Green Bacchus の事件簿（2）

どら　(2003/03/13(Thu) 00:33:40)

どもども

１ヶ月以内に続編を作りたかったので、
ぎりぎりセーフですね。ｄ（＾　＾　）

今回は、前回以上に作者の思い込みが強いかもしれません。
なので、別解の出てくる可能性大です。
論理展開に無理がないものであれば、
その時点で終了させてもいいと考えていますので、皆様頑張ってみて下さい。

※相変わらずの長編で申し訳ありませんが、お付き合いのほど
　よろしくお願いいたします。
=======================================================================
「遺産争いっていうのは醜いものだね。」

『Green Bacchus』の客は今日も私だけである。
これほど立派なバックバーのある店を私は他に知らないのだが…
こういう正統派の店は、今時流行らないのだろう。

「なければ困る。ありすぎても困る。
　お金というのはそういうものですよ。
　今度はどんな事件なんですか？」

私に酒を注ぎながら、マスターは答える。
今日の注文は『ボウモア』にした。
私の好きなモルトのひとつだ。

「うん。単純な事件だと思うんだが…これといった決め手がないんだよ。」
「少ない情報から真実を見出すのも、推理パズルの楽しみですよ。
　よろしかったらお聞かせ願えますか？」
「今回はヒントが少なすぎて、マスターにもわからないと思うよ…」
-----------------------------------------------------------------------
被害者は日野市内に住む資産家の女性で年齢は７０歳。
１１日の午後１０時ちょうどに、自宅マンションで死んでいるのを
訪ねて来たセールスマンに発見された。
彼は被害者とその時間の面会を約束していたらしい。

彼によると
「呼び鈴を押しても返事のないことを不審に思い、ドアに手を掛けたところ
　鍵が開いている。そっと中を覗き込むと、胸にナイフの刺さった被害者が
　仰向けに倒れていた。」とのこと。
発見後は部屋には上がらず、
すぐに近くにある交番へ警官を呼びに行ったそうだ。

死亡推定時刻は１１日の午後８時半〜９時半の間。
凶器はナイフで、被害者の持ち物と断定された。

室内には物色した跡があったが、指紋は全てふき取られていた。
もちろん凶器の指紋も同様である。
唯一の指紋検出場所は玄関ドアの外側のノブであったが
識別可能な指紋は発見者のセールスマンのものだけだった。

被害者には友人と呼べる者がなく、孤独だったらしい。
近所との付き合いも、全くなかった。

被害者の夫は５年前に他界しており、子供は３人。
子供達が被害者宅を訪れることもほとんどなかったそうだ。
そのためかどうかはわからないが、ごく近しい関係者によれば
被害者は子供達に財産を残すつもりはなく
どこかの施設に寄付する予定だったという。
但し、遺言状は発見できなかった。

被害者の子供達は、遺産の話を前日に聞きつけたらしい。
１１日は順番に被害者の説得に来たようだ。


長男は４５歳。
被害者宅から車で２０分程度の一戸建てに在住。
午後５時頃、被害者のもとを訪ねている。
午後１０時少し前に自宅で来客の対応をしているが
それ以前のアリバイはない。

次男は４２歳。
被害者宅に程近いマンションに在住。
午後６時半に被害者マンションを訪問している。
午後１１時に自宅で友人からの電話に応対しているが
それ以前のアリバイはない。

三男は３５歳。
被害者宅から電車で３０分程度のマンションに在住。
午後７時に被害者宅に到着したようだ。
午後９時３０分、自宅の駐車場に帰ってきたところを
隣人に目撃されているが、それ以前のアリバイはない。

３人とも遺産の寄付について猛抗議したそうだが、
受け入れてもらえなかったそうだ。
なお、３人はそれぞれ他の兄弟とは会わなかったと自供している。
-----------------------------------------------------------------------
「被害者のマンションはどんな構造なんですか？」
「玄関を入って右手に寝室。左手にトイレ。トイレの隣がバスルーム。
　正面がリビングになっていて、そこに被害者が倒れていたんだ。
　玄関を開ければ死体が見える位置だ。」

グラスが空くと、マスターが次の注文を聞いてくれる。
私は同じ酒を頼み、チェイサーを口に運んだ。

「今回は、さすがのマスターもお手上げかい？」
「そうですねぇ…。指紋がふき取られていたのはどの辺りなんでしょう？」
「リビングの棚。寝室のタンスや机。
　まあ、泥棒が物色しそうなところ全てだね。
　面白いところでは、トイレのノブも綺麗になっていたよ。」
「ほぅ。それは興味深い。
　もしかして、便器はふき取られていなかったのではないでしょうか？」

私は驚いてマスターの顔を見つめてしまった。
その顔は、あんぐりと口を開け、そうとう間抜けだったに違いない。

「…よくわかるね。
　確かに便器のほうはふき取られていなかったよ。
　もっとも、有力な指紋はひとつも発見できなかったがね。」
「そうですか。分かりました。では今度は私の番ですね。
　何回も言うようですが、私は素人なので、参考程度に聞いてください。
　今回のポイントは『指紋』ですね…」
=======================================================================
さて、真相を皆様に推理して頂きたいと思います。

（１）よりも難易度（作者の思い込み？）が高いと思います。
徐々にヒントを出しますので、その辺はご容赦を。

もちろん今回も、質問等大歓迎ですよ〜。（＾―＾）




まず疑問に思ったのは何故物色後に指紋をふき取る必要があったのかです。
この状況を素直に解釈すると、わざわざ部屋を素手で物色した後で指紋を拭き取ったことになります。
三兄弟達は被害者宅を訪問したと証言しているわけですから殺害後は指紋を付けないように物色するだけで問題はないはずです。
まあ犯人が動揺していたためだっていうだけで意味なんかないのかもしれませんが拭き取った跡を故意につけるためだったとも考えられます。

まだよく考えていないので、とりあえずは犯人が動揺していたとしておいて回答してみます。
犯人は被害者を殺害後、遺書を探して部屋を物色していた。
しかしその後指紋を残していたことを思い出し証拠を消す為に指紋の拭き取りを始める。
他の兄弟達は既に訪問済みのはずだから今日はこれ以上の来客はないと高を括って念入りに作業をしていた犯人はここで予想しなかった事態に陥る。
チャイムが鳴ったのだ。
ドアの鍵を閉めていなかったことに思いあたり咄嗟にトイレに隠れる犯人。
幸運にもセールスマンは通報のために交番へと立ち去った。
そしてその隙に犯人は急いでトイレのドアの指紋を拭き取ると逃走した。
よって１０時以前のアリバイがない次男が犯人である。

これ以降は私の脳内オチなんですが、
次男は実は遺書を見つけることはできなかった。
被害者がこういう事態を想定して隠していたためだ。
警察も被害者が遺書を隠していたという発想ができなくて常識的な場所しか探していなかった。
そして数日後、遺書はトイレの水槽の中から発見された。
こんな妄想する暇あったら真相究明するべきですねスイマセンm(_ _)m


連続投稿してしまって申し訳ありませんが
先程の回答に補足をさせてください。

犯人は一度目の訪問の時に被害者がトイレに立った隙、又は外出などで
その場にいない時に部屋を物色していた。
どうしても遺書の内容が知りたかったためだ。
しかし犯人の行動が被害者にバレてしまい口論となり家を追い出される。
この時に被害者は犯行を決意する。
この後は先程の仮説と大体同じです。
犯人はこの時に付いてしまった指紋を消していたわけです。


どらさん、こんにちはー。

グリーンバッカス、来ましたね〜。かろ〜ん（氷）

質問なんですが、
・セールスマンが犯人ということはないんですよね？
・トイレのドアノブは、内側も外側も拭かれていたのですか？

こんばんは。
私が辿りついた−犯人−の場合、次の項目があてはまるのですが……。
・犯人は指紋を消したのは、通常犯人が指紋を消す理由とは違う。
・犯人が便座を拭き取らなかったのは、犯人の特性による。
・セールスマンは犯人ではないが、第一発見者だ。（当たり前だ…）
意味不明かもしれません。
でも、どうやって殺した？のだろう。

もうすこし被害者の周辺情報が知りたいです。
あと、遺産相続の法的な部分は関係しますか？

実は兄弟全員で犯人をかばっていて、他の兄弟は家に行ってないのに行ったとゆうことにするために嘘がばれないようにけしたとか・・・。
とりあえず思いついたことを書いてみました。本格的な推理はまた情報が集まったらということで。


　もし、3人が他の兄弟に会っていないならば、時間的に見て三男が犯人かな？


いろいろ考えたんですが、ともたさんの最初のレスの
次男犯人説が一番自然な気がしますね。時間的にも。
トイレは物色ではなく、隠れただけだったから
触っていない便器はふき取らなかったわけですね。

私は懸命にセールスマン犯人説を考えてたんですが、
無理がありました…。




どもども

いきなりですが、解決編です。ｄ（＾＿＾；）
=======================================================================
「まず、物取りの線はいかがですか？」
「計画的に押し入るのなら、手袋ぐらい用意すると思うね。
　物取りの線はかなり薄い。」
「そうですね。それでは容疑者は４人ということになります。」

マスターが右手の人差し指を立てる。

「注目すべきは、玄関ドアの外側のノブですね。」
「？確かに指紋は残っていたが、有力なものはなかったよ。
　まさか、セールスマンが犯人と言うわけではないだろうね？」
「彼が犯人なら、ノブをふき取ってから自分の指紋をつけますよ。
　犯人は、外側のノブをふき取れなかったんです。慌ててたんですね。」

さらに中指を立て、マスターは『２』を示す。

「次に、トイレの指紋。普通に使用したのなら指紋を消す必要はありません。
　つまり用を足すために入ったわけではないということです。」
「すると？」
「犯人は、用を足す以外にトイレに入る必要があったということですよ。」

「私の考えた真相はこうです。
　被害者の説得に失敗した犯人は、あきらめきれず再訪して
　誤って被害者を刺殺してしまう。
　その後、遺書に思い当たって室内を物色。それを発見する。
　そのあとで自分のつけてしまった指紋をふき取ります。
　玄関の内側のノブをふき取った後、思わぬ事態に遭遇する。」
「あ…チャイム？」
「そう、セールスマン氏が被害者宅を訪ねてきたんです。
　慌てた犯人は、目の前にあるトイレに逃げ込む。
　幸い、発見者は部屋には上がらず、すぐに交番へ向かった。
　交番は…本当にすぐそばにあるのでしょう。
　セールスマンが去った後、
　犯人は玄関のドアノブをふき取る暇がなかったんです。」
「すると、午後１０時にアリバイのない者…次男が犯人というわけか。」
「そう、可能性の一番高い人物は、次男ということになりますね。」

時計の針は、午後１１時を指そうとしている。
もう２時間もここにいるわけだ。そろそろ帰るとするか。

「助かったよ。ありがとう。ご馳走さま。」

次男か…。とりあえず、奴の行動の裏づけを取るのが
事件解決への早道かな…。
=======================================================================

まさか、いきなり正解が出るとは思いませんでした。
ともたさん大正解です！

作者としては、かなり難しいと思ったんですがねぇ…
また、精進してまいります。ｍ（＿＿）ｍ


→Yukoさん
ポイントは、トイレのドアノブではなくて便器の方だったんです。
ノブは、内側も外側もふき取られていました。ｄ（＾＿＾　）

→タルトさん
指紋をつけないように室内を物色するよりは
あとでふき取った方が能率的だと、私は考えます。ｄ（＾＿＾　）
なので、ふき取る行為は自然だと思いますがいかがでしょう？

→Q.E.Dさん
いきなり終わってしまいました。（＾＿＾；）
次はもうちょっと長持ちするものを考えますので、
本格的推理は次回まで持ち越しをお願いします。

→むたさん
『再訪』を考えると、誰でも殺害が可能なのです。
なので、遺体発見時にアリバイがない人物が犯人というのが
この問題のポイントなのでした。ｄ（＾＿＾　）


とにかく、ともたさんお見事でした。
脱帽です。恐れ入りました。ｍ（＿＿）ｍ


ご、ごめんなさい。
レスを書いている間にどらさんの解答編が
アップされていました…。

ともたさんお見事でした。
どらさん、第三弾お待ちしてます〜。

いちおう済。

こんばんは。
完全に違ってました(笑) 私は次のように推理しました。破綻してますが…。

まず疑問に思ったのは、被害者が夜の１０時にセールスマンと面会の
約束をしていたという点です。通常、高齢で女性の一人暮らしの被害者
が夜にセールスマンを呼びつけるのは不自然です。用事があるのなら
昼間に呼べば良いのですから。（それに一般的に老人は早寝、早起きですし）
つまり、被害者はその日、１０時にセールスマンに自宅を訪問してほしい
理由があったのではないでしょうか。そこで、現場を発見してもらうために
セールスマンを呼びつけたと考えました。
被害者は友人もおらず近所との付き合いはないため、もしその日に殺された
としても、発見されるのはいつになるかわかりません。発見が遅れると
死亡推定時刻や容疑者のアリバイなどがあいまいになってしまうおそれが
あります。そのために必要だったのがセールスマンの存在です。被害者の
死後すぐ訪れた第一発見者のお陰で、その日訪問した３人の息子らが容疑者
となります。
つまり、犯人は３人の息子を容疑者に仕立てあげようとした人物。被害者自身
となります。他殺でなく自殺だったのです。もちろん、他殺に見せるため
偽装工作をしなくてはなりません。ナイフで自らの胸を突くとなると、自分の
指紋が残ります。となると自殺と判断されることが考えられます。ナイフに息
子らの指紋を付着できない以上、袖などを伸ばすなどしてナイフに自らの指紋
がつかないように胸を刺したのでしょう。ところがナイフのみ指紋が拭き取ら
れていて、他の部分に指紋がベタベタ残っているのはあやしすぎます。その為、
室内の指紋を拭き取る必要がありました。また部屋の付いてもいない指紋を拭
き取ることで、室内を物色されたとイメージづけることもできます。
このときトイレのノブまで拭き取ってあったのに便器が手付かずであった理由
は次のように無理やり考えました。通常男性は用を足すとき便座をあげます。
よってノブが拭き取ってある以上、便座も拭き取るはずです。つまり犯人は
便座に指紋がつくはずないと勘違いしている人物、女性である老婆と考えました。
老婆は、息子らの自分勝手な行為に腹を立てて死ぬ前に、一泡吹かせてやろう
と考えたのです。息子らを容疑者に仕立てあげることで、遺産どころではなくし
てしまおうと仕組んだのです。もちろん、老婆は息子らに反省させようとする
趣旨でとった行為なので、何週間後かに真相を語った手紙を警察に届くように
してあったと思います。
息子らは皆アリバイはないため、無視してしまいました。

かなり変な方向に想像してしまいました。
でも、面白かったです。
またお願いします。

※　問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。