若君を救え!
むた (2003/02/24(Mon) 22:50:41)
時は江戸時代。九州の某藩で藩主の奥方が自害した。原因は、ご側室に若君が生まれ、寵愛は側室に移ったためといわれている。ともかく奥方は喉を突いて亡くなった。現場を見たものの話では、奥方のそばで日ごろかわいがっていた猫が奥方の死体の周りで鳴いていたというが、いつしか猫はいなくなったという。
時は流れ、藩一番の剣の達人といわれる太郎佐と頭の回転がはやくすばしこい又八が家老の前に呼ばれた。用件は化け猫が若君に取り付き、日に日に幼い若君の体力を奪っているということで、その退治を命ぜられたということである。
「冗談じゃないよ。」太郎佐はぼやいた。
二人は今、特別の許しを得て若君の隣の部屋にいる。
「何事もなければいいじゃないか」又八がささやく。だがそうはいかなかった。若君が昼寝をすると、どこからともなく猫の鳴き声がした。そして巨大な猫がやってきて、若君の上にのしかかり昼寝をはじめたのだ。
「なんか悪いといえるかどうか微妙な化け猫だな。」太郎佐があきれる。だが、又八は真剣な顔でつぶやく。
「冗談じゃない。あんなでかい奴が5歳の子供の上に毎晩乗っててみろ。ろくに眠れずに衰弱してしまうぞ。」
「それじゃどうする?奴は今完全に寝入っている。殺すならいい機会じゃないか?」
「だめだ、若君を巻き込むわけにはいかない。」そういうと又八は着ている服を脱いでふんどしいっちょになった。
「又八、何を考えているんだ?」太郎佐は不思議そうに聞く。又八は真剣な顔でつぶやいた。
「しっ!若君をまず奴から離すんだ。その機会は一度しかない。それを待っているんだ。」又八は、化け猫を凝視している。
さてここで問題です。又八の言う若君と化け猫を離す機会というのは一体何を示しているのでしょう?
ヒント:猫の習性を考えてください。
黒ラベル (2003/02/24(Mon) 23:03:27)
焦点が判らないですが、機会といえば、昼寝から起きる機会でしょうか。
キャッツ・アイ (2003/02/25(Tue) 10:21:18)
ネコは深夜に集会を開くとか…違う?
彩華 (2003/02/25(Tue) 18:28:13)
推理系では初めましてデス。
ふんどしを猫じゃらし代わりに・・・って、んな訳あるかーい!!
すいません。ちょっとひねくれた答えを探すの好きなもんで・・・。
こらえきれず出してしまいました。
ん〜猫は寝てるんだから・・・。どうにかして起こす・・・
・・・あるいはそのまま移動させる・・・んあ〜っ!!頭がパンクしそうです。
誰かこの哀れな子猫を正解へ導いt(射殺)←お気にせず〜ww
↓おおっ!!蒼梅さんのかもww
蒼梅 (2003/02/25(Tue) 18:42:00)
なんか すもうっぽい?
猫だましを仕掛ける!
蒼鉛 (2003/02/25(Tue) 22:05:23)
猫の習性……顔を撫ぜて湿気をとる行動くらいしか思い浮かばないです^^;
でも、「そして巨大な猫がやってきて、若君の上にのしかかり昼寝をはじめたのだ。」
なので猫は寝てるのだからそのままどければいい気も^^;
変なレスでスミマセン^^;
むた (2003/02/26(Wed) 20:12:29)
説明足らずだったようです。
巨大な猫の大きさは体長10mぐらいのやつを想像してください。そいつが若君の上にのしかかり、腹の下に下敷きにしてる光景を思い浮かべてください。
蒼鉛 (2003/02/26(Wed) 22:06:55)
10mの猫の下敷きに……^^;
衰弱するまえに窒息か圧死してしまいそうですね^^;
更にオカシイ解答を一つ
「腹の下に」若君が居るのだから、そのまま猫の首を切ってしまう
血が凄そうですが^^;
あれ?揚げ足とってばかりですね……
ひねくれ者なのでスミマセン^^;
むた (2003/02/26(Wed) 23:12:12)
一応この体勢には意味があります。正解の後に紹介しますね。
それから、猫には頚動脈が二本あるため、一撃で倒すことは不可能です。だから又八は太郎佐をとめたのです。(傷ついた化け猫が暴れたら大変ですから。)又八は若君の救出を優先しているのです。そのためにあることを待っているのです。(にしても江戸時代の又八が何でこんなに猫に詳しいのだろう?)
SQ (2003/02/27(Thu) 22:05:39)
トイレに行く機会じゃないのかな?
同じ場所でするっていうのを聞いたことがあるけど
ただ態勢にも意味があるんですよね
むた (2003/02/28(Fri) 21:16:48)
この体勢については落ちのときにまあ、小説風に利用しようと思っています。この問題では考慮しなくていいです。
次のことを頭に入れて、考えてみてください。
1.足の速い又八が裸同然でいること。
2.又八が眠っている化け猫を凝視していること。
ここから考えれば自然と答えが出ると思います。
あゆこ (2003/02/28(Fri) 22:12:37)
猫が後ろ足で顔を掻くときにその隙間から若君を救出する!
っていうのはダメですか。裸になった意味がないですな。
すいません。
chakori (2003/03/01(Sat) 08:55:05)
う〜ん、家には猫が二匹いるんだけど・・・
寝てるときはじっとしてるし起きても伸びるくらいだなぁ・・・。
なんだろう?伸びてる時にお腹の下に滑り込むとか?
無理だなぁ。
むた (2003/03/01(Sat) 21:09:59)
chakoriさん正解。
「又八、どうする気なんだ?」とささやく太郎佐。又八は答えない。そのとき、又八が待ってた瞬間が訪れた。化け猫は目を覚まし、大きく四肢を伸ばす。下敷きになっていた若君と化け猫の腹の間に大きな隙間ができる。気が付くと又八は走り出している。
「そうか、このために裸になったのか・・・。」太郎佐も援護のために走り出す。そして体の大きな化け猫がゆっくりと伸びをしている間に又八は若君を拾い上げ、化け猫の腹の間を走り抜ける。化け猫はようやく気がつき前足を又八のほうに振り上げた。太郎佐の剣の峰が化け猫の前足をたたく。
そして、太郎佐と化け猫は正面からにらみ合った。太郎佐の頭の中にはいくつかの「なぜ」が渦巻いている。
「なぜ、化け猫は若君を一思いに殺さなかったのか?なぜ、若君は窒息しなかったのか?なぜ、又八に向けた前足から爪が出てなかったのか?なぜ、なぜ、なぜ・・・。あの姿はまるで・・・。」
その思念を引き裂くように又八が叫ぶ。
「太郎佐、切れ!こいつは奥方の血を舐めて化け猫になったんだ!恨みのこもった奥方の血を!」
「違う!」我知らず太郎佐は叫ぶ。
「何!?」聞き返す又八。太郎佐はそれに答えず化け猫に向かって叫ぶ。
「奥方!あなたは姿はそんな風になってしまったけれど、心まで妖怪にはなっていないはずだ!若君を抱きたかっただけでしょう?」
化け猫は身じろぎもせずに聞いている。
「でも、このままでは若君は衰弱して死んでしまいます。あなたの意図がどうであれ。そのとき、あなたは本当の妖怪になってしまいます。あなたの猫も!」
そうだ、あの寝ている化け猫の姿はまるで、母猫が子猫に乳を飲ませているようではないか。だが、所詮それはかなわぬ夢なのだ。若君には母も乳母もいるのだ。太郎佐は化け猫とにらみ合う。化け猫がむかってきたらと思うとひざが震える。それに切りたくない。
しばらく時が白紙のまま過ぎ、そして猫はゆっくりと反転すると去っていった。二人の体から緊張が解ける。二人はしばらくその場から動くことが出来なかった。
後日・・・。
「なあ、太郎佐。」
「なんだ?」
「若君が衰弱したのは本当は何だったのかなあ?」
「化け猫と徹夜で遊んでいたせいじゃないか?」
「・・・。」
二人は報われなかった母親の愛情を責める気にはいまだになれないでいる。
むた (2003/03/01(Sat) 21:10:44)
完
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。