被疑者、相沢圭介
Apollo (2003/01/10(Fri) 22:34:57)
どうもこんにちは。東大を卒業し、現在は京大に在学中の、Apolloです。
柊玲奈24歳と相沢圭介19歳の話も、おかげさまで第5話です。目指せ2ケタ!
さて、今回は第5回記念スペシャル(?)といたしまして、暗号の無い推理モノにしました。
決定的な証拠など何一つ登場しない上、正解に行き着くための決定的なヒントも無いため、純粋に推理するしかないという、問題としてかなり不安定なものです。ですので、俺が考えた答以外にも、無理のない答が幾つもあるかもしれません。とりあえず俺の用意した答は、あることを閃けるか否かにかかっているものです。
俺としても、これが問題として成立しているのかどうかは判りません。ですが、どうか最後までお付き合い下さいませ。
☆Apolloからの注意☆
・ここまで読めばわかるとおり、俺の問題は常に激長です。特に今回は、原稿用紙換算で推定18枚(前回の約二倍)にも及ぶ、もはや短編小説です。長文が嫌いな方はお控え下さい。
・付き合って下さる方は、部屋を明るくして、画面に近づき過ぎないようにして読んで下さい。電話代が気になる方は、回線を一度切断して読んで下さい。構成力不足ですいません。
●
考えなきゃ……っ!
胸中に渦巻く焦燥。
夢であってほしい。アタシはその時、切実にそう願った。
夢であってほしい。でも――-―、夢じゃなかった。中年の刑事に連れて行かれる、あのいけ好かない少年の背中――。
考えなきゃ……っ! 安藤萌、島田信二、豊橋純。この三人のうちの誰かが、宮里進を殺した真犯人だ。でも、その方法は――?
考えなきゃ……っ!
早くしないと、――相沢が逮捕されてしまう。
***
♪〜♪〜♪〜
店内に入るなり、着信メロディが聞こえた。
そちらの方を見ると、男三人女一人の大学生らしき四人組が、席に着いて食事をしていた。
「進、鞄の中にケータイあるんだろぉ? 鳴ってるぜぇ?」
「出ねえよ。知ってんだろ? この前ボード行ったら両耳に軽い凍傷できちまってよ。耳にケータイ当てっと痛えから、治るまではケータイ出ねえ」
「誰から来たかくらい調べろよぉ」
「そーゆーのわかると、なんか無視し辛えだろ?」
と、その時、アタシの方にウエイトレスがやってきた。
「いらっしゃいませ。二名様ですね?」
そう、二名だった。アタシは今、相沢と一緒にいるのだ。
「こちらのお席へどうぞ」
ウエイトレスに先導され、アタシと相沢は窓際の席に着いた。ウエイトレスは水を二杯出し、メニューを出しながら言う。
「ご注文がお決まりでしたらお呼び付け下さい。ごゆっくりどうぞ」
そう告げ、ウエイトレスは店の奥に消えた。
「どうですか、このお店」
向かいに座る相沢に尋ねられ、アタシは店内を見回した。客はアタシ達と例の四人組だけ。小洒落た感じは無いがフランクさを匂わせていて、気軽に入れそうな雰囲気だった。
「いいわね。こういう店、好きよ」
「それは良かった」
相沢が微笑した。
最近アタシ達は今夜のように、仕事帰りに一緒に夕食をとることが度々あった。というのも、相沢が色々とおいしい店を知ってるからだ。
相沢も男なので、たまには美人(相沢が言ってるのよ?)連れで食事をしたいらしい。でも相沢狙いの女を誘うと誤解されてしまいそうなので、アタシを誘っている。相沢はアタシに、そう説明した。
アタシはアタシで、まあ相性の良し悪しはともかくとして、美少年を連れて食事をするのはさすがに気分が良かった。ただ、毎回奢らせてるってのがちょっと。アタシはワリカンの方が気楽だ。
「柊さん、何にします?」
「そうねえ……。何かおすすめはある? 任せるわ」
「わかりました」
相沢は店の奥から出てきたウエイトレスを見つけ、幼さの残る声で呼び付けた。
しかし、相沢は知らないのだろうか? 外交なんかで利用される人間心理なんだけど、人間っておいしい物を食べてる時は、一緒にいる相手にも好印象を持つらしいわよ? あんた、アタシがあんたに惚れたらどうするんだ。
***
食事を終えたアタシ達は、暫く他愛の無い話をしていた。
例の四人組は、席にいるのは二人だけになっていた。進と女である。ホワイトメッシュの男は外でヤニをふかしていて、鼻ピアスの男はさっきトイレに行った。
トイレはアタシ達の席から見えるところにあった。扉が二つあって、男女別々になってるようだ。
と、進と女が席を立ち、トイレへと向かった。女が女子トイレへと入り、進はちょうど男子トイレから出てきた鼻ピと一言言葉を交わし、トイレに入る。一方の鼻ピは、一人で席に戻った。メッシュは相変わらず外にいた。
「さてと。柊さん、そろそろ出ましょうか」
「そうね」
アタシが席を立とうとすると、
「あ、ちょっと待って下さい。トイレに行ってきます。小さい方ですから、すぐに戻りますので」
「いちいちそんなつまんないこと言わなくてもいいわよ」
アタシが眉をひそめると、相沢は苦笑しながらトイレへと向かった。
相沢がトイレに入ってから、30秒ほど経った頃だった。相沢がトイレから出て、アタシに手招きする。その表情は、珍しく真顔だった。
何か起きているのだ。そう察知したアタシはすぐに男子トイレへと向かい、中に入った。
狭いトイレ。その床に――、進が横たわっていた。
「脈も呼吸もありません。死んでいます」
相沢が冷静に言った。
アタシは死体と化した進を調べた。目の結膜に溢血点。唇と手先が紫色に変色している。
「窒息死、ね」
アタシは断定した。間違いない。刑事としては当然の知識だし、それにコナンでも読んだ。ついでにコナンと同様に、被害者には争った形跡も、首を絞められた痕跡も、もがき苦しんだ形跡も無かった。毒殺だろう。
死体は肩から鞄を提げており、死体の傍には折り畳み式のケータイが開いた状態で落ちていた。
アタシは用心してそのケータイを調べる。と、電源ボタンの溝から、2ミリほどの針が突き出ていた。
と、いうことは……。
アタシは進の右手を調べた。その親指の腹には、針を刺したらしき赤い点があった。なるほど。毒針か。
――と、その時、落ちていたケータイが鳴り、すぐに音が切れた。着信していた間、画面には『非通知』と表示されていた。
「何? 今の」
「ワンギリでしょう。先程から連続して掛かってきていて、今のが20回目です。それより、柊さんはこのことを被害者の女友達に伝え、通報して下さい。僕は店員と男友達二人に伝えます」
「わかったわ」
アタシは男子トイレを出て、隣の女子トイレへ。扉を開けると、ショルダーバックを提げる、例の女がいた。鏡を覗き込んで髪を手櫛で整えていたが、すぐにアタシに気付き、言う。
「? 何ですか?」
アタシの真剣な眼差しを訝り、女は目を丸くした。そんな女に、アタシは告げる。
「進さんだっけ? その人が男子トイレで死んでるわ」
「へ?」
女は素っ頓狂な声をあげた。俄かには信じられないらしい。当然だ。ついさっきまで一緒にいた人が死んだ、そんなことをいきなり言われても、アタシだって信じられない。
だから信憑性を高めるため、アタシは警察手帳を見せた。
「自殺か他殺かは不明だけど、そういうことだから。今から通報するわ。あなたも被疑者の一人になるかもしれないから、通報が終わるまでここでじっとしてて」
一方的に告げると、アタシはケータイを取り出し、110番に掛けた。
***
「最新の受信メールは今朝のもの。着信履歴20件は全件死亡直後に入れられた非通知のもの。送信メールも今朝が最後で、発信履歴の最後は三日前。か」
中年オールバックの刑事、田沼義明警部補が言った。この店はアタシ達の管轄外の地域にあるので、出動してきたこの刑事とは面識が無かった。
アタシと相沢、被害者の連れ三人は、店内で事情聴取を受けていた。
女は進の彼女の安藤萌、鼻ピは友人の島田信二、メッシュも同じく友人の豊橋純だそうだ。
「さて、凶器は電源ボタンに仕込まれていたあの毒針だろうが――」
田沼が友人達に言い、続ける。
「君達の中で、最近被害者の携帯電話を触った者はいるかね?」
「……、あの……」
純がおずおずと声を出す。
「あの、俺、今朝四人が揃った時に、ちょっと進のケータイで電話しました」
「ほう、何故だね?」
「俺、今日ケータイ忘れたと思ってたんスよ。けど後で鞄よく探したら見つかって。……で、進のケータイ、そん時は針なんて無かったっス」
「なるほど。その後、あの携帯電話に触ることができた者は?」
「私も信二も触ることができました」
発言したのは萌だった。
「その後、四人で遊園地に行ったんです。けど私はジェットコースターに、信二はフリーフォールに乗りませんでした。その時、乗らなかった人が全員の荷物を預かっていました」
「なるほど。つまり、電話を借りた彼も含め、全員に針を仕込む機会があった訳だね」
でことは、この三人の中に犯人がいるってことね。
などとアタシが思っていると、田沼が考えをまとめるように一人ごち始める。
「犯人は今日毒針を仕込み、被害者が一人になった時を見計らって電話を掛けた。犯行当時、三人は全員が一人でいたので、電話は誰でも掛けられた。その電話を受けた被害者が、ボタンを押して死亡。そういうことだな」
「それぇ、たぶん、違うと思いますよぉ?」
そう言ったのは信二だった。
「あいつ、こないだボード行って耳に軽い凍傷できちまってぇ、耳に当てっと痛えからとか言ってぇ、ケータイ鳴っても鞄に入れたままほっといてましたから。一応何かの時のために持ってたみたいですけどぉ、着信来て画面見てぇ、相手確認すっと無視しにくいでしょぉ? だからあいつ、ずっと鞄に入れたままにしてたんですよぉ」
「つまり、被害者は電話に出ようとしなかった、ということかね?」
「みたいですよぉ」
「それは僕も証明できます。確かに被害者は、着信があっても鞄に入れたままにしていました」
そう言ったのは、相沢だった。
田沼は顎に拳を当て、思案顔になる。
「そうか。つまり、携帯電話をならしても被害者はおそらく出なかった。ということになるな」
「だとしたら、自殺ですか?」
アタシは田沼に尋ねた。対する田沼は、――相沢を一瞥した後、アタシに告げる。
「……いいや。一人だけ、いる」
――――。
心臓が、跳ねた。
田沼のセリフに、アタシは嫌な予感を覚えた。
その瞬間、アタシも気付いたのだ。あの三人の他にも犯行に及べた人物がいることに。そして今の状況では、その人物だけが疑わしいことに。
気付かないで――。
一瞬、アタシはそう思った。
……だが。
「一人だけいるのだよ。携帯電話に針を仕込め、かつ電話に出ない被害者を殺せた人物が」
田沼がそう言うと――、相沢は苦笑した。
そして。
「――僕、ですね?」
苦笑した相沢は、やはり美しかった。
「ああ、そうだ。自殺でなければ君だろう。もっとも、状況から察するに、自殺のセンは薄そうだがね」
「そうですね。被害者に針を刺し、鞄からケータイを出して、その針を仕込む。そうすれば、僕にも犯行が可能です」
――――。
相沢の声を聞くアタシは、放心していた。
何故相沢がそんなことを言うのかがわからなかった。潔いつもりなの? やめてよ。アタシは……、不様でもいいから、抗弁してほしいのに。
なんか、嫌だった。
アタシは相沢が嫌いだけど、でも悪い奴ではないと信じていた。そんな相沢が、人を殺めたかもしれない。それが嫌――な訳ではなかった。ただ、相沢が遠くに行ってしまいそうな気がして――――。
「聞き分けがよくて助かるよ。同じ警察官としては遺憾なことだが、署まで同行願おうか」
「仕方ありませんね」
相沢が田沼に歩み寄ろうとする。その袖を、アタシは掴んでいた。
相沢がアタシの顔を見つめ、言う。
「そんな顔、しないで下さいよ」
どんな顔をしてるのだろう。アタシは思った。とりあえず、相沢の言う『美人』の顔ではないことは確かだった。
相沢が微笑する。余裕そうな顔が、気に食わなかった。
「大丈夫ですよ。僕は何もしてませんから」
そう言って、相沢はアタシの手を、そっと払いのけた。
そして――、相沢は、田沼と共に外に向かう。その背中を見つめて、アタシは激しく頭を振った。
考えなきゃ……っ!
胸中に渦巻く焦燥。
夢であってほしい。アタシはその時、切実にそう願った。
夢であってほしい。でも――-―、夢じゃなかった。中年の刑事に連れて行かれる、あのいけ好かない少年の背中――。
考えなきゃ……っ! 安藤萌、島田信二、豊橋純。この三人のうちの誰かが、宮里進を殺した真犯人だ。でも、その方法は――?
考えなきゃ……っ!
早くしないと、――相沢が逮捕されてしまう。
蝕む戦慄。潤む瞳。遠ざかる、背中。
アタシは考えた。無い知恵を、無理やり搾り出そうとした。
――――――そして、閃いた。
「ちょっと待って!」
アタシの声が店内に響いた。
「まだ相沢クンを連れて行かないで! ちょっと調べてくるから、それまで待って!」
田沼にそう告げ、アタシは男子トイレへと駆け込んだ。
現場はあの時のままだった。その現場で、アタシは自分の推理の真偽を確かめた。
「やっぱり……!」
アタシはトイレを出て、一同のもとへと戻った。
証拠なんてどこにも無い。でもアタシの推理が正しければ、決め手になるものはまだあるはずだ。
「わかったわよ。真犯人と、その犯行の方法が」
アタシがそう言うと、田沼が尋ねてくる。
「真犯人? 誰だね、それは」
「それは――」
アタシは真犯人を睨みつけた。
「あなたよ」
***
アタシの推理を突きつけられ、犯人は犯行を認めた。
晴れて無罪放免となった相沢の車に乗り、アタシと相沢は帰路に就いていた。
郊外を走るシーマ。耳に届くのは、走行音だけ。サイドミラーには、等間隔に並んだ街灯の光が映っていた。
「また、誘ってもいいですか?」
相沢が尋ねた。
アタシはどう答えたらいいのかがわからなかった。ただ胸中で、言いようの無い嫌悪感がくすぶり続けていた。
アタシはサイドミラーを見つめたまま、言う。
「捕まる気、だったの?」
「いいえ。その……」
相沢は少し言いよどみ、
「その、店を出る前に、僕には犯行が難しいことを言うつもりでした」
「どうしてすぐにそう言わなかったのよ」
相沢は、黙った。
「……相沢クン?」
「……、怒りませんか?」
「何がよ」
「すいません。……僕が捕まりそうになった時、柊さんはどうするのか。それを試したんです」
「…………。何よ、それ」
正直、ムカついた。何故そんなことをしたのだろう。されたアタシは、気分が悪くなるだけなのに。
「……怒りました?」
「怒らないとでも思ってるの?」
「いいえ。軽率でした」
相沢の声から、いつもの余裕が消えた。相沢は真摯な声で告げる。
「僕は捕まりません。僕が捕まると、柊さんが泣いてしまいます。僕は柊さんを泣かせたくはありませんから」
「……誰が、あんたなんかの為に」
潤んだ瞳でサイドミラーを見つめたまま、アタシは言った。対する相沢が言う。
「僕なんかの為にも、柊さんは泣いてくれますから。だから、もう二度と、捕まるような真似はしません」
「…………」
アタシは、何も答えなかった。
静寂の中の走行音。サイドミラーには、街灯。
「また、誘ってもいいですか?」
相沢の声。
アタシは目元をこすると、奴の端正な横顔を睨みつけ、大袈裟に溜め息をついた。
「次からワリカンね。そろそろあんたの財布が心配だから」
●
お疲れ様でした。では、今回は以下のことを答えて下さい。
?@ 何故相沢が犯人ではないか。
?A 犯人は誰か。
?B どういう方法で殺害したのか。
?C 証拠、もしくは決め手となりそうな何かがあれば、それも書いて下さい。
さて。問題に不備があったので、二つ条件を追加させて下さい。
その1。相沢と進に面識は無かった。
その2。友人の推理です。誰かが進の携帯電話に非通知でワンギリをしまくって、ムカついた進が電源を切ろうとした。これは無しにして下さい。
他に不備があれば、見つかり次第修正します。見つけたら指摘して下さい。
さあ、少し時間をさかのぼって下さい。
たった今相沢が玲奈の腕を払いのけ、田沼に歩み寄っています。
今回は玲奈が真相を暴くという、異色の作品にしてみました。今までいいトコをかっさらっていった相沢は、現在被疑者として連行されそうになっています。用を足そうとしていた彼の膀胱が破裂する前に真相を暴き、彼を救ってあげて下さい。
長ったらしい話に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。では皆さん、頑張って下さい。
以上、東大(津高校)を卒業し、現在は京(都産業)大(学)に在学中の、Apolloでした。
どら (2003/01/10(Fri) 23:11:05)
どもども
この手の問題、大好きです!!(^―^)
ある程度考えはまとまったのですが、
ちょっと困っているところがあるので質問させてください。
針が仕込まれていたのは「電源ボタン」で間違いないでしょうか?
一般的に、電源ボタンは「電話を切る」ボタンですが、
そう考えていいですか?
ここでつまずいてしまったので、ご解答よろしくお願いします。
どら (2003/01/11(Sat) 00:03:55)
どもども
先に質問させていただきましたが、「電源ボタン」でも
大丈夫そうなので私の推理を投稿させていただきます。
まず、注目すべきは「ワンギリ」でしょう。
柊玲奈たちが入店したとき、電話が鳴っていたようですが、
「進」の発言には「ワンギリ」に悩まされているようなものは
ありませんでした。
それが、犯行以降に20件もの「ワンギリ」があるのは異常です。
これは、犯人がかけたものにまず間違いがないでしょう。
では、なぜ犯人は「ワンギリ」を20件以上も行ったのか。
これは簡単です。それ以前の着信履歴を消すためですね。
つまり、それ以前に犯人は被害者と電話をして、被害者は
その電話を切ったときに毒針を刺してしまったと思われます。
次に、なぜ被害者は電話をとったのか?
鞄の中に入れたまま、無視している電話を
なぜとる気になったのでしょう?
おそらく、特定の人のみ着信音を変えていたのでしょう…
?@相沢が犯人ではない理由。
そもそも動機がありません。
また、殺害に毒薬を使用しているという点から、計画的犯行であると
考えられます。被害者とこの店で会ったのは偶然のはずですので
犯人と疑うのは無理があるでしょう。
?A犯人は誰か。
私の考えた犯人は「安藤萌」です。
人目に触れず「ワンギリ」を続けやすいのは彼女しかいませんし
自分の彼女の着信音を変えている人は少なくないでしょう。
さっきまで一緒にいた彼女から電話があったら、
無理をしてでも電話に出たくなるのでは?
(緊急事態かもしれませんし)
?Bどういう方法で殺害したのか。
前述の通りです。
?C証拠、もしくは決め手となりそうな何か
「安藤萌」の携帯電話が決め手となりそうですね。
ただ、この推理だと柊玲奈が現場を再確認した理由がつけられません。
んー、別解なのかなぁ…(^_^;)
B.B. (2003/01/11(Sat) 00:34:25)
どーもです。え〜、どらさんとほとんど考えが同じなので、付け加えだけさせてもらいます
?@相沢が犯人ではない理由。
相沢が被害者の「親指」に毒針を刺す方法がありません。首筋とかに毒針を刺した跡があればありえますが・・・。もし、現場に被害者がそのまま放置されていたのであれば、柊玲奈が現場を再確認した理由もわかります。被害者の外傷は他にないか確認したのです。でも頭に刺されたりしたら・・・発見しにくそう・・・。
ロッキー (2003/01/11(Sat) 00:44:48)
なんだかこれ読んで、「自分の問題は長文かも?」という認識が払拭されました(笑)
ホントに小説読んでるみたいで楽しかったです。
では推理ですが、下手な鉄砲数うちゃ当たるで行きたいと思います。
※自分は年齢不相応に携帯電話を持っていないので、
それがトリックなら非常に考えにくいのは事実です。
電源ボタンとは「受話器を上げる」方だという前提にしました。
単刀直入に行きます。
?@相沢は小の方に行くと言った上、
30秒そこそこで溢血点が出来たりや身体が紫色に変色したりするとは考えにくい。
?A安藤萌
?B遊園地で毒針を仕込んだ。
トイレは男女別々だったが上か下に隙間があって女子トイレからでも声が届いた。
「大事なメール送るから」などといって読ませようとメールを鳴らした。
もちろん非通知にしておく。他の20件も業者のワンギリだと思わせるため。
指定着信音か萌の言葉でメールと分かるのか被害者は安心して電源を入れる。
毒針で死亡する。
?C被害者(進)の倒れていた場所は床と言っても「大」(の近く)の方だった。
(節電モードになっていなかったり、柊が覚えていたりで)、
携帯の画面がメールの画面だった。
柊はトイレがつながっているかどうか確認もした。
こんなところです。他にもウェイトレスや萌が、
進の気づかぬうちに毒を盛っていた等も考えましたがアリバイが確保できません。
他に鼻ピのピアスが落ちていたとか、メッシュの吸殻が落ちていたとか考えてます。
このレスは以上。印刷したので(全6枚!)いつでも考えられます。
Apollo (2003/01/11(Sat) 15:32:26)
また不備が見つかりました。よく考えたら、犯人はわざわざ今殺さなくても、被害者が一人の時に殺したほうがはるかに楽です。という訳で勝手な条件を付け加えさせて下さい。『犯人はどうしても、四人が解散する前に殺したかった』。
加えて、もう一つ。“読み終わったら削除して”と書いたメールを送っても、メール削除の手順に電源ボタンを押す機会は無いと思っていましたが、特定の機種では押さなければならないらしいです。『被害者の電話の機種は、その機種ではなかった』これも条件に加えて下さい。
……ということを書き込まなければならないと思ったのですが。皆さんの解答を見て、もう必要ないなと思いました。
これはもう仕方ないことなので、結果からお伝えしましょう。
瞬殺やん。いや、本文が長すぎやし瞬殺は無理やな。とにかく、既に完全解答が出ていると言っていいでしょう。
冒頭で書いたとおり不安定な問題だったので、正直、正解に辿り着けるかなあという不安がありました。ですが、なんのこたぁない。頭の運動の猛者達にかかればこんな問題、朝飯前どころか起床前でした。
俺の思い描いていた解答が出たので、これ以上粘っても仕方ないでしょう。解説に移らせていただきます。以下の方法以外の犯行を見つけた方は、済の後も推理を披露して下さい。
*
では。解説。
?@何故相沢が犯人ではないか。
相沢が被害者の親指の腹に針を刺すのは、無理があります。しかも長さは2ミリなんです。持つのも大変でしょう。仮にタバコの先などに付ければ、刺すことくらいできるでしょう。しかし親指の腹となると、被害者が無抵抗でない限り刺せないでしょう。被害者は相沢とは面識がありません。その相沢に手を掴まれ、親指の腹を相沢の方に向けさせられる。そんなことを無抵抗でさせるはずが無い。
極めて低いながら例外の可能性もありますが、仮に相沢が手相占い師を名乗って近づいてきたとしても、無抵抗に手の平を出したとは考えにくいです。トイレでいきなり「手相を見させて下さい」と言われたところで、素直に見せるとは思えません。
という訳で、相沢は犯人ではありません。
?A犯人は誰か。
犯人は恋人の安藤萌です。?Bの推理で言えば、正直に言うと誰にでも犯人の可能性はあるわけなんですけど、萌が犯人だと考えるのが妥当です。
?Bどういう方法で殺害したのか。
被害者は着信があっても出なかった。その被害者を電話に出させれば、殺害できる訳です。
>「誰から来たかくらい調べろよぉ」
>「そーゆーのわかると、なんか無視し辛えだろ?」
このとおり、犯人は発信元が誰かを知りたくないので、携帯電話を鞄から出そうともしなかった。しかし裏を返せば、発信元が誰かさえわかれば、気分的に無視し辛いので電話に出る訳です。ではどうすれば、鞄から電話を出さないうちから発信元を特定できるのか。他の人とは違う特定の着信メロディが鳴れば、相手が誰だかわかります。
では、被害者は誰からの着信メロディを他と変えていたのか。これも一概にそうとは言い切れないのが申し訳ないのですが、恋人である萌だと考えるのが妥当です。
それでは、犯行の流れを。トイレの壁は、向こうの会話が聞こえる厚さだったと考えて下さい(俺のバイト先の更衣室はそうです。いや、変な想像をしないで下さいね)。
女子トイレに入った萌は、男子トイレにいる被害者に電話を掛ける。萌からの電話とわかった被害者が、電話に出る。適当に言いつくろって、すぐに電話を切った振りをする。通話が終わったと思った被害者は、回線切断のボタンを、つまり電源ボタンを押す。この時、被害者は死亡しました。萌は被害者の携帯電話が落ちたのを電話越しに聞き、死亡を確認した。
そして、相沢が入ってくる。萌が非通知で電話しまくる。相沢が死体を調べる。相沢に呼ばれ、玲奈が来る。萌が最後の非通知電話を入れる。玲奈が来るとわかって、携帯電話をバッグにしまう。髪を直している振りをしているところに、玲奈がやってくる。以後は田沼が来るまで、玲奈か相沢の監視下にあった。以上です。
?C証拠、もしくは決め手となりそうな何かがあれば、それも書いて下さい。
これね、バッチリあるんですよ。俺の考える解答では、萌が犯人です。ワンギリの後すぐ、玲奈が萌のところに行きました。だとしたら残ってるんですよ、萌のケータイに発信履歴が――――って、ん?
Apolloの友人「けどなぁ、発信履歴ってすぐに全部消せるで?」
へ? ハ……、ハハハ。まさかそんなはずは――(自分のケータイを見て)――って、ホンマやーん!
『全件削除』ぉ? なんつー機能つけとんねんボケ! ってゆーか、
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃっ!!!!!
――いや、ちょう待てよ? 発信履歴が無いってのも変やなあ。あ、アカンわ。「実は浮気してて、バレたら困るから消しました」とか言われたら逃げられる。
別の観点から考えよう。最後のワンギリから玲奈が女子便所に駆け込むまでの時間は?……、だいたい12秒か。萌が最後のワンギリから履歴を消してケータイをバッグに入れて髪を整える振りをするまでの時間は?……、アカン、9秒でできるし。
ダメだ。発信履歴という決め手が無い限り、今までの推理が全部ただの想像で終わってしまう。けど、どうしようもないなあ……。
ごめんなさい。?Bの推理に追加して下さい。『男子便所に玲奈達がいることを知った萌は、慌ててしまい、発信履歴を消すことを忘れてしまった』。これがネックになって正解の推理に辿り着けなかった方、本当に申し訳ありませんでした。萌ではなく俺が慌ててしまい、発信履歴を消す方法があることに気付かなかったんです。
さて。問題の決め手ですが、萌の携帯電話に、犯行直後の被害者への発信履歴が、不可解なほど入っているということでした。
質問の解答は全て出た訳ですが、もう一つ解説。
>現場はあの時のままだった。その現場で、アタシは自分の推理の真偽を確かめた。
これは、萌からの着信メロディだけが他と違うことを確かめたんです。
*
早いですが完全解答も出たので、今回はこれで済にしようと思います。長い話なのに穴のある問題で、本当にすいませんでした。これからはこのような不備の無いように鋭意努力いたしますので、どうか今後ともお付き合い下さいませ。
次回からは二問続けて暗号問題を予定しています。皆さんの参加を、心からお待ちしています。
さて! この話にお付き合いいただいた皆さんに感謝の言葉を述べて、しばしお別れといたしましょう!
したあっ!
という訳で、済!
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。