閉じられた密室
ふらっと (2003/08/14(Thu) 06:48:00)
貴方の所有する別荘から、二人の遺体は発見されました。
第一発見者は貴方。
山荘に到着した貴方は、長旅で疲れたその足を伸ばすより先に、地下の食料保存庫へ急ぎました。昨年ここを利用した折、一緒に持ち込んだ食べ物を、貴方はうっかり持ち帰るのを忘れていました。その事をここへ向かう車中で思い出した貴方は、慌てて地下へと伸びる階段を駆け下りた、としておきます。
食料庫の前まで辿り着いた貴方は、恐々ノブに手を掛けました。けれど、ドアには鍵が掛かっていて開きません。
この屋敷は少し変わっていて、全ての扉に鍵が掛かっており、また全ての扉を開閉するにも鍵が必要でした。だから、内側から施錠する場合も鍵が要ります。それは食料保存庫も例外ではありませんでした。
貴方は父親から借りてきた屋敷の鍵の束を取り出すと、「ショクリョウホカンシツ」とタグの付いた鍵を探しました。全ての扉に違う鍵があるのですから、鍵を探すだけでも一仕事です。
それらしい鍵を見つけた貴方は、扉の鍵を外してドアを開けて中へ踏み入りました。案の定、鼻を突くような腐敗臭。貴方は片手で口と鼻を押さえると、もう一方の手に持った電灯で部屋の中を照らしました。
そこにきて貴方は漸く、その部屋で臭いを放っているモノが、一年前に置き忘れた食べ物なんかではない事に気付くのです。
部屋の中で発見された遺体は二体で、双方ともに劣化が激しく、片方は完全に白骨化している。
何処からともなく入り込んだ虫や鼠に啄ばまれていたので、二人の正確な死亡推定日時は不明瞭であるが、白骨化した方は一年弱、もう一方は少なくとも死後五ヶ月は経過している模様。
白骨した遺体は瀬戸山 恵子(二十二)。死因は頚部圧迫による窒息死。床に横たわった遺体には衣服が身に着けられておらず、部屋の隅に丸められた彼女のものとおぼしき衣服が発見された。彼女の遺骨は鼠が引っ掻き回したのか、部屋全体に四散していた。
もう一方は森下 弘一(三十五)。死因は餓死。発見されたときには椅子に腰掛けるような形であった。建物の所有者の話によると、この現場は貯蔵庫として利用されており、かなりの保存食が用意されていたらしいが、それらは全て食べ尽されていた。因みに第一発見者は彼の甥(姪)である。既婚。
調べではどうやら二人は深い関係にあり、度々人目を忍んではこの屋敷に出入りしていたらしい。状況から考えて、別れ話を持ち出した恵子をカッとなった弘一が殺し、何かしらの理由で彼は外へ出られなくなった…。こう考えるのが妥当なところだろう。
しかし、以下のような不思議な点が、この事件には多々見られる。
・部屋の中に鍵があったこと。鑑識の結果、紛失届けの出されていた屋敷のマスターキーである事が判明。
・何故弘一は鍵を使って外に出なかったのか。恵子を殺して後追い自殺をした、という線も考えたが、扉に付けられた無数の爪痕から彼が必死に外へ出たがっていたであろう意思が見られる。因みにこの部屋にはちゃんと電気の供給もされており、暗闇で鍵を見失うなんてことは無かった筈である。
やはり二人に対する怨恨の線をあたってみるべきかもしれない。
疑わしいのはこの屋敷の鍵を所有している一家であろう。
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初めてカキコさせて頂きました<(_ _)>
挑戦状なんておこがましいまでのユルユルな設定と内容でスイマセン(汗
雨音が煩くて眠れなかったので、だらだらと長い文(なのに内容希薄)と書かせて貰いました。トリック自体は某小説を読んでて思いついたヤツです。決してパクリでは無いです、パクリでは( ̄ェ ̄;)もう誰かしら遣ってるやろうケド
まぁ、パクリだったら一時間も掛けて書いたりしないッス、マジで(笑
死亡推定なんたらとか偉そうに書いてますが、その辺は気分で書いてるので…
鋭いツッコミは無しでお願いします( ̄ー ̄;
では改めて、ここまで稚拙な文章に付き合って頂いた方に本当に感謝しています。
黒ラベル (2003/08/14(Thu) 07:11:38)
> 白骨した遺体は瀬戸山 恵子(二十二)。死因は頚部圧迫による窒息死。床に横たわった遺体には衣服が身に着けられておらず、部屋の隅に丸められた彼女のものとおぼしき衣服が発見された。彼女の遺骨は鼠が引っ掻き回したのか、部屋全体に四散していた。
この部分がポイントですね。
探偵学園Qで似たようなトリックありましたね。
事件描写を書くと長くなるので、ポイントだけ。
マスターキーは、瀬戸山 恵子が飲み込んだのでしょう。
森下は、その鍵を探そうと彼女の衣服をはぎ調べたがなかった。
森下は、鍵が見つからないので出られず餓死。
その後、彼女の遺体をネズミが食べて鍵もその時、出てきたということ。
KIU (2003/08/14(Thu) 09:51:36)
Qは1巻しか読んでないので知りませんでしたが、
黒ラベルさんと同じでお願いします。
ふらっと (2003/08/14(Thu) 18:14:12)
黒ラベルさん、KIUさん共に正解です d(>_< )グッ!
やっぱり既に似たようなトリック使われてましたか(^_^;)勉強不足でした
探偵学園Qの作者は金田一少年と同じ人でしたね、確か…?( ̄-  ̄ )後で検索してみます<σ( ̄ー ̄;;)は『浦賀和宏殺人事件』を読んでてコレを思いつきました
でも、あの方の作風は私的に苦手です(^_^;)
では最後に簡単に事後処理を…<とはいえ、黒ラベルさんのレスが模範解答並みに的中していたので、私は事件背景でも書かせて頂きます
別れ話を持ち出したのは恵子ではなく、既婚者である弘一の方でした。
けれど、どうしても彼のことを忘れられない恵子さんは、その後この部屋へ彼を呼び出します。そして、弘一の隙を突いて内側から扉に鍵を掛けると、その鍵を飲み込んでしまいます<送信した後、「あ、鍵の描写入れてない」とか思って内心ヒヤリとしたのですが、まぁその件に対してはなんのツッコミも無かったので…(凄く大きなかぎだったら如何どうするつもりだったんだろ。自問。)
その後、いくら問い詰めても一向に鍵の行方を喋らない恵子に腹を立てた弘一は、勢い余って彼女を殺してしまいます
最後に恵子がこの部屋を選んだ理由ですが、これは二つほどあります。
・完全に外界と遮断された脱出不能な状況であること。
・適度に食料があること<ただの無理心中が目的だったのなら、彼が生き残るファクタは完全に絶つべき。<あ〜、他にも地下部屋があったこともまた描写してない〜(謝
ここで指している『適度』とは、彼が生き延びるだけの食料という意味ではなく、彼女が白骨化する直前までは彼を生かしておけるだけの食料はあるという意味。
彼女の饐えた臭いを嗅ぎながら過ごした数ヶ月。自分の足にも群がり始めた鼠に恐怖し、それから逃れるように椅子に深く腰掛ける。やがて電灯の明かりは消えて、閉じられた密室で彼女と二人…
恵子さんは弘一さんの残りの人生をすべて拘束したかったのです。彼の残された余命のすべてを自分と一緒に過ごして欲しかったのですね。
これくらいされたら例え救出されたとしても、彼女のことを忘れる事なんて出来んやろうし…( ̄ー ̄;愛されてるなぁ、カレ
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初めて頭の中のモノを文章化してみたのですが、やはり思うとおりにはいきませんね<穴だらけやし( ̄ー ̄;マジでスイマセン
また何か思いついたらカキコさせて頂きます。
正直暗号とか苦手ですが…ヾ(°∇°*) オイオイ
まだイロイロ試してみたいヤツもあるし( ̄-  ̄ ) ンー<次回は出来るだけ短く出来るように努めます(謝
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。