論理の報酬
古畑 (2004/01/08(Thu) 23:50:57)
また出題してすみません。よろしくお願いします。
警部補「今畑慎三郎」は非番なので自宅でゆっくりしていると、部下の「水川かずみ」
から至急来てほしいとの連絡が入った。水川の叔父が殺されたというのだ。殺されても死にそうにないほどしぶとかった彼が殺されるなんて。今畑は驚愕した。
水川の叔父は世界的自動車メーカー「TOYOTE」の社長だ。現場は彼の自宅。住宅街にも関らず、意外と人通りの多いにぎやかな所である。
今畑が現場に到着すると家の周りにはパトカーがあり、課の連中がすでに捜査を開始していた。とりあえず今畑は水川に話を聞いた。
僕は午後3時ごろ、叔父の家を訪ねていきました。うちのビデオ壊れちゃって、5年ぶりの放映で話題の「今●慎太郎」を見ようと思ったんです。叔父は家にはいませんでしたが、鍵があるのは植木蜂の下だって知ってます。ほら、今畑さんにも話したじゃないですか、いつも叔父はあそこに置くって。ドラマは10分で終わってしまうのでその後やることもなくなって、ちょっと外出しました。その時戸締りもきちんとしたんですが、途中でうっかり鍵も持って行っちゃったことを思い出して・・・叔父さん困るかなあと思ったんですがまあ良いかと思ってそのまま行きました。そして、コンビニで偶然会った同僚の向井君としばらく談笑した後、向井君の家で飲もうということになって、午後5時30分程度までいっしょに飲みました。それで午後6時ごろに向井君と二次会をしようということになって桑島君も誘って、また叔父の家に来たんです。鍵は僕の持ってるの一つだけですから、叔父が帰っているはずないと思い勝手にまた入ると、叔父が玄関で血だらけで倒れていたんです。
それで警察に通報し、今畑さんにも連絡しました。
今畑「なるほど、密室殺人か・・・定番だな。」(あくびをする。)
その時、一課の刑事が今畑に捜査状況が書いてある手帳を渡す。(以下手帳内容)
・被害者は後頭部を殴打されており、手で傷口を触ったのか両手は絵の具でも塗ったように血で真っ赤だった。
・血液の凝固度合いから、殴られたのは午後3時から4時50分まで。
・被害者は階段を這ってきたようで、血の跡もあり、玄関まで来ていた。
・第一発見者の3人の証言では被害者は、「犯人は・・・」といったらしい。
・2階の殴られたと思われる現場には、ダイイングメッセージと思われる「ね」の文字が血で書かれてあった。
現状では、疑わしい人物は4人。
「野上孝宏」:同業者でHANDAの社長。犯行時刻にはちょうど出張でアメリカにいた。
「中野啓」:推理小説家で叔父の友人。アリバイなし。
「久野大輔」:同じく友人でサラリーマン。会社に戻るときここを通っている。
「古賀義治」:幼馴染で医者。犯行時刻には診察に追われていた。
水川「今畑さん、僕ぜんぜん分かりませんよ!犯人はどうやって・・・」
今畑「いや、被害者の残したダイイングメッセージが犯人を示している。それにトリックも分かったよ。」
水川「ええ!いったい誰ですか!」
今畑「とりあえず、容疑者を集めてくれ。推理ショーをはじめようじゃないか。」
さて、ダイイングメッセージが示す犯人は?そのトリックとは?(う〜ん、結構アンフェア?)
ウラン (2004/01/09(Fri) 23:23:14)
古畑さん、こんばんは。
単純に「ね」=「の、の上」=「野上」とすると、(アメリカにいる)彼の犯行方法で行き詰まってしまいました;
古畑 (2004/01/09(Fri) 23:33:47)
★ウランさん
書きこみありがとうございます!あんまり書きこみなくて寂しかったんですよ・・・
>(アメリカにいる)彼の犯行方法で行き詰まってしまいました;
アリバイとは犯行現場不在証明。しかし、彼の場合はアリバイを無効にするたった一つの方法があるのです。あともう少しヒントを出したいところですが・・・もうちょっと待ってください。そしてすべての可能性を考慮してぜひ真相を解明してください。質問も大歓迎です。
古畑 (2004/01/10(Sat) 00:00:32)
すみません・・・問題文に穴が見つかったので訂正させていただきました。ウランさんはひょっとしたらこれで迷ったのかもしれない・・・本当にすみませんでした。
ウラン (2004/01/10(Sat) 00:14:36)
訂正の部分は、ポイントのようですね。
「絵の具」は実際に犯行に何かしら使われているだろうと思います。
古畑 (2004/01/10(Sat) 00:53:51)
>「絵の具」は実際に犯行に何かしら使われているだろうと思います。
あ、すみません、表現が悪かったでしょうか?本文には「絵の具でも塗ったように」と書いていますので実際に塗ってあったというわけではありません。つまり、それだけ被害者の両手は血で真っ赤に染まっていたということです。誤解を招いてしまってすみません。しかし、そこに注目されるとはさすがですね.さらっと書いたつもりだったのですが・・・少し、視点を変えてみたらもっと良いかもしれません。
それから、ヒントを一つ。空間的に隔てられたものには「あるズレ」が生じます。これがウランさんの疑問である野上のアリバイを崩すきっかけになると思います。それから最後にもう一つ本文にメッセージを加えたいと思います。(何回もすみません・・・)
ウラン (2004/01/10(Sat) 01:10:16)
そうですよね、ズレなんですよ。アメリカと日本のズレ・・。
なかなか糸口がつかめないのですが、野上が答えたアリバイというのはアメリカ時間での話であって日本時間のその日の午後3時から4時50分の間には野上は日本にいたというのはどうでしょうか?拙い推理ですが当たって砕けろで行こうと思います(笑)
(それから、当初の問題文にあった「叔父の部屋の窓に糸のような・・・」という一文がなくなっているようですがこのままでOKですか?)
古畑 (2004/01/10(Sat) 13:23:36)
★ウランさん
「>叔父の部屋の窓に糸のような・・・」という一文がなくなっているようですがこのままでOKですか?)
思えば無意味な一文なので訂正させていただきました。(これはヒントです。)
野上のアリバイは崩れたようですね、しかし、ここで気づいてください。まだ密室のトリックが解かれていないことに。すべての可能性を考慮して真実を見つけてください。実は事件の真相にたどり着くにはダイイングメッセージを完璧に解く必要があります。といっても解読ではなく、あらゆる視点から論理を展開させるんです。皆さんもぜひ挑戦してみてください。
Toko (2004/01/10(Sat) 15:46:41)
古畑さんどうもです^^
この問題、ずっと考えているのですが、どうしてなかなか答が出ません。また「ね」のダイイングメッセージの他の考え方もわかりません・・・が、一応思いついた。内容を書かせてもらいます。
まず考えたことは、この密室はあくまでも水川さんが鍵を持っていってしまったという偶然がら生まれた密室です。鍵の在り処などは事前にちょっと調べればわかったはずです。つまり、犯人にしてみれば何も密室殺人をしようとしたわけではないのではないかと思われます。・・・と、ここからが強引な想像&低い可能性の推測なのですが・・・犯人は水川さんがやってくる前に家の中で水川の叔父と争いになり、とうとう殺意を見せ始めた犯人から逃げ出す叔父。その後ろ姿に ガツンッ! 血を流す叔父を見て死んだと思い逃げ出す犯人。ただ自分がこの家にいることがばれると困るので、鍵をかけ、いつもの所に置いておく。そしてアリバイ作りにアメリカへ・・・
一方、水川の叔父は殴られたあと、死期を悟りダイイングメッセージを残して気絶、しばらく気を失っていたが、下から聞こえるTVの音で目がさめる。そう水川がドラマを見ている音だ。助かった!!と思い朦朧とする意識の中なんとか下へ降りていく。しかし後一歩届かず出ていってしまう水川。それでも階段を這っておりたがついに玄関で力尽き、水川が鍵を持っていってしまったために密室になってしまったという訳です。
書いていて恥ずかしくなるくらい偶然の組合せによる出来事なので、申し訳ないですがご意見&ヒントなどをいただけたらうれしいです^^
古畑 (2004/01/10(Sat) 20:01:57)
★Tokoさん
そうか・・・そんな考え方が・・・別解は作らないように細心の注意を払っていましたが・・・そうすれば犯行は可能ですね。確かにこの密室は偶然というか犯人のある危惧にあります。しかし、やはり真実はそうではありません。
それを否定するのは「被害者のダイイングメッセージ」です。
>ね」のダイイングメッセージの他の考え方もわかりません・・・
僕は暗号の解読は得意ではないので、これは単純にそのメッセージを見るのではないということにしてください。現場の状況と辻褄を合わせるのです。真実は簡単な知識と初歩的な犯人と被害者の心理の問題にあります。問題文の訂正したところは大ヒントです。もう一度読んでくださいませんか?
そうすれば、暗号やダイイングメッセージが得意なTokoさんは「ある」事に気づくはずです。
皆さんもよろしくお願いします。
古畑 (2004/01/11(Sun) 22:01:58)
★Tokoさん
>そうか・・・そんな考え方が・・・別解は作らないように細心の注意を払っていましたが・・・そうすれば犯行は可能ですね。
こんなことを私は言ってましたが、実際は不可能だということに今更ながら、気が付きました。Tokoさんの推理には大きな欠陥があるのです。本当に微妙で実際には確定できませんが、ここは問題文の事実を全面的に信用していただきたいと思います。それが、実はこの事件を解くヒントだったりしますが。
もうぼかすのはやめてはっきり言いますが、ダイイングメッセージはもう一つあるのです。これが解けたとき犯人は一人に絞られます。
Toko (2004/01/17(Sat) 15:23:51)
う〜ん…難しい…
現場の状況を想像してみると、引っかかる事がいくつかあるので、それを書いてみたいと思います。また、ここがポイントになるのかな?と思うことをかいてみます。「そこまで考えないでいいよ!!」という場合は古畑さん、どうか訂正して下さい^^;;
一「ダイイングメッセージ」
一般的にダイイングメッセージとは文字どおり「死んでいく者からの伝言」です。自分の死期を悟った人間が、最後の力を振り絞って書くものです。ところが…この被害者の場合は殴られた場所にメッセージを残し、そのまま玄関まで這って移動しています。それだけの余力がある人間が、自分の死を覚悟してすぐその場に「ダイイングメッセージ」を残すでしょうか?つまり…この「ね」というメッセージは犯人の偽装という可能性が高いのではないでしょうか?
二「被害者の行動」
被害者が殴られた場所から玄関へ移動した理由は何でしょうか?おそらく次の3つのどれかではないかと思います。
?@犯人から逃げるため
?A誰かに助けを求めるため
?Bその行動そのものが犯人を示すメッセージになっているため
上の要素に両手にべったりの血液のことも考えると何かが見えそう・・・でも見えないのですが・・・
三「考えるべきこと」
他に考えるべきことは、鍵の閉まっている家の中にいつ被害者が入っていたのか?水川が来る前からいたが、事情があって会うことが出来なかった(気絶・監禁など)。または鍵がなくても中に入る方法があったのか。
カンですが、家の鍵は被害者自身が占めたのではないかと思ったのですが、手が血だらけの被害者が鍵をしめたらドアノブも血だらけになってしまうので、自分で却下してみました…^^;
どうでしょう古畑さん。私の論理はおかしな方向へ進んでいますか?
古畑 (2004/01/17(Sat) 16:05:46)
★Tokoさん
>どうでしょう古畑さん。私の論理はおかしな方向へ進んでいますか?
いえ、まったく恐ろしいほど正しく進んでいます。Tokoさんの推理通り、ダイイングメッセージは犯人の偽装です。
>上の要素に両手にべったりの血液のことも考えると何かが見えそう・・・でも見えないのですが・・・
これは、ダイイングメッセージが犯人の偽装であることを示しているんです。もし、そのダイイングメッセージを被害者が書いていたとしたら,手は血でべっとりではなく、指先の血はかすれているか、とれていると思いませんか?血がべっとり付いた手とは、時に
全く血がついていない手と同意義になるんです。ここからこれは偽装という風に持っていって欲しくてこのように表現しました。さて、ここからヒントです。
今畑「おい、現場の床はひょっとして血だらけだったのか?」
刑事「確かに血だらけでしたね。でも、犯人が返り血を浴びたとは思えませんがね。それが何か?というかなんで分かったんですそんなこと。」
今畑「いや、犯人の心理を考えたのさ。密室を必要とした犯人のな。」
水川「焦らさないで教えてくださいよ〜今畑さん。!」
今畑「真実は、ダイイングメッセージを解くことにある。被害者が残した本当のやつを。ま、いずれにしてもあの4人が来るまで推理は語れないさ。」
これに加えて、「水川の叔父はしぶとかった」(問題文冒頭に記述)というのはかなりヒントですね。先の今畑達の会話と組み合わせるとよく分かると思います。すべての可能性を考慮して真実を解き明かしてください。皆さんもよろしくお願いします。
野澤 (2004/01/17(Sat) 17:11:42)
う〜ん難しい。
はずれてると思いますが、一応書いときます。
たぶん水川が来る前に犯人は家で叔父を殺していて、水川が家に来て
犯人はびっくりして、叔父と一緒に隠れて水川がテレビをみている間に
偽装の「ね」のメッセージを書いて水川がテレビをみている間に、
こっそり家から立ち去るそうすれば、水川が帰る時に鍵をしめれば
密室完成。たぶん密室にした理由はアリバイがないからかな?
よって犯人は中野哲かな〜?被害者が残したほんとのメッセージとは
「犯人は・・・」って言いかけた事ですか?
Toko (2004/01/17(Sat) 17:20:19)
関係ないかもしれませんが、一応質問いいですか?
>・第一発見者の3人の証言では被害者は、「犯人は・・・」といったらしい。
これは「犯人は・・・」の直後に力尽きたということなのでしょうか?
↑もしそうなら顔見知りの犯行…つまり容疑者の四人を出すための一文ととっていいのでしょうか?
古畑 (2004/01/17(Sat) 17:54:04)
★野澤さん、Tokoさん
う〜ん、野澤さんの言うとおり、その推理ははずれています。それを否定するものも問題文に含まれているんです。
>被害者が残したほんとのメッセージとは
「犯人は・・・」って言いかけた事ですか?
>これは「犯人は・・・」の直後に力尽きたということなのでしょうか?
全く以ってその通りです。これが被害者の残したかった真のダイイングメッセージ。
ここから論理展開させてください。
>もしそうなら顔見知りの犯行…つまり容疑者の四人を出すための一文ととっていいのでしょうか?
Tokoさん、どのような理由でそのように思ったのかできれば聞かせてください。
今後の参考にもなりますし・・・
YAMATO (2004/01/17(Sat) 17:43:41)
野上のアリバイって…まさか「現地時間のアリバイ」じゃないでしょうねぇ…?
それなら時差でアリバイは十分崩せると思うのですが…
古畑 (2004/01/17(Sat) 18:02:30)
★YAMATOさん
>野上のアリバイって…まさか「現地時間のアリバイ」じゃないでしょうねぇ…?
ええ、確かに私はそのような意図でアリバイを設定しました。でも、彼を示すダイイングメッセージは偽装です。えっと、ひょっとしたら、YAMATOさんはこのダイイングメッセージの裏の裏を読んでいるのですか?(この意味が分かりにくかったらすみません。)とにかく、すべての可能性を考慮して真実を解き明かしてください。
Toko (2004/01/17(Sat) 20:12:03)
> >もしそうなら顔見知りの犯行…つまり容疑者の四人を出すための一文ととっていいのでしょうか?
> Tokoさん、どのような理由でそのように思ったのかできれば聞かせてください。
> 今後の参考にもなりますし・・・
あ、いえ、深い意味はないんです。ただ、僕が被害者だったら(仮に犯人が久野大輔だったとして)死にそうなときに「犯人は久野だ!」というように名前が出てくるということはつまり、物取りなどの類ではなく、顔見知りの犯行である→そこから疑わしい四人の容疑者がでてくる。
その考え方の延長なのですが、犯人は第一発見者たちの知っている人物なのでは…?なんていう考え方も生まれましたが、自分でも多少強引だと思います。
そういう流れなのかと思ったのですが、ちょっと回りくどい解釈でした^^;;
>YAMATOさんはこのダイイングメッセージの裏の裏を読んでいるのですか?
たとえば、これはつまり自分で自分に疑いがかかるようにしておき、それを覆すことで自分の確固たる無罪を手に入れるってことですよね^^
最後に…「犯人は…」のイントネーションなのですが、
「犯人は○○だ」という感じなのか、「犯人は?」というように、逆に何かを聞いているような感じだったのでしょうか?
古畑 (2004/01/17(Sat) 21:24:25)
★Tokoさん
犯人は…」のイントネーションなのですが、
「犯人は○○だ」という感じなのか、「犯人は?」というように、逆に何かを聞いているような感じだったのでしょうか?
いえ、これは断定です。
>死にそうなときに「犯人は久野だ!」というように名前が出てくる
まさにその通り!素晴らしい論理展開です。ではなぜ、「犯人は・・・」というメッセージを残したのでしょうか。これには被害者の心理によるものとメッセージ自体の意味
の2つの意味があります。
すべての可能性を考慮して真相を解き明かしてください。皆さんもよろしくお願いします。
冥探偵 (2004/01/18(Sun) 00:22:04)
難しいですが頑張って推理してみました。(^-^;)
水川は自分が鍵を持っていたために密室の犯行だと証言してしまった。
…が真実はこうだ。
3時ごろ水川が叔父の家に来たときは確かに不在だった。
3時10分ごろ水川は外出し、その後叔父が犯人と共に帰宅した。
叔父は植木鉢の下に鍵が無かったので「また甥が来たな。」とスペア(もしくはマスター)の鍵で扉を開けた。
水川は1つだと思っていたが、以前に同じようなことがあったため叔父は外出時にもう一つの鍵を持参するようにしていたのだ。
そして2階で犯人は行動を起こして叔父を殺害し、「ね」のダイイングメッセージを残して「野上」が犯人であるかのように偽装した。
そして密室にするために犯人は扉の鍵をかけ、鍵を持って立ち去った。
犯人は叔父の話から甥が来て外出していること、甥は鍵が一つしかないと思っていること、そしてその鍵を持って外出していることを悟って甥(水川)を利用し密室を作ろうと考えたのだ。
しかし叔父はまだ生きていた。
何とか犯人を示すために最後の力を振り絞って玄関まで這った。
そしてまさに力尽きようとする時に水川が帰宅した。
「犯人は…」、そう玄関。
玄関の扉から連想することは「ノック」。
逆から読むと「くの」、つまり『久野』が真犯人である。
動機は友人(同級生?)である自分はただのサラリーマンだが、叔父の方は世界的自動車メーカー「TOYOTE」の社長になったことが切欠かな。
勝手な解釈による推理かもしれませんが、これでどうでしょう。
郁人 (2004/01/18(Sun) 06:10:42)
それでは私の意見を。
「犯人は・・・」
これが示す人物(犯人であろう)は水川。
前述にある古畑さんのヒント
>被害者の心理によるものとメッセージ自体の意味の2つの意味があります。
を考慮した結果、単純に考えると水川で間違いないと思います。
もちろん2つの意味で。
いかがなものでしょうか。
古畑 (2004/01/18(Sun) 13:23:39)
★郁人さん
正解です!かなりアンフェアなのによく分かりましたね。そう言えば、「雀蜂」のときも名推理を披露されていましたね。お見事!では以下解決編です。
今畑「さあ、解決編をはじめようか。」
水川「え?まだ4人は来てませんよ?」
今畑「彼らが来る前に終わらせていたほうが良いのさ。いろいろな意味でな。」
水川「?」
課の連中たちも集まり今畑は語り始める。
今畑「これは野上さんに罪を着せようとした計画殺人だ。あの「ね」のメッセージは五十音順で「の」の上、つまり野上になる。」
水川「じゃあ、なぜあれが偽装だと・・・?」
今畑「彼の手は血でべっとりだった。もし彼があれを書いたなら指先の血はかすれているかとれていると思わないか。」
一同「な、なるほど・・・で犯人は?」
今畑「死亡推定時刻(午後3時から午後4時50分)から冷静に考えるんだ。水川が来たのが午後3時。だとしたらそれ以前に被害者が殺されている可能性はない。殺されたのは水川が来た以後だ。そうだよな?水川?」」
水川「え・・・?」
今畑「あらゆる意味でおまえが犯人だ。」
一同「ええー!」
今畑「まずおまえは午後3時に叔父の家に行き、午後3時に殺害した。計画殺人なんだから、わざわざビデオも見なかったろう。そして、あの「ね」の文字を残して鍵をかけ、持ち去ったんだ。」
水川「じゃあ、なぜ鍵を持ち去るようなことを僕がしたんですか!外部犯に見せかけたほうがずっと安全です!」
今畑「これには2つの理由がある。まず一つは密室にすることでおまえが外出した以後が犯行時間だと錯覚させるため。まさか刑事が犯人だとは思わないだろうしな。」
そして、これが最大の理由だ。おまえが叔父さんのしぶとさを恐れたことだ。」
一同「それはどういう・・・?」
今畑「叔父さんがしぶといのは親しければ親しいほど知っている。殺したと思っても、ひょっとしたらまだ生きているかもしれない。だがあいにく現場は血だらけ。もう一度殺すために現場に行って下手に血を踏んで、証拠を残すのを恐れたんだ。ま、今回のように叔父さんが玄関まで這ってきているのなら、その時に踏んだと言い訳もできるだろうが、この時のおまえはそれを予想できなかったし彼が死んだと信じたかった。」
水川「・・・」
今畑「そこでおまえは鍵をかけてそれを持っていくことで、家を牢獄に仕立てたんだ。たとえ叔父さんが玄関まできても、頭部にかなりのダメージを受けた叔父さんが、鍵を開けることも難しいし、電話で助けを呼んでも、おまえが鍵を持っていってるから、助けに来た人が家に入るのにも手間どるだろう。」
水川「証拠はあるんですか、そんな推理に!」
今畑「ああ、彼のダイイングメッセージ、「犯人は・・・」だよ。」
水川「そんなの犯人の名前を呼ぶ途中で死んだんでしょ!」
今畑「いや、違うな。本当に死にかけているのなら通常被害者は「かずみにやられた。」
というだろう。しかし、犯人が現場に戻ってきてなおかつ身内だとしたら、たとえ犯人の名前を呼んでも死の間際にそいつに何か語りたかったのかもしれないと思われてしまう。最悪、犯人にメッセージを残すのを妨害される可能性もあるだろう。
そう思った被害者は「犯人は・・・」ということで、現場にいる身内が犯人だと言いたかったのさ。」
水川「それぐらいで僕を犯人に?叔父さんの単なる心理でしょ?本当にそうだとは限らない・・・」
今畑「確かにな。たがメッセージ自体にも意味があるんだよ。」
水川「!」
今畑「下手なことを言われないように注意したようだが油断したな。「犯人は」=「はんにんは」これは回文になっているのさ。そう、おまえの「みずかわかずみ」のようにな。
水川「そんな・・・」
今畑「先も言ったように、被害者が犯人の名前を言わなかったことから考えても犯人は現場にいて、なおかつ回文の名前を持つおまえだ!」
水川は俯きながら答える。
水川「くっ・・・お見事です。しかし、今畑さんでも動機は分からないでしょうね。」
今畑「ふん、動機なんかないんだろう?これは殺人事件じゃない・・・」
一同「どういうことだ?」
今畑「お前らまでとぼけるんじゃないよ。叔父さんは殺されていないし、捜査も実際にやっていないだろう。これは俺をはめるための罠。いや、正確には・・・」
その時、例の4人が到着した。
中野「やあ、もう解決したようだね。」
今畑「ええ、やっぱりあなたが考えたトリックでしたか。毎回あなたの推理小説のトリックのモルモットにさせられる私の身にもなってください。」
中野「はは、しかしこの分じゃこれもボツだな。」
野上「まあ、宴会の前の余興と思えば、なかなか楽しめたさ。」
久野「さあ、そろそろ宴会をはじめようか、色々買ってきてるんだよ。」
古賀「飲みすぎは健康に悪いですから、ほどほどに・・・」
課の連中たちも皆で早々に宴会の準備をはじめた。水川の叔父も解決されたのを悟ったのか2階から降りてきていた。
水川「今畑さん、よく分かりましたね、これが作り話だって・・・」
今畑「ん?そりゃ毎回こんなのだからな。中野さんにアリバイがないって時点でなんとなくわかったよ。あの人もここに来ておまえに色々指示してたんだろう?」
水川の叔父「そこまで分かってたんですか。今回のは結構真実味が出てたでしょ?なあ、甥よ。」
二人が笑っているのを聞きながら、今畑は頭を抱えながら宴会の席についた。まだまだ夜は長そうだ。
こんな展開にしてしまいすみません・・・水川君をまだ失いたくないので・・・これは通常私達がよく聞く「犯人は・・・」
が実は回文であることに気づいたのと、「主役の相棒の刑事が実は犯人だった」というひねりが欲しくて書きました。ということで前回の「消えるダイヤ」で
水川かずみを登場させておいてカモフラージュし、今回は犯人に・・・としたんですが・・・私がしつこく書いていた「すべての可能性を考慮して真実を解き明かしてください。」というのも一応ヒントのつもりでした。ちなみに「論理の報酬」とは「推理」の後の「報酬」=「宴会」という意味です。
Tokoさん、何度も参加してもらいながら、こんな展開ですみません。野澤さん、冥探偵さんにも申し訳ないです。多分問題文の「疑わしいのは4人」って言うので迷われたんだと思います。あれは不要だと反省すべきところだと思いました。そして郁人さん、この超アンフェアのなか見事な推理でした。
できれば、今後の参考にこの問題に対して、感想をいただきたいと思います。「済!」マークは改めてその時に。それでは皆さん、解いていただき本当にありがとうございました。
Toko (2004/01/19(Mon) 09:41:22)
>Tokoさん、何度も参加してもらいながら、こんな展開ですみません。
とんでもない!!とても楽しかったですよ^^>
内容も、ストーリーもすごく良かったと思います!!
さらに郁人さん、素晴らしいです!!そこで水川犯人説が出てくるという頭の柔らかさに感心するばかりです^^
私も見習って発想力を豊かにしないといけませんねぇ・・・頑張ります!
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実在に存在するものを示すものではありません。