他人は説得できるか?
ロッキー (2003/04/17(Thu) 03:06:17)
これは、ある雑誌の連載から取り上げたものです。
盗作というつもりではなく、この話題について皆さんなりの意見を教えてください。
(ここもURL化されて著作権侵害になるようだったら言ってくれれば削除します)
【説得の技術】
他人を説得することは可能なのだろうか。
イラク戦争に至る過程でも、イラクに即時全面武装解除を説得することに失敗し、
国連安保理では対立する二つの陣営が互いに説得することに失敗し、
彼の家ではパソコンを買い換えるよう奥さんを説得することに失敗した。
人類が説得の技術をもっていれば、ほとんどの紛争は起こらずにすんだ。
ところが現状では説得というものがありうるのかさえ疑わしくなる。
決定とはほぼ多数決、時間切れ、緊急事態、ツルの一声などによるもので、
意見の食い違う人を説得したわけではない。
ただし可能な場合もある。
「バッグを買う」という相手を「もう1つ買うべきだ」と説得することはできる。
(相手に有利な方に提案するのだから説得できるのは当然と思うかもしれないが、
「百個買うべきだ」といったら納得してもらえまい。万一の場合もあるが)
しかし彼はひとつの説得法を確立しつつある。
『説得できないのは、自分の意見を無条件に認めさせようとするからではないか』
例:?@夫婦の買い物
「お前(奥さん)はコートなりバッグなり買いなさい。
その代わりわたしはソックスを買わせてもらう」
?Aシルバーシートの譲り合い
・シルバーシートに座っている若者に、「ちょっとその席を譲ってくれないか」
と説得しつつ一万円札を差し出し同時に胸元から刺青の一部を除かせ、
さらに懐刀を持っていることを知らせれば、効果的。
・または右手にお菓子(オモチャ)、左手に合気道教本でも成功経験あり。
しかしこのアメとムチによる方法も万能ではなく、
奥さんに「近くのリモコンを取ってくれたら十円与えよう」と説得したが完全無視。
では「一億円与えよう」との再提案も「寝ぼけるな」の一喝。
そのとき包丁を持っていたとしても結果は同じだっただろうと言う。
リモコンを取ってくるのは犬でもやれることだ。
一億円の金と刃物を両方使ってもそんな簡単な事を説得できない。
アメもムチも使わず、純粋に理屈だけで説得するのは、奇跡に近いほど困難だ。疑うなら、
?@わたしはキリストの生まれ変わりだ
?A地球は平らだ
などと他人を説得してみればいい。
(こんなバカげた主張は信じてもらえるはずがないと思う人がいるかもしれないが、
「自分は神の子だ」と主張したキリストを現在でも何億人という人が信じているし、
ちょっと前までは人類のほとんどが地球は平らだと信じていたのだ)
人間といのはほぼ似通った考え方をするものだ。理屈が通じないはずがない。
火星人やタラバガニを説得するわけではないのだ。
なぜ説得できないのだろうか。(つづく)
ーー−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
という話ですが、要約できずほとんど引用になってしまいました。
お詫びとしてここまで読んでくださった方へこの筆者を明かします。
土屋健二。「我笑う、ゆえに我あり」などの著者。哲学者なんですね(笑)
みなさんは「説得」についてどう思われますか?
例をあげてくださるとより分かりやすいです。
まる王子 (2003/04/17(Thu) 09:38:24)
説得の技術がいちばん有効に使われている場面のひとつは「口説く」ときだと考えます。
とにかく相手に「イエス」と言ってもらえれば『成功』とすると・・・
「オレと付き合ってくれ」←「ノー」の場合がほとんどですね。
最近よく使われる言葉で「ムリ」というのがある。
コレを発せられるとどんなことを説得しても「無理」だと思ってしまいがちだが、実はそうではない場合もある。
文化レベルがほぼ均一な日本人の場合、「ムリ」と言い続けるのは体力がいることだと言われていますし、そう思います。
前置きが長くなりましたが、「Aはムリでしょ?Bもムリでしょ?・・・」と繰り返し、「Zならいいよね?じゃあYもいいよね?だからXいいじゃん!」と最終目的であるXなるものの「ムリじゃない≒イエス」を得ることができると思うのです。
ここで、問題なのはXは完全なる最終目的ではなく、最終目的を達成できそうな説得する側の『妥協最終目的』であることが多いということです。
要するにいかにお互いの妥協ポイントを最終目的に近づけるか?!が大事なわけです。
まあ、これが信じるモノ『宗教』や文化・言葉などが異なる国際間ではどんな事柄でも、非常に「ムリ」に近くなると思うんですよね。
SQ (2003/04/17(Thu) 14:27:35)
説得には相手の価値観を把握することが必要だと思います
相手の価値観と自分の主張
これが完全な平行線ならば、相手の価値観が変わるか自分が妥協するかしかありません
しかし、価値観が大きく変わるということが滅多にあるわけもなく
結局は自分が妥協するしかないでしょう
この場合、説得という穏和な手段では非常に困難です
脅迫、錯覚を利用するしかありません
しかし、「そこまでして…」と思うなら説得は諦めるべきです
相手の価値観を把握できた時点で止めた方が無難でしょう
つまり相手の価値観と真っ向からぶつかる主張を飲ませるには
詐欺的な要素がなければならないというのが私の考えです
実は説得という行為は毎日のように行われています
店でなにか買ったとき、これは商品のメーカーもしくはその店に説得されたわけです
言葉ではなく値段、パッケージ、CMなどでですね
これらの損得を主軸においた説得目標を達成するのは
相手の価値観を曲げさせるよりも容易です
そしてだいたいの説得の根幹は損得です
スナック菓子1袋100円のところ3袋で220円
これなら買う人もいるでしょう
しかし、200袋15000円
これを買う人は滅多にいないはずです
何故か?
スナック菓子は200袋も要らない食べない置き場もない(私の家にはないです…)
つまり無駄→無駄な物を買うのは損→じゃあ買わない
となるからです
ここで重要なのも相手の価値観です
どこからが無駄になるのか?
どんなものを得と感じるのか?
どこまでなら食いついてくるか?
これは相手の価値観をもって判断すべきです
人によっては「本に1万だすのはいいが、家具に1万だすのは損だ」
という人もいるでしょうし、当然逆もいます
私が小さい頃大金を出して集めたカードダスも、思い出を差し引けば今やただの資源ゴミです
つまりそれらを見極めることでより多くの利益を得られる妥協点で説得できるわけです
結局説得者は相手の損したぶんだけ得をする
相手は自分が得をする(もしくは許容できない程損をしない)と思うところまでなら妥協するわけですから
説得の際よく使われる方法の一つにマインドセットというのを聞きます
いきなり核心に触れるのではなく、まず相手がイエスとしか答えられない質問をします
「今日はいい天気ですね?」
「健康というのはとてもいいことですね?」
などです
これで相手の頭の中にイエスをマインドセットできるらしいです
これほど単純ではないかもしれませんが
おおよそこんな感じだったと思います
最後に以下は本からの知識です
説得とは
聞き手が何かをすることを、聞き手の自由意志で納得させたり
考えを変えさせたりしようとする試み
プロパガンダとは
聞き手に考えさせずに、自分の考えを聞き手に受け入れさせようとする試み
だそうです
説得とは詐欺的な要素を省いたものを指すみたいですね
だから前に述べたマインドセットなどの技術は説得じゃないですね
日常で行われる説得のほとんどもプロパガンダにあたる気がします
商品を選ぶときもプロパガンダには気をつけましょう!
土屋健二さんの文章にいろいろ反論したいこともありますが
それはまた機会があったらということで
言葉が足りない部分が多々ありましたが
長いことありがとうございました
BBQ (2003/04/17(Thu) 17:14:04)
状況によっては説得できる場合もあると思いますよ。
100%不可能だったら宗教勧誘なんか存在しませんから。
(けど個人的には存在しない方が・・・いや、何でもないです(汗))
でも一般的に説得は難しいことですね。
妥協案が一番簡単な説得方法でしょうか。
他の方法では、子供のうちから教え込むのが手っ取り早いと思います。
自分の住所も知らないような小学校低学年の子供でも、
地球が丸いという事ぐらいは実感しなくても知っていますからね。
もっともこれを説得と言うかどうかは分かりませんが。
三相交流 (2003/04/17(Thu) 23:07:48)
説得するには相手のバックグラウンドを理解する事が必要かな。
どの程度の知識をもち、どのような文化的背景を持っているのか。
それがわかれば説得は容易であると思います。
日本でよく売れた幼児用の玩具を欧米に向けて出荷した時の話ですが、
日本向けのままのカラーリングで出荷した所、全く売れなかったそうです。
所が、色を日本では絶対に使わない色にしたところ、
よく売れるようになったとか。
日本ではHなイメージのある、あの色です。なんでも、むこうでは肌の色とか。
おまけですが、サッカーのグラウンドを見て、
数学者 「これは曲面だ。なぜなら、地球は球だから」
物理学者「これは重力に対して垂直な方向の面だ」
工学者 「間違いなく、平面だ」
一つの事象に対し、バックグラウンドが変われば対応も変わる、という例でした。
ロッキー (2003/04/18(Fri) 13:42:25)
多くの方のお返事ありがとうございます。
じっくり拝見させていただいたところ、状況は違うにせよ、
まる王子さんSQさんBBQさんの考えは大雑把に解釈すると「説得⇒妥協」、
つまり説得は不可能ではないかもしれないが難しく、
妥協する方が安易である(極言するとその方が望ましい)ということと思いました。
それに対し三相交流さんは説得可能派。
「国家間でも文化背景が違うならそれに合わせれば可能」ということでしょうか。
(提示されたサッカーグラウンドの例は非常に分かりやすいものでした)
自分は説得とは交渉の一部ではないかと考えます。
発言した相手の立場、自分と相手の置かれている状況、双方の気分、決まり、有利性、
そう言ったものを鑑みて普段行動しているように思われます。
「犬の散歩に行ってくれないか」と説得された場合。
自分が暇なら説得されなくても自ら進んで行く事もありますが、
決まりでは自分は役割ではないので、よほど気分が良くない限り断りたいと思います。
しかし恩を売れる場合、何かの口実に使える場合、行きます。
それから発言したのが仕事から疲れきって帰ってきている父親だった場合。
「他の人がやらないなら自分が」という性分の父親なので僕が行く他ありません。
昔は父も元気だったので命令で行かされただろうと思いますが、
もう怒る力は残っていないようなので怖いから行くわけではありませんが。
このような見方も出来ますが、もうレスがなければ済にします。
それからSQさん、
>土屋健二さんの文章にいろいろ反論したいこともありますが
>それはまた機会があったらということで
そんなスレを立てるわけにはいかないので、ここで反論してはどうでしょう(笑)
もともと変わった気性の人で、あれだけの発想をして執筆していながら、
「私が人格者であると説得しても誰も認めてくれないのだ」
と言っています。お茶の水女子大学の教授ですが、敬遠されているそうです。
ロッキー (2003/04/18(Fri) 21:57:03)
ではみなさま様々な見解をありがとうございました。済。
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