女性探偵・九連宝灯(第1回)
天井勇親 (2003/07/19(Sat) 14:08:56)
陽炎揺らめく真夏の盛り
女性が一人、人通りのあまり無い住宅街の真ン中で倒れていた。
名前は大橋菊江。既に脈は無かった。
偶然にも通りかかった一本橋警部は仲間に連絡すると、
あたりで聞き込みを始めた。
菊江の父、友靖は大橋コンツェルンの会長、相当強引な経営者として有名だった。
大橋家に対して恨みを持つものは少なくなかった。
やがて捜査線上に浮上したのが、その昔友靖と共に会社を作り上げながら、欲が出た彼に裏切られ職を失ったと言う松尾。
そして菊江に結婚を迫るも断られ、以来怪しげな研究に没頭するようになった化学者、山形。
松尾は事件当日バットを持って歩いているところを付近の住民数名に目撃されている。本人は草野球の試合があったのだと言い張るが。山形はというと菊江はもう諦めた、今は化学者としてまじめに研究していると言い張るばかり。
「証言の裏は取れたか?」一本橋は部下の通天閣に聞いた。「ああ、そのことなんですが・・松尾の言うとおり試合があるか聞きまわったンですが、あの日、草野球は中止で、やってなかったみたいなんです」
「ほう、では証言は嘘だったと考えられるかな」
「いや、それが・・・」少し困ったような顔をして通天閣は、
「鑑識のコウさんによると、後頭部にはバットで殴ったような外傷は無かったみたいなんです」と続けた。
「後頭部に・・おい、前の方にも傷はなかったのか?」
「いえ、額には出血があったンですが、それも倒れたときについた傷のようで・・地面に大きさのあう血痕がありました」
「・・・・山形の方は?毒物は出てきたのか?」
「それは・・今調べています。でも、死体を見たとき青酸カリ等のにおいはありませんでしたが・・」
「でも外傷は無いンだろう?」
「はい、額を除いて」
「額を除いて?体にも無いのか?」
「はい・・一切、傷が無かったンです」
「じゃあ・・やはり毒殺か」
そういいかけたその時、扉が大きな音を立てて開くと高らかに笑い声が響いた。
「うわはははッ!一本橋警部ともあらうものが、どうしたミスリードかしら?」
容姿に似合わぬ豪快な笑い声で、全身を真っ白なプレスリー衣装で包んだ我らが九連探偵が現れたのだった。
「ちゅ、九連クン、何事だね」
「この事件の全貌がわかったのでお節介にも報告に参りましたの」
「何!まて、ミスリードと言ったな、どういうことだ、2人は容疑者から外れるのか」
「さあ、それはご自分で考えなさることですわ、でも一言言うなら、自殺ではありえない、ということかしら」
さて、この事件どういうことなのだろう。
ちなみに第2回の予定は一切ありません。
黒ラベル (2003/07/19(Sat) 14:20:05)
色々考えられますが
事故死説、「陽炎揺らめく真夏の盛り」というくらいですから、炎天下に貧血起こして倒れて、頭を打って死んだのかもしれないですね。
KIU (2003/07/19(Sat) 14:34:44)
ミスリードというくらいですから、誰かが意図的にリードしていると思うのですが、違いますか?
けど、黒ラベルさんの意見を支持します。
天井勇親 (2003/07/19(Sat) 17:59:02)
黒ラベル様さっさと正解です!
まともに推理ものを作ろうとしても、本格的なものが思いつくほどの脳みそを持っていないわけで、こういう抜けた問題になりました(泣)。
もりやん (2003/07/21(Mon) 16:39:57)
普通検死するからわかるだろw
真白 (2003/07/23(Wed) 10:13:18)
済でしょう?
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