法と慣習の歪み
むた (2005/11/24(Thu) 22:25:33)
まあ、なんだかわからない題名になっていますが、解答が出たあとも考えて欲しい問題なので挑戦してみてください。ではでは。
現在、私は相続税の申告に向けて走り回っています。そして来年の年末調整や所得税の確定申告の計画をたてながら仕事をしているのですが、税法の世界で重要視されるのは家族関係と書類の問題です。
例えば、法定相続人で最も優遇される人は配偶者ですし、所得税でも配偶者控除や扶養控除など家族はそれだけで様々な特典を享受されています。十分であるかは別にして。(逆に法人税は社長の家族は不利になることも多い)そして、内縁の妻といわれる人たちは何十年同居しても税法の中では権利は原則保護されていません。仕方がないことではあるのですが・・・。
ところが、年金はそれとは別のルールで運営されます。たとえば、夫の遺族年金は婚姻関係のない内縁の妻と呼ばれる人たちも、その男性の経済力にどれだけ依存してきたか、つまり養ってもらえたかを証明することによって受給資格は発生します。やはり年金は社会福祉の一環だからでしょう。何だかバランスをとっているようにも見えてきます。社会保険と税金は互いにリンクしたり反発したりしながら社会の中で共存しているというのが僕自身の実感です。
問題:ところが、完全に養ってもらってることを証明されている内縁の妻であるにもかかわらず、現在、遺族年金の受給資格があるかないかでもめている事例があります。
それはその当時は割とよくある関係であり、不道徳ではない関係であったにも関わらず、現在は法が認めていない婚姻関係であるため発生してしまった問題なのです。一体この男女はいかなる関係のためにこのような問題が起こってしまったのでしょうか?(現在は最高裁で係争中です)
Yuko (2005/11/25(Fri) 15:15:51)
むたさん、お忙しいはずなのに精力的に問題を!
最初、同性愛者について問題かと思いましたが
「男女」「その当時はよくある」と書かれているので
違うかなーと。なので、
「兄が戦争で亡くなり、弟が兄嫁の面倒をずっと見てきた」
かなーと。自信なし。
むた (2005/11/25(Fri) 18:08:07)
解答どうもです。
方向性はいいのですが、残念ながら間違いです。
まず兄嫁と結婚することは、兄の死後または離婚後なら可能ですし、条件がこの文章のみの場合、兄が死んだ時点で認められそうな感じがします。
この問題は、もしかしたら判決が出た後も物議をかもし出しそうな問題なんですよね。
refrain (2005/11/25(Fri) 22:09:58)
むたさんこんばんは!
Yukoさんと似たような感覚ですが義理の母の場合とかかな?
「父が戦争で亡くなり、息子が義母の面倒をずっと見てきた」
このパターンでお願いします!
むた (2005/11/25(Fri) 22:30:41)
解答ありがとう。えーと、確かに血のつながりがなくても親子ってアウトみたいですね。でもこれ、昔から不道徳では・・・(^^;
ただ、Yukoさんの解答から正解へ一歩前進してます。
大体みんな私が何を言わんとしてるか想像がついてきてるみたいですね。
後一歩です。(^^)
Vega (2005/11/26(Sat) 15:15:03)
こんにちは〜。
私は法律に関して全く詳しくないのであてずっぽうですが(^-^;
・腹違いの兄妹(姉弟)
・おじとめい(おばとおい)
これのどっちかかな〜と思ったのですが・・・どうでしょう。
むた (2005/11/26(Sat) 17:33:21)
Vegaさん、正解です。現在係争中の事例は叔父と姪のカップルで近親婚といわれるものです。この両者は3親等にあたりますので民法は結婚を禁じております。
この二人は1962年に結婚式と披露宴をあげました。以来42年間仲むつまじく暮らし2003年、男性が72歳でなくなりました。女性は64歳で専業主婦でしたから遺族年金を請求に行ったらはねられたことで裁判が始まりました。
結果、一審は女性の勝訴(平16.4)、二審は国の勝訴(平17.5)となり現在は最高裁で係争中です。ここで問題となるのは次の問題でしょうか?
1.社会福祉の意義
弱者救済を根本におく社会福祉の考え方から行くと内縁の妻であっても遺族年金を受け取る資格はあるであろう。
2.慣習の問題
1962年は日本列島改造論の前であり、地域社会は孤立しており、村や町の中での婚姻、親戚同士の婚姻は決して珍しくなく、また法に反していても不道徳なものでもなかった。しかもこのカップルは結婚式や披露宴までして周囲に認知されている存在である。
3.民法の位置
とはいえ、3親等の近親婚は憲法に次ぐ基幹法である民法で禁じられたものであり、それを司法の場で否定することには抵抗がある。
まあ素人の私が考えるのはこの程度ですが、まだ様々な要素が絡んでくるため、軽々しく結論は出せないでしょう。私としては最高裁がこれらの要素をどう整理し、文章を組み立てて、結論を出すかに注目しています。でも、この問題判決がでた後も様々な波紋を呼びそうな気がします。
それにしてもスタートは男女の問題というきわめて単純な問題が法の足かせで問題が複雑化しているということには驚くばかりです。
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。