留守電のメッセージ
ぶんぶん (2003/06/10(Tue) 00:11:00)
「あ、あたし、京子。今会社の友達と飲みに来てるの。
大丈夫よ〜!女の子だけだから!心配しないで。
あと1時間ほどで帰るからね。
うん。冷蔵庫の中にビール買ってあるから、適当に1人でやってていいわよ。
うん、わかった。
じゃあ、なるべく早く帰るからね。ばいばーい。」
受話器を置いた京子は、すぐ横のカウンター席に戻る。
「まったくいっつもいっつも〜。せっかく女どうしで飲みに来てるのに〜。
こんな時ぐらい彼氏のことは忘れなさいよ〜。」
亜佐美が京子を皮肉る。
「え?京子彼氏できたんだ。」
トイレに立っていた、さと子がカウンターに戻って来た。
「そうなのよ〜。京子ったらさっきもそのピンク電話からラブコールしてたのよ。」
「も〜!亜佐美!声が大きいよ!」
「あんたの電話の声の方が大きかったわよ!な〜にがなるべく早く帰るからね〜☆よ!」
カウンター越しのマスターがニヤニヤと微笑む。
「でも京子、なんで携帯持たないの?便利なのに。」
さと子が尋ねる。
「・・・。携帯って束縛感が強いんだよね〜。どこにいても捕まっちゃうし。」
「そういう人が一番相手を束縛したがるんだよね〜。」
「うんうん。亜佐美のゆ〜と〜り!。」
三人の笑い声が店内に響くと同時に出入り口の扉が開いた。
「ごめ〜ん。遅れちゃった〜。」
「も〜!遅いよ、めぐみ。」
「ごめんごめん。ってゆうか、まずトイレね。」
そう言ってカウンターの前を横切り、奥のトイレに駆け込んだ。
その姿を遠目に見ながらさと子がため息混じりにつぶやく。
「相変わらず落ち着き無いわね〜、めぐみは。」
その発言に二人がうなずく。
「は〜い、お待たせ。あ、マスター!あたしジンライムね。で、何の話?」
「あ!もう11時。あたしもう帰らなきゃ。彼氏が待ってるから!ごめんねめぐみ。」
「え〜、せっかく来たのに〜。」
6月9日(月)22:30
とあるマンションの1室で女性の他殺体が発見された。
被害者は、河野京子25歳。
腹部を刃物で刺されたことによる失血死。
死亡推定時刻は、2日前の深夜0:00から3:00の間。
室内に荒らされた様子は無く、顔見知りの犯行の可能性が高い。
「佐々木警部。被害者の電話の留守番電話に妙なメッセージが入っているんですが。」
「うん?聞かせてみろ。」
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「あ、あたし、京子。今会社の友達と飲みに来てるの。
大丈夫よ〜!女の子だけだから!心配しないで。
あと1時間ほどで帰るからね。
うん。冷蔵庫の中にビール買ってあるから、適当に1人でやってていいわよ。
うん、わかった。
じゃあ、なるべく早く帰るからね。ばいばーい。」
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「なんだ?これは。なんで留守電にこんなものが録音されているんだ?」
しかもこの女、キョウコと名乗っている。
まさか、自分で自分の家の留守電にこんなメッセージを残したのか?」
佐々木警部は煙草に火をつけ、被害者の冷蔵庫を開けた。
中には、ミネラルウォーターとコンビニ弁当の食べ残しのみ。
「ま、1人暮らしの女っていうのはこんなものか・・・。」
「警部!灰は落とさないで下さいよ。まだ検証終わってないんですから。」
メッセージが残されていたのは、2日前の22:45・・・。
佐々木警部は留守電のテープを被害者の会社の同僚数人に聞かせ、
河野京子本人の声と断定し、
メッセージが録音された当時、一緒にいた3人に話を聞いた。
今井 亜佐美 25歳
「確かにこのメッセージと同じ内容のことを電話で話してたけど、
それを留守電に吹き込んでるなんて気づかなかったわ。
いくらわたしが座っていたカウンター席が電話から近くても、
相手の声が聞こえるわけじゃあるまいし・・・。」
竹中 さと子 25歳
「京子が電話してたときは、あたしはトイレに行ってたから、
実際の内容はわからないけど、亜佐美から聞いた内容はこんな感じだったわ。
声は確かに京子の声ね。それは間違いないわ。
あの子、いったい何をしようとしてたのかしら・・・。」
下野 めぐみ 24歳
「あたしバーには遅れて行ったんだ〜。だから何にもわかんないわよ。
あたしが着いたときは、なんかすごくみんな盛り上がってたんだけど、
ずっと我慢してたから、まずトイレに行ったの。
んで、トイレから出てきたら、京子が彼氏が待ってるからって帰っちゃって・・・。」
「ところで警部さん。もしかしてあたしたち疑われてるんですか?」
めぐみが佐々木警部に尋ねた。
「ん?いや。あくまでも参考意見として聞いているだけだよ。」
「でもあたしたち3人とも1人暮らしだからアリバイがないんだよね。」
「も〜、亜佐美ったら!だいたい彼氏が部屋にいるってわかってるのに、
わざわざ殺人なんかしに行くわけないじゃない。大丈夫よ、めぐみ。」
「だよね〜。だいたい疑われるべきなのは京子の彼氏じゃないの?」
「それもそうね。」
亜佐美もウンウンとうなずく。
それから数日後、佐々木警部の手によって3人のうちの1人が容疑者として逮捕された。
非常に長くなってしまいましたが、
佐々木警部は何をきっかけにして犯人を特定したのでしょうか?
ロッキー (2003/06/10(Tue) 00:42:51)
下野 めぐみ 24歳
ではないかと思います。
理由はトイレを我慢しすぎているのが不自然だからで、
被害者と示し合わせてその連絡を合図に交代するということではないでしょうか。
ナンバーディスプレイがあったらアウトですが、
被害者宅の電話にその機能がなければ、この容疑者にとっては格好のアリバイ。
自分は電話があったときその場にいなかったと主張できるので、
被害者から受けた電話を転送すればいいだけなのではないでしょうか。
つまり転送記録を見たもしくは電話会社に問い合わせた。
キョロロン村 (2003/06/10(Tue) 01:34:47)
今井 亜佐美 25歳
だと思います。刑事に自分で相手の声は聞こえない(分からない)と言っているにも関わらず、文頭では京子が戻ってくると彼氏に電話していると相手の声が分かったように言っている。
Yuko (2003/06/10(Tue) 02:02:32)
佐々木警部がきっかけにしたのは、留守電とマスターの証言で、
犯人は亜佐美じゃないかなーと思いました〜。
留守電は、「あ、あたし」という話し始めから録音されています。
だから、たぶんこんな感じだったんじゃないでしょうか。
通話先につながり、ピンク電話のコインが落ちる音、ブーッという音
→京子、しーんとしている(「只今留守にしております…」を聞いてる)
→留守電の録音開始と同時に京子、あ、あたし、と話し始める
マスターはこの「しーん」のタイムラグから「あ、この人、留守電に
向かって演技してる(ニヤッ)」と分かったんじゃないかと思います。
彼氏が出たのなら、コインが落ちる音と同時に話し始めないとおかしいから。
その場にいた亜佐美も、マスターと同じことに気づいたでしょう。
だから京子が部屋に一人でいることも予測できたのではないでしょうか。
ぶんぶん (2003/06/10(Tue) 08:56:21)
皆様、お考えいただきありがとうございます。
早くも正解者が出たようですので、解説させていただきます。
この問題文には、犯行の「動機」について、一切描かれていませんよね。
また、被害者は特定の人物を指し示す「何か」を残しているわけでもない。
そして、3人とものアリバイは成立していない。
この状況で、犯人と思われる人物を特定するためのポイントとは何でしょうか?
それは、「彼氏」が家にいないことを知っていた人物は誰か・・・ということです。
被害者の京子は、店を出るときに
>「あ!もう11時。あたしもう帰らなきゃ。彼氏が待ってるから!ごめんねめぐみ。」
と言い残しています。
つまり、3人とも京子の家には「彼氏」が来ているってことを知っていたわけです。
それなのに、犯行は行われた・・・。
では、3人の中で、実際は「彼氏」など来ていないことを知りえた人物は誰でしょうか?
留守電に残されたメッセージを確認すると、不自然な点が浮かびます。
メッセージの始まりが、会話の始まりと一致している点です。
本来、留守電につながると、
「ただいま留守にしております・・・・・・・・・・・」
というメッセージが数十秒続きますよね。
被害者の京子はこのメッセージが流れている間何も話さずに黙っていたことになります。
携帯電話ならば、まったく不自然ではないですが、
これがピンク電話の場合、非常に不自然な行動につながります。
ピンク電話は、相手先につながると同時に、入れていたコインが勢いよく落ちます。
これは結構大きな音なので、どうしても近くの人には聞こえてしまいます。
電話のすぐ横にいた亜佐美は、電話がつながったのに、数十秒何も話さない京子の
不自然さに気づいたはずです。
本当は彼氏などいないのに、いるふりをして留守電にむかって演技している・・・と。
というわけで、Yukoさん、おみごとでした!大正解です〜。
ロッキーさん、キョロロン村さん、ご参加ありがとうございました。
次回作は、また少し先になると思われますが、
また、よろしくお願いいたしまする〜。
岩名 杏奈 (2003/06/10(Tue) 08:46:00)
おはようございます♪
では、私は
竹中 さと子 25歳
でお願い致します♪
嘘だったが、被害者に彼氏が出来たと言う話も
携帯電話を持っていない理由も知らない程度の仲で、
それを初めて知ったさと子は自分にも彼がいないのに(推定)、
何で京子にできんのぉ〜!?と憤って
解散した後に、それが気になって×2、
仕方なくて京子の家に行って
「彼氏に会わして」か何か言って
押し掛けて、京子を刺す…。
よっぽど悔しかったのでそうなったと
言う事で、お願い致します☆
だから、
>いったい何をしようとしてたのかしら・・・。
と言ったのも、
あたしに彼氏ができたのよ、って言いたかったのかしら・・・。
と思ったから出た言葉で、
犯行の特定のきっかけはこれと言う事で…(^^;
なんかめちゃくちゃですね…(沈)
ぶんぶん (2003/06/10(Tue) 09:00:29)
岩名 杏奈さんへ。
しゅいましぇん〜。
レスが入れ替わってしまったようですね。
解決編をカキコさせていただきましたので、ご確認くださいませ。
またしばらく出題できなくなりそうなんですが、
また次回作でお会いしましょうね〜。
岩名 杏奈 (2003/06/10(Tue) 09:18:48)
>Yukoさん
Yukoさん、おめでとうございまぁ〜す♪
>ぶんぶんさん
私の方こそ変な回答で…スミマセンッ!(>_<)
絶対Yukoさんが正解だと思っていたんで
レスしない方が良いかなぁ〜と思ったんですけど、
とりあえずカキコしたかったのでさせて頂きました(爆)
お疲れ様でした(^^)また宜しくお願い致しまぁ〜す☆
Yuko (2003/06/10(Tue) 17:27:48)
ぶんぶんさん。
正解で嬉しいです。ありがとうございました。
でも、理由まで細かく書いてしまったので
他のぶんぶんさんファンの方が参加しづらかったのではないかと思い
反省しております。
(こういう言い方も不遜な響きがありますが…
今回たまたま早く正解したということでお許し下さい)
すみませんでした。精進いたしますので
これからもよろしくお願い致します。
岩名さん。
お祝いの言葉ありがとうございます。
私も最初、まったく同じことを考えました。
あの子に彼氏?うそでしょ?ちょっと家に行ってみよう!
ということで、さと子が行ったのではないかと。
で、京子が逆ギレして争いになったのではないか、という。
こういう心理って女性にはあるのですよね。
おつかれさまでした。
(済)
岩名 杏奈 (2003/06/10(Tue) 21:13:20)
>Yukoさん
解ってもらえて良かったぁ〜(*^O^*)です。
女の心理にありますよね(^^;(苦笑)
感動レスでした…。
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