インチキをあばけ!
ミドー (2003/11/22(Sat) 21:29:35)
?@「博士のマジック」
私立探偵御堂清の事務所へある研究所の博士が訪ねてきた。
「お忙しい中、すみません。私、こういうものでございます」
彼の出した名刺にはこう書かれていた。
「日本超常現象研究所 博士博士 博士 」
「ハカセハカセハカセ?」
「『はくしひろしはかせ』です。よろしいですか?」
そう言うと彼は着ていた黒い背広のポケットの中から一本の黒い毛糸を取り出した。
「では、先生にテストです。これから私がこの毛糸を空中浮遊で浮かせて見せます」
彼はその毛糸の両端をつかむと、縦にビンと伸ばした。「ハッ!」と声を出し、上の方の手をはなすと、見事に毛糸は棒のように立っていた。
「簡単なトリックじゃないですか、こんなもの」
彼はいとも簡単に空中浮遊のトリックを見破った。
「いやはや、おみそれしました。本当の用件はこれからです。実は先生、我々の研究している超常現象の常識を揺るがすような超能力者が現れたのです。彼の名は雪村智。瀬戸内海の消影島という所にアカデミーをつくり、そこで暮らしているのです。あなたには彼と対決してもらいたい。これは超常現象界の大発見になるかもしれません。彼の力が本物ならの話ですが」
「おもしろい、ぜひ、そんなインチキ超能力者と対決してみたいものですね」
「そうですか、それは良かった。しかし、彼を甘く見ないほうが良いですよ」
博士は急に怖い顔になって言った。
「彼はありとあらゆる物を自由自在に消す力があるのです」
博士の空中浮遊のトリックは何でしょう。(次回続きで〜ス)
tak (2003/11/22(Sat) 22:55:24)
毛糸に針金を入れていた?
zeri (2003/11/22(Sat) 23:15:05)
毛糸をワックスで固めた?
YAMATO (2003/11/23(Sun) 08:41:06)
静電気。
ミドー (2003/11/23(Sun) 16:33:52)
皆さん、少し考えすぎのようです。単純なトリックなんですが・・。
?A「消失現象」
瀬戸内海にある消影島。この島の町外れにある断崖絶壁の上に雪村アカデミーはあった。この窓が少なく、7、8階はあるような高いビルディングの中から二人の男が出てきた。一人は黒いマントを着た男、もう一人は赤いスーツに腕に金の時計をはめ、おかしな仮面をかぶった男だった。黒マントの男が御堂に話しかけた。
「これはこれは御堂さん。はじめまして、私が雪村智です。こちらは助手の田中君です。」
「どうして私が御堂だとわかったのですか?」
「博士博士からお話をうかがいましてね。こちらへどうぞ」
彼らはビルの中に入っていった。
「この地形の関係で窓が少なくなってしまいまして」田中が解説する。
たしかに、窓が少ないばかりか、海に面する断崖絶壁の方には窓が一つも無い。
「こちらへどうぞ」
御堂は一室の部屋に案内された。中には学校にあるような教卓、その前にはたくさんの信者達が群がっていて、その誰もが奇妙な仮面をつけている。雪村は教卓に立つと、一つの小さな黒い箱を取り出した。
「これから皆さんに消失現象を御覧に入れましょう。御堂さん、この箱の中を調べてみてください」
御堂は箱を受け取り、中を丹念に調べる。二重になっていたり、どこかが開くような仕掛けは無い。ごく普通の箱だ。黒い箱を雪村に返した。
「では、御堂さんの時計を貸してください」
御堂ははめていた腕時計を雪村に渡す。雪村は腕時計を箱の中に入れる。時計が中にはいっていることを確認させると、蓋をして、箱を回転させながらブツブツ何かを唱えた。そして蓋を開け、中を皆に見せた。中にはいっていた腕時計は見事に消えていた。
「おおーっ」と信者の中から声があがる。雪村は今の手順をもう一度繰り返し、中を見せた。箱の中には消えたはずの時計があった。雪村は時計を御堂に返すと、箱をしまい、ニッコリと微笑んだ。御堂は自分の時計を見て、付いていた方位磁針が狂っているのを見ると、トリックだと確信した。
「これはトリックです!」
御堂が見事に謎解きすると、雪村は言った。
「ほう、私の力を疑ってらっしゃるのですか。では、とっておきの力をお見せしましょう」
雪村はウッスラ笑って言った。
「次は銃弾を消して見せましょう」
消失現象のトリックは何でしょう。続きます。
oil (2003/11/23(Sun) 18:01:10)
1.箱のふたに強めの磁石を内蔵しておく
2.時計を入れてふたをすると時計はふたにくっつく
3.ふたをとると当然時計はふたにくっついて、箱の中は空っぽ
4.うまいこと箱と中身をひっくり返せば時計は箱の中に戻ってきたように見える
shu (2003/11/24(Mon) 23:35:25)
?@は単純に見えずらいピアノ線のような細い糸を使ったんじゃないでしょうか。
?Aは、磁石だとは思いますが、くっつく状況とくっつかない状況を切り替えられるという点から考えると、磁石は箱の中よりも雪村の手の中にあった方が納得がいきます。
電磁石が箱に入っているという可能性もありますけど、仕掛けがないと言ってるのだから(ばれやすそうだし)、ないと思います。
ミドー (2003/11/25(Tue) 12:04:23)
shuさん、?@の問題は正解です〜。本当は毛糸に髪の毛をくっつけて引っ張っていただけなのですが。(黒い背広に見えづらい黒い毛糸にさらに見えづらい黒い髪の毛をくくりつけておけば、見えなさ倍増)
?Aの問題は、磁石を使った点は正解ですが、それがメイントリックではありません。磁石はあくまで、「箱を調べられた時にメイントリックを隠すもの」です。メインはよくある消失現象のトリックです。
nak (2003/11/25(Tue) 21:29:51)
↓↓
┌──┐ /が鏡
│ /│ ○が時計
│/○│ で、↓がみんなから見ている方向
└──┘ これ、断面図
ってことで、磁石は鏡の裏面にあり、
┌──┐
│ || このように磁石によって貼り付けられていた
│ ||
└──┘
ミドー (2003/11/27(Thu) 18:51:45)
nakさん、正解で〜ス。完璧でした。では、続きを。
?B「消える銃弾」
「銃弾を消す?」
「そうですよ、何か?」
御堂の放った言葉に雪村はアッサリ答えた。
「今、2時を回ったところです」田中が言う。
「ほう、では、第三の消失を速くお見せするためにさっさと第二の消失をお目に掛けましょう。田中、その前に煙草」田中がささっと煙草に火をつけた。
御堂はあるプレハブ小屋に案内された。横に長い長方形のプレハブ小屋をとても人では登れないような高い塀が囲っている。そのプレハブ小屋の長方形の丁度右横の一辺に入り口があった。高い塀にドアがついており、そのドアを通ると小屋の入り口がある。中に入ると、右側は何もない壁、左側は一面に窓がついており、庭が見える様になっている。その一面の窓の脇に庭に出るドアがついている。
「まず、御堂さんには窓の鍵を調べてもらいましょう」
御堂は左側にある窓を一つ一つチェックしていく。全てに鍵が掛かっている。
「次にこの塀の中に誰も潜んでいないことを調べてもらいましょう」
御堂は庭へ続く窓の横のドアを開く。庭はプレハブの窓の方向にあり、庭というには少々殺風景だ。向かい側の塀には鉄格子がはまっており、牢屋を思わせる。
「広いな〜、でも何もないからひとが隠れるのは不可能か」
「それはそうです」後ろから田中が話しかけてくる。
窓の一つが開き、雪村が顔を出す。
「どうです、誰もいないでしょう。そろそろ戻ってください」
御堂が部屋に戻ると、雪村は開けていた窓を閉め、鍵を掛けた。
「では、庭へ通じる窓に鍵を掛けてください。その鍵は外側からは開けられません」御堂は鍵を掛けると、部屋の中を見回した。窓は閉まっているし、外には誰もいない。庭への鍵は掛けた。壁に細工した跡はない。
一同はプレハブ小屋のドアと塀のドアに鍵を掛け、窓の向かい側、つまり鉄格子の所に回った。鉄格子からは閉められた窓が見える。
「どうぞ」田中が猟銃を御堂に渡す。「弾を確認せよ」との合図らしい。御堂は弾を確認するが、どれも実弾だ。これで撃ったら確実に窓は割れる。
「では、私がこの猟銃の弾を一瞬だけ消して、あの部屋の中に弾丸を撃ち込みましょう」と、雪村は御堂から渡された猟銃を鉄格子の間からさしこみ、引き金を引いた。ズガーンと音がするが、窓ガラスが割れた音はしない。鉄格子からのぞいてみると、窓ガラスは割れずに閉まっていた。
プレハブ小屋に戻ると、壁には銃弾が打ち込まれていた。
「そんなバカな・・・」
「フフフ、私の力は本物ですよ。ええと時計は・・今、三時ごろですね。では、第三の消失をお見せしましょう」小屋にあった時計を見ると、雪村は言った。
その時、御堂が叫んだ。
「待ってください、これはトリックだ!!!」
銃弾消失のトリックとは? 解決編につづく
ミドー (2003/11/29(Sat) 20:47:49)
?C「最後の消失」
御堂が謎解きをしたが、雪村は全く動じず、逆にこう言い返してきた。
「まだ疑ってらっしゃるのですか?しかし、第三の消失を見れば私の力が本物であることが分かっていただけるでしょう」
雪村がそう言うと、プレハブの外に黒い高級車が一台止まった。
「どうぞ」
御堂が車に乗り込むと、車はアカデミーを出発した。
数キロ走ったところで、車は止まった。御堂が車から降りてみると、そこは小高い丘の上で、目の前には大きな塔が建っている。
「この塔は我々が特別に建てたものです。あそこにアカデミーが見えるでしょう」
さすがは高いアカデミーのビル、周りにある他の丘にも負けず、ヒョッコリと顔をだしている。車で走っているときも見えていた。
「では、こちらへどうぞ」
一同は塔の中へ入っていった。塔と言っても中はガラガラで、らせん状の階段が一本、上にのびている。一同は階段を登って行った。しばらく登ると、ドアがあり、開けると中は広い部屋になっていた。
「さぁ、こちらへどうぞ」
雪村は一つ、ポツンとある木製の窓の前に御堂を案内し、窓を開けた。空には青空が広がり、丁度真ん中にアカデミーのビルが見える。
「あのアカデミーのビルを消して見せますよ」雪村が言う。
「やってもらおうじゃないですか」御堂も挑戦的に言う。
雪村は窓を一端閉め、なにやらブツブツと唱え始めた。そして、窓を開ける。見事にアカデミーは消え、代わりに青い空が広がっていた。
「バカな!あんな巨大なものがどうやって!」
御堂は窓に駆け寄り、外をのぞくが、見事に消えている。よくある、自分達が居る場所の角度を変えて見えなくするトリックは使えない。なぜなら、この塔はらせん階段という複雑な造りになっているからだ。御堂は走って塔の外にでる。
「あれ?」
御堂は違和感を感じる。この塔は丘の上にあるはずなのに、アカデミーに居た時よりも周りの丘が高く感じるのだ。
「そうか、アカデミーはここよりも高い丘の上にあったんだ・・・ということはアカデミーはここよりも高い位置にあることに・・・」
その時、御堂はひらめいた。雪村のような財力のある者にしかできない大胆なトリックを。
「これはトリックだ!!!!!!」
建造物消失のトリックは?
Σ (2003/11/29(Sat) 21:08:41)
?Cは、館自体がエンジン仕掛けで動く仕掛けになっていた。そしてちょっとほかの場所へと移動する・・・・(だめですか?
飛鳥 (2003/12/04(Thu) 16:42:38)
4はでっか〜〜〜〜〜い鏡を利用したとか。
最初に鏡に映ったアカデミーを見せる。
そして合図(ブツブツ言ってる)を出して、
関係者(協力者?)が鏡を動かす。
・・・・ダメ?(ぉい
もしくは映像ですね。
お金があるんだったら
超鮮明画像もできるはずですし。
・・・・ダメですよね(ぉい
ミドー (2003/12/04(Thu) 18:09:23)
飛鳥さんと?狽ウん、けっこういい線いってます!
あとは、?A、?Cを読み返せば、解けると思います。
(?Bもよろしく〜)
ミドー (2003/12/04(Thu) 18:51:53)
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| |出口(鍵) プレハブ |= =
| | |入口(鍵)
| | |= =
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| 窓 側 |
| |高い塀
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| 庭 |
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鉄格子
一応、?Bの見取り図を描いて置きました。ヒントは「時計」です。
ミドー (2003/12/04(Thu) 19:05:49)
すいません!ずれました!ミスった!
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。