不完全な密室
くおん (2004/03/08(Mon) 02:31:13)
こんばんは。
私も問題を一つ。昔見た問題をアレンジしたものなので、元の問題を知ってる人もいるかも。
穴があるかもしれませんが、そこは大目によろしくお願いします(^^;
瞬殺もあるかもしれませんが、質問等あれば、できるだけ答えます。
あと、長いのにあんまりいい問題でなくってすいません。とりあえず、問題を出すことに意義があるということで。
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○人物紹介
結城:とあるところのとある刑事。運は悪いらしい。
佐藤:大学院生。新型電池を共同で研究していた。
秋田:助教授。第一発見者の一人。
○事件内容
結城は大学の実験室で死んだという佐藤氏の調査に来ていた。そこで第一発見者の一人である助教授に事情を聞いた。
結城「発見したときの状況を教えてください」
結城はこの前の事件の後に買ったボイスレコーダーのスイッチを入れた。
秋田「今日、朝10時頃に学生3人と一緒に実験室に来てみるとドアが閉まってて、空気除去装置が動作してたんだ。それで覗き窓を見ると佐藤が倒れていたんで、空気除去装置を切ってドアを開けたんだけど、もう佐藤は死んでいたんだ」
結城「誰かに閉じ込められたということですか?」
秋田「いや、自殺じゃないかな?死んでいたとき研究中の新型電池を持ってたし。それに実験室は中から鍵で開けられるんだけど、ちゃんと鍵がぶら下がってたのに、それを使って外に出てないから」
結城「新型電池?」
秋田「ええ、佐藤は新型の太陽電池を研究してたんですが、寒さに弱いのと少しでも気圧が低い場合、一度でも光が当たらなくなると電池の性能が極端に悪くなるのが難点で研究中止の予定なんです。それを苦に装置のタイマーをセットして、中で自殺したと思うんです」
その後、秋田は実験室について、以下のことを教えてくれた。
・実験室は縦4m×横4m×高さ4m。ドアは一つしかなく、1.6mの高さ。ドアに覗き窓が一つあるが開けたり、外したりできない。
・中からドアを開くためには、実験室の中にある鍵を使って開けなければならない。
・鍵は実験室の天井についてるフックから2.3mの紐に繋がれてつるされている。吊るされている場所はドアの近くの壁付近。鍵は紐の先についてるフックに掛けられている。
・鍵にはセンサーがついていて、何かが10秒以上付いてると警告ランプがつく。ただし、様々な実験を行うため、水滴やほこりなど数g程度のものが付着していても警告されない。
・鍵はフックから、すぐに落ちないよう付けられているが、人が外せば3秒くらいで外せる。
・ドアは閉めると自動的にロックされる。
・ドアの鍵穴に何か詰まったりすると警告ランプがつく。
・実験室は気密性が高く、空気除去装置がついている。空気除去装置は約30分をかけて徐々に空気がなくなるようになっている。
・空気除去装置以外には気圧調整、温度調整、光量調整、外と中との通信装置、ドア開閉ボタンがついている。
・中には上に書かれた以外のものはなく、各装置の操作は外からしか行えないが、タイマーをセットすることができる。
・土日はほとんど実験室は使われてない。
鑑識「結城さん、死亡時刻は温度の調整も考えて土曜日の15時から20時までの間ですね。また、睡眠薬などの薬を飲まされたとか、気絶させられたということもないですね。死亡原因も実験室の空気がなくなったための窒息死です。中毒症状などの痕跡はありません。また、佐藤氏が苦しんで暴れたときに付けたと思われる傷が複数あるのですが、その傷と実験室についている血が一致していて、他に不自然な外傷がないことから、この実験室で窒息したと思われます。
後、ドアの開閉記録によると土曜日は18時に一回だけ開いて、すぐに閉まっています。これは佐藤さんが実験室に入った時間と思われます。そして次に開いたのは今日、月曜日の10時。これは第一発見者のものでしょう。
鍵とドアの警告ランプを調べましたが土曜日以降、誰かが鍵に触ったり細工したということはないです」
結城「それでは、佐藤さんは意識がはっきりしているのに鍵を使おうとしていない。つまり自殺しようと覚悟してたんですね。では署に事件解決ということで連絡してきます」
○問題
結城は自殺と考えていますが、他殺ということはないのでしょうか?
もし、他殺なら、どうやって佐藤さんを殺害したのでしょうか?
くおん (2004/03/08(Mon) 13:52:58)
こんにちは。
一部、誤解を招きそうな記述があったので、問題文を一部修正しました(^^;
ココ (2004/03/08(Mon) 17:57:20)
こんにちは。
私の考えを書いてみたいと思います。
他殺も考えられると思います。犯人は電池の実験をすると言って佐藤氏を部屋に入れ、犯人は部屋の外で部屋の気温を一気に上げる。部屋にはあらかじめドライアイスの塊が置いてあって二酸化炭素が大量発生。それによって生じる気圧の上昇も除去装置によって調整できる。後は犯人が外からドアをおさえて佐藤氏は外に出れない。佐藤氏が死んだのち、除去装置を作動させたままにすれば、死因をごまかせる。
ただこの推理だと二酸化炭素による中毒死だとばれるのでだめかな?
古畑 (2004/03/08(Mon) 18:49:25)
う〜ん、私も苦手分野ながら二つの推理を組み上げました。
?@心理的密室
これは死因が窒息死ということで考えました。まず犯人達は別のところで被害者を殺します。その際18:00に被害者が研究室に入ったように偽装する。そしてタイマーで空気を抜いて密室にする。翌朝死体を発見するふりをして死体を中に運び入れる。以上より犯人が秋田さんを含む発見者全員の場合。
?A物理的密室
これは新開発の電池の特性また部屋の気密性の高さで考えました。電池は一度でも光を当てないと極端に性能が悪くなるということで被害者は一定気圧、一定温度で電池に光を当てて実験していた。このとき電池に細工しておく(塩素と触媒などを入れる)すると光が当たって中の物質と化学反応し一酸化炭素が生成される。そしてこれを吸った被害者を昏倒させる。それにタイミングを合わせて空気を抜けば昏倒したまま窒息死する。ちなみに中毒死に至らない場合は毒の与える影響も血液成分バランスから検出されにくくなります。あとは一酸化炭素が拡散してくれるかどうかですが・・・ちなみにココさんと同じ推理も考えていました。二酸化炭素であれば空気中にもあるし多少温度が下がってもばれないだろうと思います。もちろんこれも中毒死しない程度の濃度で。
何かくおんさんの問題文の制約に反しているような気もしますが可能性としてはあるかなと思います。ちなみに現在のところ自殺また事故の証拠は発見できていないです。
くおん (2004/03/08(Mon) 20:00:41)
こんばんは。
ココさん、古畑さん、挑戦ありがとうございます。
ココさん:
中毒症状は発見されず、窒息死ということでお願いします。
また、佐藤氏が外に出ようとすると鍵を使ってあけることになりますが、鑑識の発言より鍵を使っていないということで。
古畑さん:
?@なるほど、そういうトリックも考えられますよね。そこは潰しておくべきでした。申し訳ないです(^^;
?A昏睡するほどの中毒症状であれば、鑑識が検出できたということにしておいてください(^^;
佐藤氏も科学者なので、何か電池に異変があれば、ドアから外に出ようとするということでお願いします。
説明文に中毒症状はなかったことと実験室で亡くなった旨を付け加えさせていただきました。また、ひとつあいまいな記述があったので修正しました。たぶん、そこでつまずくことはないと思いますが念のため。
お二人とも鋭い推理なので恐縮ですが、謎自体はそんなに難しい知識とかは必要ないので、思いつけばすぐだと思います。ただし、死亡するに至るまでの行動については自由な発想が必要かもしれませんが。。。
引き続き、挑戦お待ちしています。
古畑 (2004/03/09(Tue) 13:16:04)
>死亡するに至るまでの行動については自由な発想が必要かもしれませんが。。。
くおんさんのこの発言より1つの推理を組み上げました。
>ドアは一つしかなく、1.6mの高さ。
ドアにしてはずいぶん高さが低いと思い被害者の身長はあまりなかったと仮定します。
>鍵は実験室の天井についてるフックから2.3mの紐に繋がれてつるされている。吊るされている場所はドアの近くの壁付近。鍵は紐の先についてるフックに掛けられている。
つまり鍵には細工は出来ないが紐には出来る可能性はある。
>空気除去装置以外には気圧調整、温度調整、光量調整、外と中との通信装置、ドア開閉ボタンがついている。
>・中には上に書かれた以外のものはなく
以上の論拠より推理を組み上げます。
まず犯人は鍵のついている紐を精一杯伸ばして固定。2.3mですから最大で部屋の高さの半分には達すると思います。次に被害者は何も知らずに部屋へと入っていく。それを見計らって空気除去装置を作動させる。部屋の中には台になるような椅子や机などもなく、中からは鍵を使ってしか開かないが被害者は鍵には手が届かない。そして窒息死する。最後にこの仕掛けを戻すチャンスは見たところやっぱり死体発見時しかないのではと思います。よって秋田さん。むちゃくちゃな推理の上、
証拠もありませんし勝手な仮定もしてしまっているので自信はありません・・・
ただ可能性としてはないとは言えないというレベルです。
くおん (2004/03/09(Tue) 19:22:19)
こんばんは。
古畑さん:
真相に近づいてきました。
しかし、死体発見時は秋田氏のほかに学生が3人いたので、何か仕掛けとか外そうとしたら、誰かに見つかってしまうということでお願いします。
秋田氏や学生3人以外でも犯行は可能です。ただし、学内ということもありますし、誰でもというわけにはいかないですが。
>死亡するに至るまでの行動については自由な発想
これが意味しているものは「犯人がどうやって佐藤氏を密室のトリックに巻き込み、だましたか」ということです。もしかしたら、佐藤氏は自分が殺されたと最後まで分からなかったかもしれません。
問題中にヒントは出していますが、自由な発想が必要なので、密室のトリックが分かればOKということで。
古畑 (2004/03/09(Tue) 23:40:02)
う〜ん、全く理のない推理を思いついてしまいました・・・とりあえず聞いてください。
まず犯人は被害者を誘って実験室へ行く。このとき犯人は光量調整、温度調整装置のいずれかが調子が悪いから見てくれないかとでも言っておく。このときに文句は「−3度で30分部屋の中にいられたらジュースおごるよ。」、「ちょっと光が人間に与える影響を実験したくて・・・」とかそんなのでもOK。(多分)
あとは被害者が部屋に入ったあと空気を抜く。2つの装置を同時に併用していたら、被害者の感覚も鈍るかもしれない。あとは通信で会話しながらごまかすなどの方法を駆使します。(無理っぽいですね・・・)
それからこれの発展系も考えました。実験室は中からは鍵を使ってしか開かないのなら
第一に被害者を中に入れる。そして鍵に触らせなければ良いのですからここでもう一つ考えます。まず先程のような文句で中に入れます。この時室温は氷が維持できる0℃以下。
鍵のついた紐を天井に固定し氷で固定しておき空気を抜く。被害者は鍵には手が届かない。そして窒息死。あとは温度調整装置で0℃以上にするかスイッチを切れば氷は溶けて紐は元の位置に戻る。まあ、前回の問題点を解消する発展系と言っても良いかと・・・ただこちらのほうは先程のくおんさんの発言を見る限りくおんさんの意図ではないと思います。
くおん (2004/03/10(Wed) 01:14:41)
こんばんは。
古畑さん:
後の「紐を氷で固定する」が私の用意した正解です。おめでとうございます(^^)
たまには、こういう古典的なトリックもよいかと思って出してみました。
「死亡するに至るまでの行動については自由な発想」について混乱させてしまったようですみません。
明後日くらいに、解答編を書きますが、単純にこのトリックを使っただけでは部屋に入ったときに鍵がないことに気づかれて、外に出られたりしまうことがあるかもしれないのと、もしかしたら犯人についてのDMを書かれてしまうかもしれません。
そこで、犯人がどうやって佐藤氏をだましたかなども考えていただければと思いました。まぁ、こちらはある程度、問題文から引き出せますが、自由な発想でいろいろ考えないといけないので、あんまりよくないかなと。
「済」は解答編書いたときに付けます。ご意見および、犯人の行動についていろいろ考えてみたい方は書き込みよろしくお願いします。
くおん (2004/03/11(Thu) 01:03:27)
こんばんは。
ざっと、解答編書きました。
挑戦していただいた方、問題を解こうと考えていただいた方、ありがとうございました。
また、次の問題で会いましょう(^^)
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○解答編
結城「署に連絡したけど、先輩にも連絡しておくか」
結城は署の先輩に電話をかけた。
結城「あっ、先輩。今日、一つ事件を解決したんです。一応連絡を思って。その事件はかくかくしかじかで・・・」
先輩「それって他殺の可能性もあるな。金曜日の夜にでも、紐に氷やドライアイス使って、天井近くに鍵を吊るしておく。その間は実験室は温度を下げておく。で、殺した後に温度を高くして、鍵が元の位置に戻ったら、温度を戻せばいい。
たぶん、犯人は寒くても暗くなっても大丈夫な新型電池の実験がうまく行ったから確かめてほしいとでもいって佐藤氏を呼び出したんだろ。そして、犯人は外から装置を操作するからと佐藤氏に電池を渡して、暗く寒い実験室に入れる。そして、気圧下げるふりをして、空気除去装置のスイッチを入れる。その後、装置が壊れて装置が止まらなくなって、ドアも開かなくなったとかなんとかごまかしたんだろうな。」
結城「佐藤氏はトリックに気づいて犯人の手がかりとか残さなかったんですかね?」
先輩「鍵のセンサーが壊れたから、鍵は修理に出したとか言ったとか。鍵がなくても、犯人が外で操作してるから、ドアは開けてもらえると思ってるだろうし。で、犯人は助けを呼びにいくと行って外に出る。その間、佐藤氏はドアの覗き窓から外を覗いて、助けが来るのを待ってたんだろう。
ま、事件の真相は分からないが、そうやれば、佐藤氏に事故に思わせることも可能だろうな。
とりあえず、関係者のアリバイとか調べたほうがいいんじゃないか?」
結城「えっ、もう署に自殺って報告してしまいましたよ。違ってたら、きっと署長に怒られますよ・・・」
その後、事件は佐藤氏に恨みを持っていた学生の犯行と分かり、犯人は逮捕されました。
古畑 (2004/03/12(Fri) 19:16:53)
う〜ん、電池の特性を利用して被害者を騙したというわけですか。これは気がつきませんでした。リベンジとして次のくおんさんの問題は完璧に解きたいです。またよろしくお願いします。<(_ _)>
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