犯人はこいつだ
越智月久 (2004/01/08(Thu) 15:00:14)
パズル/なぞなぞ系に入れたかったんだけど……一応推理なので……
俺は妻の不倫を知り、妻と相手を殺すことにした。その夜、私が出張だ
と言うと、やはり妻は出かけた。後をつけた私は、二人が会っている場所
へ乗り込み、妻を即座に撃ち殺した。おびえる男に、「申しわけありませ
んでした」と書かせ、男の頭を撃ち抜く。男は詫び状を書いたつもりだろ
うが、そのまま遺書になるのだ。手に銃を握らせれば偽装は完了する。私
は全てを終え、思わず微笑をもらした。ドアは自動ロックなので鍵がかか
る。そのまますぐに近くの交番に駆けつけた。
「妻の様子がおかしいので後を付けると、男と会っていた。裏窓から除く
と男は妻を殺して何か書き残して自殺した」
どこにも矛盾はないはずだ。交番には巡査と酔っぱらいらしい男がいる。
「だめですよ、これからは飲みすぎても道路で寝ないように」
酔っぱらいはペコペコお辞儀をしている。私はすぐに交番に飛び込み、
予定通りの状況を話した。
「分かりました。すぐ本庁に連絡しましょう」
すると、酔っぱらいが、
「本庁からの応援を待っていたら遅くなる。すぐに現場を見た方がいい。
事件が起こったばかりだったら、どちらかに息があるかも知れない」
と言い出した。巡査があきれて応対しようとすると、酔っぱらいは警察
手帳を出した。
「私は本庁の酒井清。お酒の酒、ウイスキーの井、清酒の清と書きます」
巡査と酔っぱらいを連れて現場に戻る。鍵が掛かっているのを3人で突
き破った。巡査が手探りで明かりを点ける。酔っぱらいの酒井とかいう男
がふらふらと壁にもたれた。
「酒がまだ回っていますか」
「いや、死体を見ると気分が悪くなる」
「まだ暖かい、死んでから10分というところでしょう」
「そうだね。ここまで来た倍の時間が掛かった訳だからね」
「遺書があります」
「そう……あの窓から君はのぞいたんだね」
酔っぱらいが私の方を向く。
「そうです。カーテンを閉めたつもりでしょうが、隙間からよく見えました」
もちろん私がそのように偽装したのだ。
「気分が悪いから帰ろう。すぐ本庁に連絡してくれ」
「そうですか。じゃあ、現場検証もあるので、このままにしておきましょう」
巡査が明かりを消して表へ出た。すると酔っぱらいが、私の方を向いて、
「おい、この男を逮捕しろ、犯人はこいつだ」
……いったい、なぜ……どうして私が犯人とだというのだ……
古畑 (2004/01/08(Thu) 15:49:04)
>巡査が手探りで明かりを点ける。
ということは部屋は真っ暗だったので殺された男も遺書を書くことはままならず、
犯人である男が裏窓から殺害現場やその様子をのぞくことも不可能ということでしょうか。
越智月久 (2004/01/10(Sat) 10:05:57)
簡単でしたね。
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。