食傷問題作家の挑戦状

Ａｐｏｌｌｏ　(2003/01/28(Tue) 19:33:59)

　休止の予定でしたが、一作だけ帰ってきました。柊玲奈24歳、相沢圭介19歳、連中の話も第10話目です。
　何故一作のみ復帰かと言うと、理由はタイトルのとおりです。毛色の違う問題だって作ったるってことです。つまるところ、反骨精神に火が点いたっ！！！
　本業とテストと問題作成を並行したったどー！　折ったどー！
　汚名返上！　名誉挽回！　起死回生の瞬殺上等！！　ってか、めっさ簡単に瞬殺されそうやな……。啖呵切ったものの、まあこの程度の問題です。ごめんなさい。とりあえず、本編へどうぞ。
　　　　　　　　　　●
　雪鳴りが二つ聞こえる。アタシと相沢が、新雪を踏む音。相沢の放つ雪鳴りは、アタシのそれより少し間隔が長かった。
　背後の校舎から始業ベルが聞こえた。午前８時35分。朝のＳＨＲが始まる合図だ。その校舎からの百ばかりの視線と喧騒を背中で受け止めながら、アタシ達は雪の積もったグラウンドを歩いていた。ラグビーとサッカーとハンドボールのゴール以外は、全てが白銀に覆われている。
「寒いですねえ」
　背中を丸めて歩く相沢が、白い息と共に笑みをこぼした。両手をポケットに突っ込みながら、体を上下させて歩いている。
　子供ね。アタシは思った。相沢と同じく、内心雪を楽しんでいた自分に。
　けどこの状況で楽しめるのは、ドライな大人になったからかもしれない。アタシ達の向かう先に、死体があるのだ。年不相応のアタシが高校に来ているのは、そのためだった。
　アタシ達が歩く傍に、三つの足跡が残っている。一つは大きな足跡、残りの二つは成人男性の平均的な大きさの足跡で、行きと帰りの両方があった。往復で残っている足跡は、死体の第一発見者の生徒の物だ。
　彼はサッカー部員で、グラウンドの片隅にある屋根付きのウエイト場で朝錬をしようとしていたらしい。そこへ向かう途中、体育倉庫に隣接したトイレの向かおうとしたところ、倉庫の扉が開いていて、中で誰かが倒れているのが見えたそうだ。更に近づいてみたところ、仰向けに倒れるその人の胸にナイフが突き刺さっているのに気付き、怖くなって引き返して、警察に通報したらしい。その通報があったのは、午前８時２分だった。
　第一発見者の足跡は途中で帰っていたが、大きな足跡は体育倉庫の入口まで伸びていた。その体育倉庫の中に、大柄な男性の死体が横たわっていた。通報どおり、仰向けの彼の胸にナイフが突き刺さっている。
　アタシ達は体育倉庫に近づいていった。倉庫とトイレは棟続きで、軒が少し突き出ている。その下には雪が積もっておらず、棟の周囲の地面を固めるコンクリートが露出していた。
　雪が降っていたのは、昨日の正午辺りから今日の未明にかけて。昨日は上級生が修学旅行中の祝日だったため、どの部も活動を休止しており、学校にいたのは宿直の教員一名だけだった。その教員は現在、倉庫の中で物言わぬ肉塊と化している。
　アタシと相沢はその倉庫に入り、死体を確認した。死亡していたのは体育教師の手島秀俊25歳。大学時代にバスケで地区選抜のセンターに選ばれるほど運動神経が良いらしく、気さくでルックスもいいので女生徒に人気だったそうだ。だが自慢のルックスは苦悶の表情で絶命していたため、台無しになっていた。死体は靴を履いていて、その靴底は外の足跡と一致した。
「所見で死亡推定時刻はわかる？」
　アタシが尋ねると、相沢は思案顔になった。
「どうですかね、この寒さですし。それに、あんな物もありますから」
　相沢が言った『あんな物』とは、体育倉庫に似つかわしくないストーブのことだった。給油式のストーブで、電源プラグなどは無い。スイッチは入っていたが灯油が切れたらしく、火は点いていなかった。その他には、特に変わった物は無かった。
「あれが使用されていたとすると、温度差が激しすぎて死亡推定時刻がわかりませんね」
「そう。……ま、別にいいわね。ここへの足跡は一つだけ。どう考えても自殺ね」
「ご冗談を。状況を鑑みれば、これは他殺ですよ」
「へ？」
　アタシは目を丸くして相沢を見る。
「他殺って、犯人らしき人物の遺留品でも見つけたの？」
「いいえ、これから調べるところです。遺留品の有無まではわかりませんが、とりあえず今はまだ確認していませんよ。犯人は同僚か恋人か友人か。とにかく顔見知りの犯行でしょうね」
「……、どうして？」
　まるっきり訳のわからないアタシに対し、相沢は遺留品を探しながら説明を始めた。
「それは――――」
　　　　　　　　　　●
　以上です。今回は『何故相沢はこれを他殺と考えたのか』を答えて下さい。瞬殺上等なので、自由に推理を書き込んで下さい。一応正解は一つのつもりですが、作者を納得させることができたなら、それも別解として認めます。死因は胸のナイフによる刺殺に限定します。
　では、頑張って下さい。


不肖ロッキーが参戦します。

まず、自殺する人間がストーブを持ち込んで使うと考えること自体がおかしい。
故に誰かが何らかの目的で使うために持ち込んだと考えるのが自然。
つけっぱなしだった事から自殺に見せかけるのと死亡推定時刻をごまかすのが主な目的。
犯人自身が暖まる必要もあったかもしれない。
被害者がただ１人の宿直であり修学旅行による祝日で、
部活動も休止という事を全て知っていたのは生徒でなければ顔見知りに違いない。
しかも被害者は胸を刺され仰向けに倒れていたので背後から襲われたのではない。

【推理１】「被害者の靴底と同じ足跡」が１つだった事から、
被害者が殺害されたのは前日の正午より前。
ストーブを持っていき被害者を呼び出して隙を見て殺害。
殺害後、かなり雪が積もるまで待って、
用意しておいた被害者の靴と全く同じ型の靴を履き、後ずさりに逃走。
どの時点でストーブをつけたかはどうでもいい。
ただし雪がかなりの確率で降る地方か、偶然利用しただけか、という疑問は残る。

【推理２】体育倉庫に隣接したトイレからの足跡には一切触れられていない点から、
雪が降る前から体育倉庫で同じように待機していて殺害。ストーブは同じ。
違うのは逃走方法。
体育倉庫の屋根に登って棟を渡ってトイレの上を通り、
そこから飛び降りて逃げたので、足跡は別のところについている。
問題の趣旨に外れているような気がするのが難点。

どちらもミスリードにかかっているっぽいですが第１弾はこんなところで！



自殺するならもっと落ち着いて死ねばいいのに。みっともない。
普通自殺するならもう少し落ち着いて死ぬと思います。

・・・ってこんなんじゃダメか。


Ａｐｏｌｌｏさん、こんばんはー。
燃えてますねー。

ストーブがついてるのに扉が開いてたのが
気になるのですが。だって寒そうだし。
第三者が逃げたあとかなーとか。うーん？

この先生、なんかムフフなことをしようとしてたんじゃ…。


私もこの人なんか倉庫に誰かを呼び出そうとしたんじゃないかと
思いました。そしてストーブをあらかじめ用意しておくということは
当然そこに長居する予定だったはず。自殺しようとする人が
温まろうなんて思わないだろうし・・・・・。

それにしても「折ったどー」。笑えました。１，２，３、ダァ〜〜〜〜！！！！


　どうもです。さて、皆さんの推理の検証をしましょう。諸事情により、ロッキーさんのレスの返事は文末に回します。

　GP02さん
＞自殺するならもっと落ち着いて死ねばいいのに。みっともない。
＞普通自殺するならもう少し落ち着いて死ぬと思います。
　確かにそのとおりです。自殺者の心理としては不自然です。ですが、作者の力不足という感も否めません。申し訳ない。とにかく言えることは、不自然だからといって自殺ではないとは限定できないということです。

　Yukoさん
＞ストーブがついてるのに扉が開いてたのが
＞気になるのですが。だって寒そうだし。
＞第三者が逃げたあとかなーとか。うーん？
　これも不自然ですよね。しかし、絶対にありえないと言い切れるものでもありません。
＞この先生、なんかムフフなことをしようとしてたんじゃ…。
　ぬわ、な、な、ななななな何言ってるんですか！？　ボクはカマボコがお魚さんで出来ていることも知らないので、何を言っているのかさっぱりわかりません！……え？　あ、ちょっと待って下さい。……はい。……はい。……あ、はい、わかりました。――えー、失礼しました。たった今『大いなる宇宙の意志』からの電波をキャッチしたのですが、そのお方が「そうかもね〜」とおっしゃってました。そうかもねって、一体どういうことなんでしょう？　何のことだか全くわかりません。知的探究心が疼くので、できれば詳しく説明して下さるとありがたいのですが。いいえ、けしてセクハラとかじゃありませんよ？　いや、ホントに。

　ゲレンデの鬼さん
＞ストーブをあらかじめ用意しておくということは当然そこに長居する予定だったはず。
　っぽいですね。しかし、まだストーブを用意したのが犯人だとは限定できません。
＞それにしても「折ったどー」。笑えました。１，２，３、ダァ〜〜〜〜！！！！
　知ってましたか。いや、俺はあまり彼の住む世界について詳しくはないんですが、彼の数多の迷言の中に潜む名言は好きです。
　
　皆さんの意見を総合すると、ストーブと扉の不自然さが目に付くということですね。とりあえず先に言っておきますが、今回はミスリードはありません。
　さて。自殺者の心理として納得のいかない点は多々あります。ストーブをつけていた割に、扉は開きっぱなし。不自然です。しかしそれでも玲奈はこの事件を『自殺』と断定しました。というのも、倉庫への足跡が一つだったからです。
　しかし相沢はこれを『他殺』だと推理しました。自殺も可能性としては残っている訳ですが、とにかく体育倉庫に被害者以外の誰かが必ずいたという証拠を見つけたんです。
　玲奈は気付きませんでしたが、相沢はそれに気付いた。では一体、相沢は何を見つけたのか。それをお答え下さい。
　では、頑張って下さい。


　とまあ、ここまででもよかったんですが、瞬殺上等なので重大なヒント（？）も含まれたを一つ。独力で解きたい方は、ここから下は読まないで下さい。


　ロッキーさんの推理の検証。
　【推理２】の方は、そんな足跡は無かったということで納得して下さい。
　で、肝心の【推理１】。確かにこの方法なら殺害は可能です。しかしこれだけでは、本当に誰か別の人が体育倉庫にいたのかどうかが不透明です。玲奈は気付かなかったが、相沢は気付いた『誰か別の人』がいたという根拠。それを推理して、お答え下さい。
＞ただし雪がかなりの確率で降る地方か、偶然利用しただけか、という疑問は残る。
　これについてですが、雪の情報は天気予報の概況を聞いて、大体の降り始めと降り終わりを予め知れたとして下さい。
　答まであと一息です。頑張って下さい。


＞玲奈は気付かなかったが、相沢は気付いた『誰か別の人』がいたという根拠。

【推理１＋Ａ】
着眼点は窓。
窓に（手袋か何かをした）怪しい手形が残っていれば、別の人がいたことになる。
毎日体育倉庫の窓を部員が拭いていたならその線はますます濃厚。
犯行時の天候を考えると、暖房（ストーブ）をつけていた間は窓に手をつけても、
手形は残らなかったので犯人は気づかなかった。
逃走時も付けっぱなしならなおさら。
その後体育倉庫は冷え切ってしまう。
柊と相沢がやってきて、既に冷え切った体育倉庫内を検証しているうちに、
倉庫内が体温で暖まってくる。
そうすると室内の方が外気よりも温度が高くなってくるため、
わずかに窓が白くなり始め、手形が浮き上がってくる。
これが「大柄な」被害者の手形よりも小さいものであったなら、
部屋に別人がいた証拠になる。

ドアが開きっぱなしだったから難しいかもしれないが、
問題文に書かれていないけれども相沢が窓ガラスに息を吐きかけていたとしたら、
手形を浮かび上がらせることはできる。

【推理１＋Ｂ】
着眼点はストーブ。
?@給油式で電源プラグのないストーブは着火時と消化時に煙が出る。
　Ｂと一部重なるがストーブを付けっぱなしで逃走した後、
　灯油が足りなくなった時に黒煙が巻き起こり窓の手形を浮かび上がらせた。
　窓の手形について詳しくはＢを参照ください。
?A上部がお湯を沸かせるような形で手がかざせるところに、乾いた血痕があった。
　これは被害者がその付近で自殺したのかもしれないので説得力なし。
　何かお湯を沸かして飲み物を作っていた痕跡があったという可能性もある。
　これは自殺者の心理としては服毒ではないので不自然だけど無理がある。


※ＡとＢ?@を総合して検討してみてください。




犯人は被害者と体育倉庫で会う約束をする
「天気予報では雪らしい」とか言ってストーブを被害者本人に運ばせる
※ この時点では雪降り始めで積もっていない。グランドがぬるかんだ程度
被害者と同じ靴を何足も購入しておいて足跡の上において倉庫に近づく
被害者が中から扉を開けて犯人を入れようとした時に殺害
雪が少し積もるまでそのまま待機
靴を抜きながら普通に去る

てのはどうでしょうか？
コレだと天気予報通りに雪が降らないと無理＆降っても確実に自分の足跡が消えるかどうかが不安は残りますね(^_^;)
しかも靴大量購入・・・無理かな
ストーブを運ばせたのは足跡をくっきり残させる＋自分の待機中の暖房に利用
ドアを開けておいたのは発見を早くして足跡がなかったのを認識させるため



>給油式のストーブで、電源プラグなどは無い。スイッチは入っていたが灯油が切れたらしく、火は点いていなかった。その他には、特に変わった物は無かった。

普通のこういったタイプのストーブは灯油が切れるとスイッチも切れます。
なのにスイッチが入っていたということは、
1　灯油がきれ、スイッチも切れたが、誰かが強引にスイッチを入れた。
2　灯油が切れなくてもストーブの火が切れるような細工がしてあった。

1の場合
　前日、被害者と待ち合わせ、殺害後、加害者は雪が降るのを待って脱出した。
　もちろん、被害者と同じ靴を前もって用意し、後ずさりで。
　加害者は自殺と見せかけるために外には出られず、給油は出来なかった。

2の場合
　ストーブが不完全燃焼した場合、とっても臭いです。当日朝、我慢できなくなった
　被害者が扉を開け、換気、新鮮な空気を吸おうと出たところで投げナイフで殺害。
　犯人はいつ出てくるやも知れない被害者を寒い中、グランドで立ち尽くして待つ
　根気強いサッカー部員が有力候補。

笑ってくださって結構です(^^;


｢別の人間が倉庫にいた根拠」としては少々強引ですが…。
最初は何かが残っているのかと頭をめぐらせましたが思いつかず、逆の発想をしてみました。コメント戴ければ幸いです。

何度か読み返しているうちに、以下の描写の意味が気にかかりました。

> 　アタシ達は体育倉庫に近づいていった。倉庫とトイレは棟続きで、軒が少し突き出ている。その下には雪が積もっておらず、棟の周囲の地面を固めるコンクリートが露出していた。

仮に雪の中や、雪が積もった後に雪上を歩いてくれば、棟の周りのコンクリートにわずかでも雪が残っていてもおかしくないのでは？靴に雪がついていれば倉庫の中に入る前に靴の雪を落としそうなものですが…。

そういった雪がないとなると、被害者が雪上を歩いてきてはいないことになり、雪上に足跡をつける別の人間が存在しなくてはならない、ということになる？

う〜ん、自信ありません…。そもそも着眼点が違いますかね？


う゛〜ん、独力では手も足も出なかったので（汗）、
ロッキーさんの推理とApolloさんの大ヒントを元に考えてみました。

> 【推理１】「被害者の靴底と同じ足跡」が１つだった事から、
> 被害者が殺害されたのは前日の正午より前。
> ストーブを持っていき被害者を呼び出して隙を見て殺害。

だとすると、被害者は雪が降る前に倉庫に入ったんですよね。
その時に、床に土か砂の足跡がついたのでは？
そうすると、外の雪に足跡が残っていることと矛盾すると思います。
外の雪の足跡が本当に被害者のものならば、
床の足跡は雪のハズで、ストーブの熱で溶けると思うので・・・。
更に、土の足跡が二人分あれば、
被害者以外に誰かが現場にいたということもハッキリしますね。

ただ、現場の倉庫が普段掃除なんかしない場所だった場合は、
問題外ですね・・・
自信なしです・・・


＞知的探究心が疼くので、できれば詳しく説明して下さるとありがたいのですが。
＞いいえ、けしてセクハラとかじゃありませんよ？

よっしゃ〜説明したる〜。
あとで体育倉庫に来てや〜灯油のストーブ忘れんといてね〜。

などと誘われて手島先生も肉塊に…。
Apollo先生もお気をつけなされませ。なはは。

・軒下とか倉庫内に足跡がなかった？
・電灯とか懐中電灯とか明かりがなかった？
・靴がバスケットシューズで、でも濡れてなかった？
・ストーブを運んで来たら足跡がもっと乱れるはず？

と、書いてるうちにみーさんのレスが。
そうか、倉庫内に足跡があったらおかしい、というのもありそうだなぁ。
うーん？むずかしい。


どもども

やはり、足跡に注目してしまいますね。

?@被害者の靴に校庭の土がついていた。
?A雪上に残った足跡の、倉庫側は汚れていたが
　反対側はきれいだった。
?B被害者の体格にしては、足跡が浅すぎた。

こんなところでしょうか…


レス書いてたらバグって、一時間半かけて書いたやつが全部消えた……。
ごめんなさい、時間に余裕が無いので、返事はたぶん明日の昼ごろになります。
本当にごめんなさい。

追伸：正解に加え、微妙ながら別解になりそうなものがあります。その正解が皆さんわかり始めたような空気だったら、返事の代わりに解説を書いて済にします。


　時間が出来ました。検証します。但し、全てを検証する訳ではないので、その点はご了承下さい。


　ロッキーさん
　犯人の行動をシミュレーションしたところ、窓に触る必要はありませんでした。ということで、今回のところは窓には触らなかったということでお願いします。ですが、体格に目をつけたのはいいですよ。飲み物の痕跡についてですが、それは無かったということで納得して下さい。

　雅さん
　大量の靴、ですか。ユニークな発想ですね。確かにこの方法でも殺害は可能です。それで、現在問題になっているのは『何故相沢は、被害者以外の誰かが確実に倉庫にいたと推理したか』です。玲奈は気付かなかったが相沢は気付いた、誰かがいたという根拠。それを推理してお答え下さい。

　ぼるつまんさん
　えっ？　そ、そうなんですか？　えーと……、その、すいません。今回はストーブにそういう安全装置は付いていなかったということでご了承下さい。笑って下さいとありますけど、笑えへんなあ。あ、でも『揺れたら火が消える』程度の安全装置は付いていたことにして下さい。ちなみに投げナイフの方ですが、おめでとうございます。完全犯罪成立です（笑）。んー、ですが、これだと相沢の『誰かがいた』という推理が成り立たないので問題の趣旨に合いません。それにしても、足跡があったということは当日の朝に被害者がわざわざ体育倉庫にストーブに当たりに行ったことになりそうですね。で、不完全燃焼を起こして臭いに耐え切れず扉を開け、そこを投げナイフで狙い撃たれた……って、バカじゃん！　よし、こっちは笑えますよ！　でもこれが真実なら、ホントに完全犯罪成立ですな。

　K310さん
　ぐげっ！　そうか、雪か……。無いとおかしいよなあ。あ〜、ですが、ごく僅かの雪なら風でコンクリートの上に乗ったり、逆にコンクリートの上から飛ばされたりということもあったでしょう。足跡が判別できるほどではないが、微妙に雪はあったと考えて下さい。けど、風がそんな出題者に都合のいいように吹くとも限りませんし……。わかりました。多少アラはありますが、別解……いや、別解の一歩手前ぐらいとして認めましょう。いえ、出題者の小さなプライドとか、そういう私情を挟んだつもりはありませんよ？　うん、そうだ、そうに違いない。とりあえずそれは正解とは別物なので、他にも考えて下さい。……ふう。

　みーさん
　げげっ！　つ、土の足跡！？　確かに残ってるはずだよなあ。……ん？
＞ただ、現場の倉庫が普段掃除なんかしない場所だった場合は、問題外ですね……
　そ、そのとおりです！　掃除なんてろくにしません！　もう地べたなんて埃まみれの砂まみれ、天井だってバカが靴を放り投げて付けた『妖怪の足跡』だらけです！…………失礼。まあそこまではいきませんが、外にある倉庫なので、うっすらと土や砂があったと考えて下さい。――ふいぃ、危ねえ危ねえ。

　Yukoさん
　ボクはカマトトなので何を説明してくれるのかは完全に想像もできませんが、とりあえず体育倉庫に行ってみます。ボクの教育熱心なママンはインテリ眼鏡をしきりに上下させながら「ボクちゃん、いけません！」と怒りましたが、知的探究心の充足のために是非とも行きます――って、冗談が過ぎました。ごめんなさい。大地に額をこすりつけたので、許して下さい。で、靴がバッシュで濡れていなかったとありますが、靴は何でも構いません。ただ濡れていないのはストーブがあるので、別段不思議ではないと思います。電灯や懐中電灯という推理もありますが、文中の段階では一切遺留品を見つけていないということなので、特別なアイテムを発見したということではありません。

　どらさん
　あああ〜、また土だ……。えー、被害者の靴に校庭の土という推理がありますが、それはみーさんにも答えたとおりです。倉庫内にもうっすらと土はあったでしょうから、それが付着していたとしても不思議ではないということで納得して下さい。すいません。


　検証はこんなところです。前回のレスで書いたとおり、正解も出ております。全体的に「あ、あれやな」という空気になったら解説して、済にします。もう暫くお付き合い下さいませ。


前々回のレスで初めて、カマトトの語源を知った私です。
まぁもちろん、カマボコはカマボコ牧場でとれるものなわけですが。

じゃあもう正解当てクイズだ〜。
私はどらさんの、
＞?B被害者の体格にしては、足跡が浅すぎた。
じゃないかと思うのですが。ズバリ。
プラス、大柄なのに歩幅がせませまだったとか〜。


正解あて・・・
私もどらさんの
＞?B被害者の体格にしては、足跡が浅すぎた。
や、Yukoさんの
＞大柄なのに歩幅がせませまだったとか〜。
あたり・・・と思うのですが
『後ろ向きに歩いて逃げた』
とすると足跡かなり不自然に残りませんか？
慎重に歩いても多少フラフラすると思うし、ましてや雪の上
ハネ方が逆になるのではないかと・・・
玲奈が気付かないのも変なのでは？

要は解っていないのですが・・・(^^ゞ



　僕も「体格の違いによる足跡の違い」はあるだろうなぁとは思うのです、が、
問題は「中に被害者以外の誰かがいたという証拠」（しかも所持品以外）
ということですので、『不自然な場所に血痕』を押します！！

たとえばドアノブの下側、途切れた血痕、などです。

うーん、どうだろう。


　みなさん、おわかりのようですね。
＞問題は「中に被害者以外の誰かがいたという証拠」
　いいえ流石速人さん、それでいいんです。ということで答は『雪上に残った足跡が浅かった』でした。足跡の深さは『体重÷靴底の面積』で決まります。極端な話をすれば、普通に歩いたら埋まってしまうような雪山でも、スキー板かスノーボードなどをつけていれば沈まないというものです。
　今回の被害者の靴は大きいものでした。被害者がそれを履いて歩いても、被害者は大柄なために足跡の深さは普通ですが、雪に残っていた足跡は浅かったんです。深かったとすれば、被害者が何かを持ってきたせいで靴底に掛かる負荷が増したと考えられますが、浅い、つまり軽くなるということは不可能です。
　それを見て相沢はまず不信感を持ち、被害者の体格を見て確信を持ったんです。ここには被害者以外の誰かがいて、その誰かが被害者と同じ靴を履き、後ろ向きに戻っていったんだ、と。

　ちなみにこの話、同僚の女教師が犯人という裏設定がありまして、その視点から倒叙式（やったっけな？　とにかく刑事コロンボとか古畑とかに代表される、犯人を追い詰めていく形式）の話を解決編として載せようとしていました。が、プロットの段階で問題編の数倍は長いことが予測でき、後半部分がまとまらず、何より犯人を追い詰める決め手が思いつけなかったという大欠陥があったので、やむなく断念しました。その話の大まかな部分はこうです。

　残業で遅くなった犯人は、校庭のボールに気付き、それを倉庫にしまいに行く。今しがた降り始めた雪に、自分の足跡だけがあるのを見る。殺人のトリックに使えないかと考える。犯人のいとこが被害者に遊ばれ、自殺していたという恨みがあった。
　雪の降る前に倉庫に行き、降り止んだら後ろ向きに戻り、被害者のもののように見える足跡をわざと残す。それを実行するには、雪が降って止むまでのそれなりに長い時間が必要。食事は持ち込めばいいが、排泄はどうする？　そう考えていたら、ちょうど棟続きにトイレが。しかし、雪の上には自分が戻る時の足跡だけを残さなければならない。そうしないと、自殺に見せかけられない。そう考えていたら、三年生は卒業し、二年生は修学旅行中で、どこも部活動を行わない祝日があった。しかもその日の宿直は被害者だった。だが、犯行を成功させるには都合よく雪が降り始め、都合よく雪が止む必要がある。そんなにうまくいくだろうか。そう思っていたが、天気予報を聞いた限りではうまくいきそうだった。このように偶然が幾重にも重なり、犯人は殺人を決行する。
　当日犯人は雪の降る前に学校に行き、「ストーブを体育倉庫に運ぶように言われていたのを思い出したんです。手伝って下さい」と被害者に持ちかける。被害者と共にストーブを倉庫に運ぶ。忘年会の時に、酔った自分を本気で口説こうとしていた被害者に、ここで肉体的関係を持たないか、と囁く。こういうところが燃えるの、だのと付け加えて。男とは悲しい生き物で、愚かしくもそれに乗ってしまう。犯人は被害者に、服を汚したくないので、ジャージのあなたが下になって下さいと頼む（体育教師は当然ジャージです）。被害者は倉庫の床に仰向けになりながら、「まさかストーブを運ばせたのも、最初からこういうつもりだったんですか？」と下卑た笑みを浮かべながら訊く。犯人は被害者に馬乗りになりながら、「ええ」と微笑み、隠し持っていたナイフを被害者の胸に突き立て、「最初から、こういうつもりだったの」と答えた。
　翌日、雪が止んだので倉庫を出る。で、サッカー部員が死体を見つけ、警察に通報。玲奈達が来るのをＳＨＲをしながら見る。
　……で、相沢が犯人を追い詰め始める。

　という流れのつもりでしたが、俺の力量不足、かつ昨日から本業を本格的に再開、という理由もあって、こういう形での紹介となりました。

　さて。本業再開なので、暫く出題は控えます。ですが解答者としては顔を出すので、これからもよろしくお願いします。
　そんなこんなで、今回もこの問題について時間を割いて下さった皆さんに対し、感謝の言葉を述べて締めくくらせていただきます。
　　　したあっ！
　という訳で、済！


※　問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。