サム・ロイドのパズル8
S.angel (2004/05/22(Sat) 21:49:25)
この問題は簡略して書くとしょぼいかんじなので、本文のまま書きます。長いです。
【ルイスキャロルのサルのパズル】
この風変わりな力学の問題は簡単なように見えるが、ルイスキャロルもこれにはかなり苦労したようである。オックスフォード大学の数学教授であり、かの有名な「不思議の国のアリス」著者であるキャロル自信がこの問題を創作したのかどうか、はつまびらかではないが、ともかく彼は窮したあげくに読者の助けを求めている。
摩擦の全然ない滑車につるした一本の綱の片方に10ポンドの分銅が下がり、綱の他方の端に1匹のサルがぶら下がっていて、両者がちょうどつり合っているとしよう。ここでサルが綱をよじ登ろうとした場合、分銅はどうなるだろうか。
キャロルは次のように述べている。「すこぶる不思議なことに、有能な数学者の間で意見が分かれている。プライスが、分銅は速度を早めながら上がるというかと思えば、クリプトン(ハーコートもそうだが)は、サルと同じ速度で分銅も上がるという。反対にサンプソンは、分銅は下がるといっている!」ある著名な機械技師はこういっている。「それは1匹のはえが綱をはいのぼるほどの影響も与えはしない」と。ところがある科学者は次のように主張している。「分銅は、サルがリンゴを食べる速度に反比例して上がり下がりする。ただしその速度からサルのしっぽの平方根を引かなければならない」と。まじめな話、この問題は真剣に考える価値のあるりっぱな問題であり、パズルが力学の問題とも親密な関係を持っていることを証明することを立証するものである。
BBQ (2004/05/22(Sat) 22:16:44)
分銅もサルと同じ速度で上がり始めると思います。
star (2004/05/22(Sat) 23:18:31)
「変化なし」じゃないでしょうか。
STF (2004/05/23(Sun) 01:32:21)
サル次第ではないでしょうか・・・
問題の趣旨が見えてない人 (。≧▽≦ノ
A.綱の上方をゆっくり掴んだ場合、重心が上方に移るので分銅は下がるのかな。
B.綱の上方を素早く登ろうとした場合、引っ張る力が働いて、分銅は上がるのかな。
C.上記AとBを組み合わせると、シーソーみたいになるのかな。
(綱の上方を掴む(分銅下がる)->サルが引っ張る{分銅が(手より上に)あがる}->繰り返し)
D.綱が長ければ長いほど、項目Cのシーソーが緩やかになって、さほど変化が無いようにみえるのかな。
E.サルのしっぽの平方根・・・しっぽの長さの平方根かなぁ・・・
あけ助 (2004/05/23(Sun) 02:01:46)
感覚的にはBBQさんと同じく
「同じ速度であがる」
だと思います(^-^)
系として閉じてると思うので。
実際にやってみたい問題ですね。
湯歌 (2004/05/23(Sun) 12:28:32)
参加させていただきます (。。)⌒
> 摩擦の全然ない滑車に
と言う条件があるので
「分銅はどんどん上がってサルもろとも落ちてしまう」
と思います・・・。
理由:サルが上に登ったとき、分銅はバランスを保つために上に上がり、サルの方は下がるわけですが
このときにわずかに慣性がかかるため、ちょうどバランスの取れる場所(釣り合いの中心)よりも
わずかに行き過ぎることになります。そうなるとサルの側の重さは行き過ぎたロープの長さ分だけ
重くなるわけで、そのまま滑っていってしまうことになると思います。
ただし、ふつうに滑車の摩擦があれば止まるので、バランスは保たれると思いますが・・・。
natsu (2004/05/24(Mon) 00:48:08)
単純に考えると、同じ速度で猿が上って行った場合には、反対側には影響しないと思います。
天井から、重さ1ポンドのロープをぶら下げて、それを体重10ポンドのさるが上って行った場合を考えてみれば簡単で、猿がどの位置にいても、天井には11ポンドかかります。
滑車の場合も左側におもり(10ポンド)とロープの半分(0.5ポンド)、右側に猿(10ポンド)とロープの半分(0.5ポンド)が釣り合っているとします。
猿が動いて、おもりが上がるとするなら、滑車の左側には10ポンド+ロープの半分より短いもの、右側には10ポンド+ロープの半分より長いものとなり、釣り合いが取れなくなります。
ただし、加速度がついている場合は別で、たとえば、猿があるところから手を離して落ちて行った場合には、その間には、ロープには猿の体重はかからないので、おもりの方に一気に引っ張られ、ロープがピンと張ったところで、一気に猿側に引っ張られることになります。最後には、もとにもどります。逆に、どんどん、加速をつけて上がって行けば(こんな猿はいないと思うけど)、猿側に引っ張られるのでおもりは上がって行きますね。猿が疲れたときには、おもりはまたもとの位置にもどりますけど。
摩擦のあるなしは、どういう影響があるんでしょうね。知りたいです。
S.angel (2004/05/24(Mon) 21:30:15)
この問題の最後には、「問題を単純化するために、綱も滑車も重さと摩擦はないものとするー編者」と書いてありました。この編集者の付け足したことの、重さの点はいいのですが、綱の摩擦がなければサルがつかまることすらできないのでこの編集者の間違った付け足しは省いておきました。それはいいとして、BBQさんあけ助さん正解です。
答えもそのままのせます。
サムロイドはこの有名な問題に間違った解答を与えている。すなわちサルが綱をよじ登ると、サルは速度をやめながら下がってゆく、と。次が正しい解答である。サルがどんな風に綱をよじ登ろうがーいそいででも、ゆっくりでも、それでも跳ねながらもーそんなことはいっさい関係なく、サルと分銅は常につり合った状態にとどまる。サルがいったん綱から手を放して落ちかかっても、すぐまた綱をつかめば、分銅は依然元のまま上がりも下がりもしない。
この問題についてルイスキャロルが述べているのは、彼の『日記』(Diary)第2巻505ページであるが、この問題については、S.D.コリングウッド著『ルイスキャロルの生涯と作品』(S.D. Collingwood,The Life and Letters of Lewis Carroll)317ページ、シドニー・ウィリアムズ、ファルコナー・メーダン共著『C.L.ドッジソン師の作品案内』(Sidney Williams and Falconer Madan A Handbook of the Liteare of the Reverend C.L. Dodgson)【C.L.ドッジソンはルイスキャロルの本名】XVIIページ及びS.D.コリングウッド著『ルイスキャロルの絵本』(The Lewis Carroll Picthre
Book)267ページでも論じられている。最後にあげた参考書は、分銅は静止したままであるという見解に対するある英国牧師の弁護論を紹介している。この問題の充分な分析については『サイエンティフィック・アメリカン』誌1956年を6月号19ページ所収、A.G.サミュルソンの投稿を参考にしてほしい。
と最後の方は説明しなくても越智さんが見たら書き込んでくれそうですけど、まあ一応全部写しました。ちなみにここで紹介しているのはサムロイドのパズル百科1〜3(柏陽社出版、1966年第1版第1刷発行)のなかで、私が解けたもののなかで特にパズルじみたものを載せています。あといろいろ調べたのですが、サムロイド氏の没年が分かりませんでした。彼が一番活躍したのが1910年代ということと、1870〜1890年ぐらいに生まれたということしか分かっていません。著作権やなんかの問題が少し心配です。でもこの本はすでに絶版になっていて、ネットでも品切れになってるので、見たくても見れない方にはいいかなと。
natsu (2004/05/28(Fri) 01:13:58)
この問題、ちょっと気になったので、教えてください。
(1)綱に重さがない場合には、なんとなく解答のとおり、おもりと猿の位置が同じになりそうな気がするのですが。もう少し、わかりやすく教えてもらえませんか。
(どなたかわかる人)
(2)綱に重さがある場合(今回の問題)には、おもりはやっぱり動かない(実際には動くのだけど、時間が経つと元に戻る)と思うんですけど、いかがでしょうか。
純粋に知りたいだけなんで...
natsu (2004/05/28(Fri) 01:30:24)
よく考えたら、綱におもさがある場合は、不安定な釣り合いにあるので、
元に戻ることはないです。(私の考えは、まちがってました)
ということは、湯歌さんの言っているのが、正解みたい。
ただ、綱が軽くて、猿が、自分が落ちて行くのよりも早くどんどん這い上がって行けばおもりも猿も上がって行くようにみえますね。これの究極が、綱に重さがないときの答え。
ということで、いいのでしょうか。
あけ助 (2004/05/28(Fri) 22:36:37)
natsuさんへ,
確かにこの問題は面白いです。
適当かどうかは分かりませんが,
私なりの考えを簡単に述べます(^-^)
まず,本問題は
「全く摩擦のない床の上で2人の人間が
棒を持っている。片方の人が棒を手繰って
いくとどうなるか?」
と同じだと思いました。すると,
人--------人
人----人----
人人--------
のように,手繰ってる人は一人でも
動くのは2人とも同じだけ動く。
出会う地点は二人の中心。
外から力が加わっているわけではないので
どちらかが静止したままだったり,あらぬ方へ動くことはなさそう。
と考え,本問に対し,「どちらも上に上がる」
と回答しました。いかがでしょう(・m・)
おとと (2004/05/29(Sat) 01:42:28)
あけ助さんの説明はすごい分かりやすいですね。
物体が動くのは力がかかるからです。
いま おもりと猿には それぞれに2種類の力がかかります。
(逆に言えばその2種類の力しか かからない)
重力と綱の張力です。
もともと猿とおもりは つりあっていたのだから重力は常に同じです。
問題は張力。もし綱が「理想的な綱」であり、滑車にも摩擦がないならば、
両者にかかる張力は常に一定です。(逆に言えばそれが「理想的な綱」の
定義です。)この場合には、猿とおもりに常に同じ力がかかるので、
力=質量×加速度の方程式に従い、さると錘は同じ加速度、つまり
同じ挙動を示します。
もちろん、理想的な綱は存在しないでしょう。だから現実にどうのこうの
というのは無意味なのです。正しい答が1つに定まるのは常に理想化された
モデルが確定した場合です。その理想化したモデルが問題のルールを定める
わけです。ここでは 綱の張力が両端で常に一定というのがルールに
なるわけですね。
現実には 張力は両端で常に一定ではないでしょう。猿が手を離した瞬間、
猿には張力がかかりませんが、おもりにはごく短い時間、張力が残っています。
極端な場合、綱がゴムひもだったらと思えば想像しやすいでしょうか。
現実の綱はほんのわずかですが 伸び縮みしますから、理想的な綱でなければ
ゴムひもで近似できます。その場合にはどうなるのか、これはかなり難しいでしょう。
natsu (2004/05/29(Sat) 21:41:25)
あけすけさん、おととさんどうもありがとうございました。
水平にする考え方と、張力の考え方、非常に勉強になりました。
物理の成績あがりそうです♪
あと、綱には、やっぱり、重さがあってはいけませんね。
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。