならスシでも食べに行こうじゃないか。
トウキョーに来てスシを食べない手はないよ、ストワンくん」
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一番最初に解答を出されたどらさん、お見事っす。
この謎には結構自身があったんですが、脱帽いたしました。


※　問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。