天才少年の母
斑猫 ◆XMrov1pg (2005/01/20(Thu) 20:10:01)
これも瞬殺問題かな 名前はすべて架空です
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私の息子は天才だった。
小学校に入る前には大学入試の問題を解いていた。
「ボビーを怪物にしないで。
毎日大学の教授が交代であの子を教えているわ。
年相応の絵本もおもちゃも与えられずにね。」
「お子さんは奇跡なんです。わが国の宝といってもいい。
ボビーには自分の研究室も与えられている。
あの子は今の生活にとても満足していますよ。」
「いいから、ボビーに会わせてちょうだい。」
研究所の所長は冷ややかに言った。
「明日、10分だけ自宅に帰しましょう。
でも変な考えを吹き込まれると困ります。
私がしっかり監視させてもらいます。」
「ボビー。あなたのママよ、久しぶりね。」
「はい、遺伝子の提供者の1人であり、
私を子宮内にて育成した女性であると認識しています。
前回の面会から41日が経過しました。」
「あんな研究所に閉じ込められて可哀相に。
ここがあなたの本当の家なのよ。」
後ろの所長が咳払いをする。私への警告だ。
「ママの自慢の庭を見てちょうだい。
それはチューリップよ、きれいでしょ。」
「学名はTulipa gesneriana ユリ科の多年草
鱗茎は卵形。茎は円柱形で単一、
葉は2〜3枚を茎の下部に互生する。」
ボビーはチューリップを次々に引き抜き、
観察をはじめる。
それを見て私は必死に考えた。
なんとかしてボビーを取り戻さなければ。
しかし所長に監視されていて何もできない。
そこで私にある考えがひらめいた。
所長が時計を見る。「ボビー、帰る時間だ。」
「ボビーは返さないわ。」
「ボビーにとって研究所が幸せなんです。」
「ならボビーに決めてもらいましょう。
さあママといっしょにいたいか、
所長や学者たちといたいか、
それで教えてちょうだい。」
「これで教えるのですか。」
ボビーは手の中の抜いたチューリップを見た。
「ボビー、よく聞いてちょうだい。
この世界には美しいもの、心を豊かにするもの、
感動させてくれるものがたくさんあるの。
でもそれらは研究室にだけいては触れられないのよ。
それは私が本当に大切に育てたチューリップなの。
その花を手にしたあなたは私の愛情がわかるはずよ。
あなたの将来の事だから決めるのはあなたです。
ボビー、あなた自身の意思を指し示すのが
そのチューリップならママは納得できます。
さあ、あなたはどっちにいたいか選んで。
チューリップをテーブルに置いて。」
「わかりました。選びます。」
私と所長を交互に見たボビーは、
チューリップの花を私に向けて置いてくれた。
私は唖然とする所長をドアの外に押し出し、
すかさずカギをかけた。
ざまあみろ、私だって考える頭はあるんだ。
問題 私にひらめいた考えとは何でしょう
SHO ◆wZvmj0BI (2005/01/20(Thu) 22:39:26)
ボビーはチューリップを元の持ち主に返そうとしただけなのでは?
「それは私が本当に大切に育てたチューリップなの。」と言って、チューリップの持ち主をアピールしてますし。
そこを利用して自分に有利な賭けをしたわけですね。(多分)
小ばか (2005/01/20(Thu) 22:43:15)
こんばんは。
答えは所長に対するミスリードでしょうね、多分。
SHO ◆wZvmj0BI (2005/01/20(Thu) 22:49:07)
すみません、間違えました。
チューリップを渡したのではなく、テーブルに置いたのですね。
だったら、太陽がある方向にいたとか?チューリップは普通日なたを好むと思うし。日陰なら逆で。(優柔不断な…)
ころ ◆z3OiCzj. (2005/01/20(Thu) 23:12:04)
こんにちは。
> 答えは所長に対するミスリードでしょうね、多分。
母親は、ボビーが花を自分の方に向けたら、花を捧げた自分を選んだと主張し、
逆に花が所長の方に向いていたら、茎と2枚の葉でできる矢印が自分を指していると主張する
つもりだったというようなことでしょうか。
それで、ボビーに何も言う間も与えず、所長を外へ押し出したと。
小ばか (2005/01/21(Fri) 03:42:09)
ミスリードの中身としてはSHOさんの最初のレスと同じことを考えてました。
SHOさんの最初のレスは後から気づきました。
「逆に花が所長の方に向いている」という状況はボビーが母親を選んだと所長に誤解させるには少々無理があるでしょうね。
鷹 (2005/01/21(Fri) 12:12:47)
斑猫さんこんにちわ!
ボビーはチューリップの花言葉にのっとって行動したのかな・・・
斑猫 ◆XMrov1pg (2005/01/21(Fri) 19:38:24)
ころさん 正解です
小ばかさん SHOさんところさんを 間違えていませんか?
ボビーにとってチューリップは
花を見て美しいと観賞するものではありません
「チューリップで指し示せ」と言われて
ボビーが考えたのは
「何かを指し示すための細長いもの」
つまり「矢印」でした
ボビーはチューリップの球根と根のほうを所長に向けて置く
葉の形状から当然そちらが矢印の先だと考えたのでした
母親はボビーがチューリップの根を所長に向けて置くと考えました
その時に花が指すような位置に自分が立ったのです
さすがに天才少年の母親だけあります
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。